劇場公開日 1986年4月26日

「大林節の青春ラブストーリー、爽やかな力さん」彼のオートバイ、彼女の島 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0大林節の青春ラブストーリー、爽やかな力さん

2019年6月24日
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鑑賞方法:DVD/BD

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初夏の信州を舞台に、オートバイで旅する青年と、彼の前に風のように現れた島の少女。
まるで画に描いたような、目に浮かぶような王道の青春ラブストーリー…と思って見ると、風変わりな作風に戸惑うだろう。
何てったって、監督は大林宣彦。
独特の演出、語り口、延々流れる音楽、ナレーション、映像も白黒になったりカラーになったり、実験色の強い大林節は健在。
シュールで漫画チックにもなったり、島のシーンは郷愁誘うご当地ムービー風であったり、ノスタルジックなファンタジー風でもあり、この作風に乗れるか否かで好き嫌い分かれるが、数々の青春映画の名作を手掛けた大林監督ならではの瑞々しい感性にはやはり魅了される。

原田貴和子のデビュー作。初々しさいっぱいで、歌声やヌードも披露。
キャスト・クレジットでは彼女が主演だが、今見れば、今とまるでイメージ違うアノ人に驚かされる!
竹内力。
今やすっかりオーバーリアクション&コワモテ顔芸怪優だが、その笑顔まで何と爽やか好青年!
オートバイで駆け、革ジャン&白シャツ&ジーンズのTHE80年代スタイルも決まってる。
引き締まった肉体美やフルヌードも!
そんな力さんにとっても本作がデビュー作。
当時の女子たちは、突如現れたこのちょいワル青年に色めき立った事だろう。
そして誰が思ったろう。“ミナミの帝王”になると。
力さんが初期は爽やか青年役を演じていたのは知っていたが、改めて見ると、力さんにもこんな時代があったんだなぁ…と、つくづく思う。
爽やか力さんもいいが、今の力さんも好きだけどね。

オートバイが二人を結び付けるキーであり、二人でツーリングは憧れのシチュエーションで、オートバイ好きには堪らないだろう。実際、オートバイ好きのバイブル的な作品なんだとか。
オートバイに興味なくとも、大林節の青春ムービー、色んな意味でキャストの魅力(豪華なキャストも皆、若い!)…見て損はナシ!

近大