関東無宿

劇場公開日:

解説

平林たい子原作“地底の歌”より、八木保太郎が脚色、「悪太郎」の鈴木清順が監督した仁侠の。撮影もコンビの峰重義。

1963年製作/92分/日本
配給:日活
劇場公開日:1963年11月23日

ストーリー

新聞の片隅にある「やくざの出入り、親分射殺さる」の小さな見出し、この小さなみだしの裏には、やくざの掟に反抗しながら、悲惨な宿命を背負った二人の男の物語があった。伊豆組の幹部鶴田光雄は、どこか知的な鋭さをもつ男であった。その鋭さが、彼の印象を非情で、油断のない人間にしていた。親分伊豆荘太が、心を許せないのもこんな彼にであった。最近擡頭著しい吉田組と、伊豆組は何にかとおりあいが悪かったが、土建の請負仕事の権利をめぐって、一触即発の状態であった。古田組の乾分、ダイヤモンドの冬は、ある日花子という女子学生に遇ったが、その日から冬は花子が忘れられなくなった。しかし花子は伊豆組の乾分鉄に売り飛ばされてしまった。狂気のように探す冬を見た伊豆は、吉田組の復讐を恐れ、鶴田に鉄と花子を探し出すように命じた。ある賭場に来た鶴田は、女博徒辰子に再会した。三年前賭場で知り会った二人は、忘れられない人になっていたのだ。辰子はイカサマ博打師おかる八と組み、客から金を捲きあげていた。思いあまった鶴田は冬の家を訪ねだが、そこで辰子を見て驚いた。辰子は冬の姉だったのだ。鶴田の胸に顔を埋める辰子、その時から鶴田は、辰子の男、“おかる八”との対決を決意していた。花子を失い、連日連夜賭博にふける冬を心配して相談する辰子と、鶴田の間には、ヤクザの掟はなく慕情だけがあった。突然鉄が、ダイヤモンドの冬に刺されたと聞いた伊豆荘太は、鶴田の無能さをなじった。何事かを決意した鶴田は賭場に返した。突如数人の暴漢にかこまれた鶴田は、二人を一瞬に切って捨てた。その頃冬もまた吉田の命令で伊豆をドスで貫いていた。やくざの黒い掟に押し流された、若い二人はこうして社会から抹殺されていった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0炎がメラメラみたいな眉毛

2023年12月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

難しい

寝られる

全然、進まない展開に話が見えてこない退屈感が後半からの"清順美学"が冴え渡る演出描写に物語もテンポ良く、松原智恵子との恋模様があるかと思えば複雑な人間関係に翻弄される小林旭の渋味より滑稽さが際立つ、終わってみれば興味深い脚本と今撮っても面白そうな物語が斬新よりも奇抜さが強く印象に残る。 退屈に思えた序盤から中盤が嘘みたいに面白くなる終盤戦と最後の小林旭に哀愁が漂う。

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万年 東一

2.5眉濃いよ旭

2020年3月31日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

63年日活。鈴木清順監督が撮った任侠モノ。小林旭主演。旭の映画はあまり観てこなかったが、太る前はものごっつ男前だねえ。吃驚した。 話はチト退屈だったが奇妙な空間表現や光の使い方が清順タッチ。カメラの動きもスゴい。そして三人博打シーンの緊張感は流石だ。見所は少ないが見ておいて損はない。 監督は任侠の世界に興味ないと思う。素材として扱ってるだけで。たぶんそう。

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散歩男