カモとねぎ

劇場公開日:

解説

「石中先生行状記(1966)」の松木ひろしと「南太平洋の若大将」の田波靖男が共同でシナリオを執筆し、「国際秘密警察 絶体絶命」の谷口千吉が監督したコメディ。撮影は「落語野郎 大馬鹿時代」の鈴太斌。

1968年製作/92分/日本
原題:The Bamboozlers
配給:東宝
劇場公開日:1968年3月16日

ストーリー

その端正な風貌から“貴族詐欺師”と呼ばれる石黒信吉とキザなチンピラ丸木久平、発明狂の堅物森洋介の三人の詐欺師は、競艇で八百長を仕組み、まんまと三百万円を手にしたが、丸木と森の不注意からその金を謎の女に持ち逃げされてしまった。女の残したマッチを手掛りに、三人はようやくのことで暴力バーのホステスである女、麻美を見つけたのだが彼女は情夫の保釈金にその三百万を使っていた。たまたま、麻美が金庫破りの技術を持っていたことから、彼女が仲間に入ることになり、信吉はフイになった三百万円の穴埋めに、ある暴力バーに税務署員に化けて乗込み、支配人から脱税の口止め料として大金をせしめたのである。ある日、信吉はベトナム特需でボロ儲けの東西油脂工場に目をつけ、大仕事を企んだ。工場の廃液による地元の奇病をネタにしようというのである。信吉は新聞記者に化けて奇病の実態を調べるうち、この公害の犠牲者を父に持つ芳江を知ったが、彼女の黒髪に、戦時中の悲しい恋を想い出し、ファイトを燃やした。工場の中庭に埋まっているという昔の不発弾を掘り出すという名目で自衛隊不発弾処理班になりすました信吉たちは、緊急避難命令で混雑する工場の金庫から、二通の書類を手に入れた。一通は廃液を有害とする研究報告書で、他のは秘かに製造しているナパーム弾の米軍との受注契約書だった。東西油脂の生命を握るこの書類のうち研究報告書の方を芳江に渡した信吉は、残りの一通で勝負に出た。しかし、東西油脂の大井社長もしたたか者で、信吉たちは彼の罠にはまり、書類を取り上げられたうえに、生命まで奪われそうになった。その危地を麻美の機転で助かった詐欺師たちは、「オレたちが悪いことをするのは仕方がないが善良な市民が悪事を企むのは許せない」という妙な理屈で、猛然と反撃にうつった。信吉たらは緻密な作戦を立て、ゴルフ場から大井を誘拐し、麻酔から醒めた大井にそこの地下室が、沖縄の基地の一室と思い込ませた。そして機密書類を暴露したということでMPに引き渡すと脅すと、さしもの大井も、口止め料として三千万円を支払わざるを得なかった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0黄金の四人‼️

2023年12月30日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

楽しい

知的

谷口千吉監督が描く詐欺師版「ルパン三世」or「スパイ大作戦」⁉️チームの頭脳とも言える森雅之さん、労働担当の高島忠夫さん、発明担当の砂塚秀夫さん、解錠&すり替えのプロでお色気担当の緑魔子さん‼️森雅之さんはジム・フェルプスだし、高島さんはイーサン・ハント、緑魔子さんは峰不二子ですよね‼️ボートに細工して競艇で大儲けしたり、ぼったくりバーの店長脅しで大金をせしめたり、ポルノ映画を毛嫌いする委員会のご婦人たちを騙して売り上げを盗んだり・・・。でもラストは公害に苦しむ人々を助け、悪徳企業を懲らしめる‼️主役の森雅之さんのどこか英国紳士のような佇まいが、日本映画にしては洒落た雰囲気を醸し出していて、楽しめる作品です‼️堅物のご婦人に扮した山岡久乃さんがポルノ映画を観せられて興奮する姿は大爆笑‼️でもやはり出演陣の中では、緑魔子さんがチョー魅力的ですね‼️

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活動写真愛好家

4.0軽いノリだが人情に厚い凸凹カルテットは和製ルパンファミリーの開祖か⁉ 愉快痛快義賊譚に公害,戦争,権力への皮肉も込めたごった煮娯楽映画!!

2023年10月25日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

 三船敏郎さんの俳優デビュー作として有名な山岳アクション映画『銀嶺の果て』(1947)や"和製007"を目指した『国際秘密警察シリーズ』(1963~1967)の谷口千吉監督のキャリア晩年の一本。ちょっと調べてみたらどうやら70年代は公式記録映画を一本と自主映画を一本のみのようなので商業映画としては本作が最後となったようです。
 個性の強い男女四人による駆け引きと悪漢から大金を掠め取る大泥棒劇…プロットからすると『ルパン三世』(本作公開とちょうど同時期に第一作が連載されていたようです)あるいは『スパイ大作戦』を強く感じさせ、それだけに古い作品と言えど四人の軽妙な掛け合いこそ楽しみどころということが直感的に判る、偉大なるマンネリの一型です。
 しかしながらその一方で1968年という世相とその社会的問題意識が要所にエッセンスとして散りばめられており、単なる能天気には留まっていません。
 また、メイン四人を演じる森雅之さん、緑魔子さん、高島忠夫さん、砂塚秀夫さんは他の代表作品でのイメージとは一味違った印象を残しているので、そういう面でもまさしく掘り出しもん感でした。

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O次郎(平日はサラリーマン、休日はアマチュア劇団員)

5.0シャレてると思う

2023年10月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

楽しい

単純

詐欺の仕事はそんなに上手くいくわけねぇよ。と思うシーンが多いけど、昭和のいい加減な感じがよく出てると思う。キャストはみんな良かったけど緑魔子がメチャクチャかわいい、50年も前なのに今いてもオシャレだと思うファッション。ロミ山田の歌も最高。ピカピカに輝いていたこの頃の2人を観れただけでも自分は満足。

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GAS

4.0うさん臭くてシャレていて憎めない

2023年10月13日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

楽しい

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ふじあに
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