侠花列伝 襲名賭博
劇場公開日:1969年9月27日
解説
「海はふりむかない」の星川清司が脚本を書き、「前科・ドス嵐」の小沢啓一が監督した任侠もの。撮影は、「日本残侠伝」の横山実が担当した。
1969年製作/93分/日本
配給:日活
劇場公開日:1969年9月27日
ストーリー
昭和初期の湯治場上州鹿沢。芸者・志満は、追われた旅の博徒・柿沢高次を救った。二人の間には愛が芽生えた。しかし志満は、温泉を仕切る向田組の若棟梁・向田周吉の許婚だった。その頃、湯元の権利を狙っていた本堂組の源蔵、万蔵の父子は、高次を追ってきた太平組の太市ら兄弟と結託して、向田組の勧進賭博で、周吉に恥をかかせた。翌朝、太平組は、志満宅に踏み込んだ。高次と一緒に生きようと決心した志満は、高次の助けで、東京での再会を約して逃れた。上京した志満は、小料理屋・川重に住込んだ。そんなある日、店主・重吉の亡き娘の夫・菊本露八が帰ってきた。露八は、志満に心惹かれた。ある夜、小宮山マキが店に現われた。マキは旅の女賭博師で、鹿沢で志満を見知っていた。マキは、志満のことを周吉に知らせた。周吉は、急拠上京した。しかし、志満の高次への気持を知って、無理に連れ帰れなかった。だが、万蔵が、周吉の後をつけていた。やがて、約束の日、高次は、マキと店に現われ、志満のために心ならずも、マキと夫婦になったと告げて、帰って行った。帰途、高次は、向田組の老代貸・常松と会った。潔よい高次の態度に、周吉は敵意も消え、高次を黙って帰した。それを見ていた万蔵は、太市ら兄弟に周吉を襲わせた。周吉は瀕死の重傷を負った。志満は、常松の頼みに、死の枕辺で、周吉と祝言を挙げた。周吉は、湯元の権利を守るよう頼んで、事切れた。鹿沢に帰った志満は、向田組三代目を襲名した。本堂組は、湯元の権利を賭けて、賽の勝負を挑んできた。本堂組の壷振りはマキ。しかし、勝負は志満が勝った。志満の一途な心に、マキが、勝ちを譲ったのだった。マキの去った日、高次が、帰ってきた。その時、常松が殺された。高次は、志満に黙って、単身、本堂組に殴り込みをかけた。そして、本堂組の客人となっていた露八も、志満のために寝返った。高次は万蔵を斬り倒したが、露八は源三と差し違えて死んだ。高次は、志満に別れを告げ、去って行った。