キャバレー日記
劇場公開日:1982年6月25日
解説
激しい売り上げ競争に明暮れるキャバレーチェーンのある店を舞台に、そこに生きるホステスと社員たちの姿を描く。和田平介の原作の映画化で、脚本は「遠雷」の荒井晴彦、監督も同作の根岸吉太郎、撮影は「犯され志願」の前田米造がそれぞれ担当。
1982年製作/81分/日本
配給:にっかつ
劇場公開日:1982年6月25日
ストーリー
ここは新宿、歌舞伎町にあるキャバレー“ミスニッポン”。全国にあるチェーン店の中で売り上げナンバーワンを目指す同店では、軍隊式人間管理のもとで、社員とホステスの交際は禁じられているばかりか、同じ電車に乗り合わせてもいけないという厳しい規律がひかれていた。夏のボーナスシーズンを迎え、同店は激しいトップ争いに加わっていた。そんなある日、新入社員の和田は閉店後、ナンバーワンのホステス、宏美が酔っているところを助けた。翌日、和田は課長の福永にいきなり殴られた。宏美を介抱しているところを見られたのだ。数日後、ナンバーツーの淳子と福永がそろって出社しなくなった。二人は以前から愛し合っており、淳子のお腹には福永の子が宿っていたのだ。また、宏美も福永と一度、関係を結んたことがあり、思いを寄せていた。一方、福永を尊敬し、この仕事に本気でぶつかろうとしていた和田は、あの日以来、宏美を密かに愛してもおり、今度の事件に怒りとショックを覚えた。ラストスパートに入った売り上げ競争の中で和田は係長に任命されるが、仕事に身が入らず3日ほど無断欠勤をした。そんなとき、もう一度、働かせて欲しいと淳子がやってきた。その頃、貯金がなくなっていた福永は宏美からも金をせびっていた。そこで、店長の河本は宏美に福永をおびき出させると、店に連れ込み、和田をはじめとする社員に殴りかからせた。しかし、禁じられていた愛に走った福氷を殴った和田の後味は悪かった。スパイの役を演じた宏美も同じだった。売り上げ競争は終り、同店はおしくも2位になってしまった。その夜、閉店後の店の中で、宏美は和田を誘い、二人は初めて体を重ねた。翌朝、荷物をたたんだ宏美は店に電話するが、幸せそうに眠る和田はでようとしない。昼過ぎになると、店長の河本がやってきて、宏美がいなくなったことを知らされる。そして、ホステスの管理もできないのかとドヤされる。和田の表情には、本気で水商売に取り組もうとする輝きがあった。