吸血鬼ゴケミドロのレビュー・感想・評価
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角度を変えた反戦映画
Huluにて鑑賞。
ホラー映画ですが、角度を変えた反戦映画ですね。
とりあえず、敵に対する理解力が乏しい。
私なら、そんな事しないよ!というシーンがチラホラ。
ちょっとエッチなシーンがあるので、地上波はもうムリかもしれませんが、チャンスがあれば是非ご観賞を。
0019 殺人回路のキャシーではないかい!?
1968年公開
何気にテレビを見ていたらいきなりタイトルバック。
ゴケミドロ!?コケが泥?
当然特撮映画だーと認識して観ているわけではなく。
不思議な光体により墜落する飛行機。
そしてアメーバ風のかたまりが
人間の眉間をパシッと割り、そこに入っていく。
あーやめてー
遊星からの物体Xのような閉じられた空間での
疑心暗鬼が残存者の間につくられていく様は
なかなか面白い。
主役が脱出しても既に都会は侵略者の手に堕ちていた
絶望感。
追い打ちをかけるよう地球に円盤が迫ってくる。
その後青い地球は火星のように色落ちていく。
ミクロからマクロに目線を移し、結末はどうなったか
わからない。
70点
当時としては立派なSF
今となっては寄生する宇宙の生命体を描いた映画等山ほどあるが、この当時(49年前?)では凄い。
寄生された人間の額が割れるのはどうなん?って思うけど(笑)
一応、吸血鬼みたいに人の血液を吸うってのがオマケみたい。
物語は個性豊かな乗客たちの我が身可愛さ故の保身に汚ない人間性を見せられると言うのがメイン。
ラストは衝撃的、唖然とする結果
その時代の技術的に仕方ないが現代特撮と比べるとそりゃショボく見える。
でも当時それなりの技術を持って作られたモノだし、この類いをリメイクしたら大抵は技術だけ上がってても、目を見張る作品にならない。
キャストも皆さん中々の暑苦しさで熱演、異常事態の最中に置かれた自分勝手な人々を見せてくれます。
代議士の我が身かわいさなどは中々の下衆っぷり
UFOに吸い込まれていく演出や寄生から解放された身体が朽ちていく様などもそれなりに見応えあり。
死んでる人々の姿が奇妙なポーズで笑ってしまうのはご愛敬。
とにかく高英男が素晴らしい
東宝が『マタンゴ』なら、松竹は『ゴケミドロ』だ!
特撮と言ったら、東宝。
次は、『ガメラ』や『大魔神』を生み出した大映。
その次は…?
松竹かもしれない。
松竹と言ったら、ホームドラマや人情劇がお家芸。しかし、特撮作品も少々。
珍品怪獣映画があったが、本作は間違いなく松竹特撮の最高峰。…いや、邦画SF怪奇作屈指の名作と言ってもいい。1968年の作品。
勿論前々からこの作品の事は存じ上げ、是非とも見たいと思っていたのだが、なかなか機会が…。
そんな時巡り逢わせてくれるのが、動画配信。もう、センキュー!
特撮マニアとしては本当に宝庫。
航行中の旅客機が逃走中の要人暗殺犯によってハイジャック。
その直後、謎の発光体と遭遇。航行不能となり、岩山に不時着、大破した。
助かったのは僅か10人。暗殺犯も助かり、やがて目を覚まし…。
まず、このサスペンス・ドラマ部分だけでも充分見応えあり。
正気を保とうとする者、
醜い争いをする者、
冷徹に見つめる者、
問題の危険人物…。
助けも来ない、望みもない、水や食糧も底を尽いた時…。
極限状態下に置かれた人間模様。
正直、エゴにまみれた人間の悪しき姿は見たくない。本来、人間はこうじゃないと信じている。
しかし…
“作品”としてはスリリングに引き込まれてしまう。
人間には少なからず、そういう性があるのか…?
これだけでも話は成り立つが、お膳立てに過ぎない。
メインディッシュはここから。
知らぬ間に、我々はすでに…!
暗殺犯がスチュワーデスを人質に逃走。
すると岩影で、あの発光体と遭遇する。
それは空飛ぶ円盤。
暗殺犯はその中へ。アメーバ状の生物が暗殺犯の額を割って体内に入っていく…!
さながら『寄生獣』の原点。額を割って体内に侵入していくシーンは強烈インパクト。
謎のアメーバ状の生物も『ブロブ』みたい。
しかし、恐るべき生物。
侵入された者は精神も肉体も支配され、吸血生物に変貌。
宇宙吸血生物、ゴケミドロ!
ゴケミドロに支配され吸血鬼と化した暗殺犯は次々生存者たちを襲う。
元はアメーバ状なので知能など皆無かと思いきや、人を介して意志疎通。兼ねてから地球を狙っていたと戦慄の征服計画…。
生き残った者たちで決死の闘いに挑むが…。
強烈ビジュアル&インパクトのオンパレード。
序盤の旅客機の窓にぶつかって死ぬ鳥で不穏を煽る。
脳裏に刻まれる色彩。何と言っても、真っ赤な空! これはタランティーノが『キル・ビル』でオマージュを捧げたほど。
光り輝く円盤。円盤内での恐るべき体験は画面が揺らぎ…。
血を吸われた人はミイラ化!
間違っても子供が見る作品ではない。
監督の佐藤肇と脚本の高久進&小林久三は、本当にいい仕事をした。
東宝の非怪獣/非SFの特撮に劣らない。
キャストでは副操縦士の吉田輝雄とスチュワーデスの佐藤友美(美人で妙に色っぽい)がヒーロー&ヒロインだが、やはり吸血鬼と化した高英男。
本業は俳優ではなくシャンソン歌手らしいが、そうとは思えない超怪演!
あの額の傷、あの風貌、あの不気味さで迫り襲われたら…、悪夢に出てきそう!
当時のSF作品は洋邦もある程度のメッセージ性はあるにせよ、危機は回避され、地球は救われる。つまり、ハッピーエンド。
が、本作は違う。
唯一生き残った副操縦士とスチュワーデス。命からがら、やっと人気のある場へ。
そこで目の当たりにしたのは…!
絶望と悲壮の救いの無いラスト。
さらに追い討ちをかけるように、宇宙から…。
東宝が『マタンゴ』なら、松竹は『ゴケミドロ』だ!
ゾッとするが、衝撃的なまでに面白い!
我々の知らぬ間に…。
何だか今のアレを彷彿させ、殊更恐ろしくも感じた。
カーペンターの勝ち
汚職やら戦争だの反戦などの話をしてる合間合間にエイリアンが襲ってくるという構成になっている。しかし主人公がそういったことに全然絡んでないので全く盛り上がらない。例えば実は機長が女に手をつけまくる女たらしでテロリストにそれが知られて利用されていた。だんだんと正体がバレそうになったのでエイリアンを利用して1人ずつ殺して生き…なんて話にしていればもっと面白くなってたかもしれない。どうせ色気を入れるならもっと大胆に入れて欲しかったな。ただ一応最後まで見れたのでさほど酷くはなかったのだろう。特に女優さんのスタイルは綺麗で昔の人にしてはとても足が長いと感じた。それにこの映画が作られた時代、テーマの斬新さからして3.5です。
佐藤友美がいい!
国際テロもニュースになっている時世、旅客機の窓に鳥が自殺してぶつかる。そんな不気味な状況下で、不審な鞄が持ち込まれたとしてパイロットが客席を調べ、犯人らしき男が操縦席で銃を構える。そして山の中で不時着・・・生き残ったのは9人だった。
短銃とライフルも持参していたテロ男、爆弾予告した過激派オタクの青年、そして兵器産業に精通している政治家とその会社の重役と妻。一癖も二癖もあるような人間ばかりで、それなりに社会派要素満載。さらに夫がベトナム戦争時に仲間のナパーム弾で戦死したアメリカ未亡人。なぜだか反戦メッセージまで伝えてくる。だけど、吸血鬼ゴケミドロのおかげで人間の本心が現れ、自分さえ生き残ればいいという考えの持ち主が次々と犠牲になってゆく。
山中に赤い光を放つUFOを用意したり、なにしろ小型ではありながら旅客機を使っている贅沢さ。特殊メイクなんて鼻の上にチンコのようなものをくっつけただけで、銀色の泡状の物質が離れるとき額がパックリと割れるくらい・・・まぁ、効果音や人間模様が面白いのであるが。
なんとか逃げ出したパイロットとスチュワーデスの2人。町にたどり着いたものの、人間は皆ゴケミドロの犠牲者となっていたのだ。人類の滅亡は近い?赤く着色された戦争写真、原爆のきのこ雲が反戦、反核を訴えている。そして最後には絶望感漂う場所にたどり着き、UFO群が地球へと向かってくるエンディング。
和製特撮ホラーのカルト的大傑作!
Blu-rayで鑑賞。
いやぁもう怖いったら無い。
どうしようも無く怖い。
ああマジで怖いよぉ…(泣)
――
謎の光輝く飛行物体と遭遇し墜落した小型旅客機。辛くも生き残ったパイロットや乗客たちが体験する悪夢を描いた特撮ホラーの名作。クエンティン・タランティーノ監督が本作のファンなのは有名なお話。
宇宙生物ゴケミドロが人間に憑依し、逃げ場の無い生還者たちに襲い掛かって来ました。文字通りねっとりと…。
憑依の仕方がトラウマものなのよ…。額がパックリ割れて、その中にアメーバ状のゴケミドロが入り込む…ウゲェ…。その様子が精巧な頭部の造形物も相まってめっちゃリアル。夢に出て来そうなインパクトがありました。
ゴケミドロが憑依した人間は吸血鬼に変身…。殺された人間が吸血鬼になって生き返らないのがせめてもの救いかも…。ゴケミドロは地球を侵略するために遥か彼方の惑星からやって来たのでした。侵略宣言がこれまた怖い…。“ゴケミドロ”というネーミングからしておぞましい…。
得体の知れない不気味さが全編に充満しておりました。額の割れた人間が音も無く忍び寄って来るのですから、その恐怖たるや尋常じゃありません。おどろおどろしさ満点。ある意味日本らしい怪談なのかもしれませんなぁ…。
成す術も無く、次々に人々が犠牲となっていきました。巻き起こる思わぬ惨劇に人間のエゴと狂気が爆発し、緊迫した人間ドラマが展開されていきました。これぞホラーの真骨頂。人間ドラマ描写に長けた松竹映画の底力を感じました。
終わりの見えない絶望の先に待っていた仰天のラストに慄きました。なんと救いの無い物語なのでしょう!(戦慄)
【余談】
「仁義なき戦い」シリーズの山守組長役で私のお気に入りになった金子信雄が、本作でもイキイキと嫌な奴を演じてくれておりました。最高かよ!(笑)
構図がバシッと決まってて良い。 いまの日本映画は構図が全然ダメ。 ...
B級ホラーの傑作
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