劇場公開日 1968年8月14日

「佐藤友美がいい!」吸血鬼ゴケミドロ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0佐藤友美がいい!

2019年8月17日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

 国際テロもニュースになっている時世、旅客機の窓に鳥が自殺してぶつかる。そんな不気味な状況下で、不審な鞄が持ち込まれたとしてパイロットが客席を調べ、犯人らしき男が操縦席で銃を構える。そして山の中で不時着・・・生き残ったのは9人だった。

 短銃とライフルも持参していたテロ男、爆弾予告した過激派オタクの青年、そして兵器産業に精通している政治家とその会社の重役と妻。一癖も二癖もあるような人間ばかりで、それなりに社会派要素満載。さらに夫がベトナム戦争時に仲間のナパーム弾で戦死したアメリカ未亡人。なぜだか反戦メッセージまで伝えてくる。だけど、吸血鬼ゴケミドロのおかげで人間の本心が現れ、自分さえ生き残ればいいという考えの持ち主が次々と犠牲になってゆく。

 山中に赤い光を放つUFOを用意したり、なにしろ小型ではありながら旅客機を使っている贅沢さ。特殊メイクなんて鼻の上にチンコのようなものをくっつけただけで、銀色の泡状の物質が離れるとき額がパックリと割れるくらい・・・まぁ、効果音や人間模様が面白いのであるが。

 なんとか逃げ出したパイロットとスチュワーデスの2人。町にたどり着いたものの、人間は皆ゴケミドロの犠牲者となっていたのだ。人類の滅亡は近い?赤く着色された戦争写真、原爆のきのこ雲が反戦、反核を訴えている。そして最後には絶望感漂う場所にたどり着き、UFO群が地球へと向かってくるエンディング。

kossy