からっ風野郎

劇場公開日:

解説

「女が階段を上る時」の菊島隆三に安藤日出男が加わった共同脚本を「女経」の増村保造が監督したアクション・ドラマ。「明日から大人だ」の村井博が撮影した。

1960年製作/96分/日本
配給:大映
劇場公開日:1960年3月23日

ストーリー

「百十一番の朝比奈だね」確かめるのと拳銃の轟音と同時だった。が、がっくりつんのめったのは全くの人違い。それは面会を代った囚人だった。殺し屋の狙った朝比奈一家の二代目武夫は難を逃れてその日出所した。殺し屋を向けたのは新興ヤクザ相良商事の社長相良雄作、武夫が父の復讐のために大怪我をさせ、それが武夫の二年七カ月のムショ入りの原因となったのだ。武夫はまず情婦の昌子に会った。女はすぐ燃えたが、武夫は非情だった。腕時計一つで彼女と手を切った。お荷物は一切綺麗にしとくんだと言って。武夫の根城は映画館コンパルだった。そこで新しいもぎりの芳江に会った。彼女は町工場に勤める兄の正一に弁当を届けにいき、ストライキにまきこまれブタ箱に入れられた。機会が訪れた。大親分雲取からの法事の招待状だった。武夫にも相良にも。が、寺には相良は来ず、代理として現われたのが殺し屋ゼンソクの政だった。武夫はツイていた。政がゼンソクの発作を起し、弾丸はそれて左の掌を射ち抜いたきりだった。芳江が現われ、もう一度雇ってくれと頼みこんで来た。武夫は抱いた。彼女から妊娠したと聞いた時不思議にも武夫は芳江に愛情を感じたのだ。堕ろせといっても芳江はきかない。その前後、武夫は相良の娘みゆきを誘拐し相良をおどしたが、相良も芳江の兄を監禁して抵抗した。芳江の身に危険を感じた武夫は、九州の田舎へ身をかくすよう勧めた。東京駅へ芳江を送って行った武夫は、生まれてくる子供のための毛糸を買いに、下のデパートに走った。その武夫に政の一弾が襲った。武夫はエスカレーターの上に倒れた。エスカレーターはその武夫を乗せたまま静かに上へと動いていった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

5.0フィルム・ノワール 世界一カッコ良いくたばり方!

2023年5月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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マサシ

3.0そこまで酷くはない

2023年1月26日
iPhoneアプリから投稿

三島の演技が酷いことで有名らしいので怖いもの見たさで見てみたが、三島が酷いというよりは周囲のプロ俳優たちのレベルが高すぎるという印象だった。かといって三島の演技を完全擁護するわけにはいかないんだけど、それは単に「演じること」に慣れていないからで、演じる役柄の人格についてはほとんど完璧に掴んでいたように思う。

たとえば出所日にパトカーの中で威勢を張る三島に「顔が青いぞ」と警官が言う。そのときの彼の恐怖と虚勢が相混じったなんともいえない表情はなかなか見事なものだ。脚本家が三島由紀夫の人格から逆算してああいうキャラクターを創り上げただけかもしれないが。

話しとしてはよくあるヤクザ映画という感じで、やはりヤクザは軽率に赤ちゃん用品コーナーに立ち寄るべきではないなと改めて思った。ラストシーンでは、絶命寸前の三島の進行方向とエスカレーターの進行方向が逆であるがゆえに、シリアスともコメディともつかない異常空間が醸出される。ヤクザとカタギの間を曖昧に揺れ動き続けた三島に相応しい最後であるといえる。

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因果

3.0女をビンタしまくる三島由紀夫の姿

2019年12月25日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

作家三島由紀夫が主演それもヤクザの二代目を演じる!というどうにも驚きの映画。1960年大映。
どういう経緯でこの企画が成立したのか知らぬが、まったくもって無茶である。

演技経験の全くない三島由紀夫は冒頭から出ずっぱり。最初は棒読み演技ひどいなと思っていたがずっと見ていくうちになんだが好きになっていく奇妙な味わいがあった。なんだろうこれ。
作家としてもう名声を得つつあった三島がヤクザ役、それもしょっちゅう筋肉ムキムキにした体をアピールという倒錯した感があるが、物語は割合にまともで映画として見れるものとなっておりました。

監督は増村保造、共演は若尾文子・船越英二・志村喬などビシッと一流どころを揃える充実ぶり。どうやら監督は三島をしごいたらしい。さすが増村保造。

若尾文子の異様に頑固で意思の強い女性がイカス。デートシーンがほのぼの。
船越英二のインテリヤクザもいいキャラ。
ラストのエスカレーターシーンは必見。

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散歩男

3.0三島の演技そんなに

2019年11月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悪くないと思う。ラストはスカーフェイスっぽい(こっちが先)

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奥河内多忙丸

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