「本物の報道の底力」ガメラ 大怪獣空中決戦 とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)
本物の報道の底力
当時の報道番組やワイドショーで活躍されていた方が次々に出てくる。
それだけで、そこに起こっていることにこれだけリアリティーをもたらせるのか。すごい。
TVが製作に絡んでいる映画には失望させられることが多いけれど、この映画は日テレの力が効いている。
そして、本田氏。アクの強さは抑え気味だが、コメディリリーフ的存在として、目が離せない。
そして、その横にいる長谷川氏。お二人の間合いがとてもいいのにも関わらず、本田氏が何やっても、それを漫才コンビのように受けるでもなく、ただ己のスタンスを崩さない。なのに、繰り返してしまうが、”コンビ”として成立している。なんてすごい存在なんだ。
本郷氏の出演も、かっての怪獣映画を思い起こさせてツボ。
そしてガメラとギャオス。
どちらもクリクリおメメがかわいい。
ガメラについては誰も「亀」と言わない。ひっくり返って足をバタバタさせる様すらあるのに。「どう見ても亀だろ!」と心の中でツッコミ。なのに、橋で主人公を逃がす場面では、逃げたか確かめてうなづく場面もあったりしてかわいい。そんな、台詞にはないが、脚本に仕込まれたギャグも効いている。
ギャオスの方は動きに迫力がある。画面に向かって飛んでくる様。商店街で犬を襲う様。迫力がある。なのに、成長するシーンでは大爆笑。
そして皆さん絶賛の、ギャオス on 東京タワーの美しさよ。
ツッコミどころも満載。
職場規範、それでいいんかい!とか、
巫女?で、お子様向けだからか「お父さん」と力を合わせてパワーを送るって(笑)。
いきなり宇宙ですか?まあ、確かに『空中決戦』ですが…。でも、決着したのは…。
他にも、あれもそれも、いろいろ…。
そんなツッコミどころも、狙った胸躍るオマージュ・お約束どころやギャグですか?と言いたくなるほど、脚本と演出と映像がうまくかみ合い、飽きさせない。
出演者も、すでに上に記した方々以外にも、蛍氏や、ワンショットしか出ない商店街で襲われそうになる婦人や自衛隊関係者がしっかり演じてくださり、作品を支えている。
怪獣映画も、本当に好きな人々が本気で作ると、こんなに楽しめる作品になるんだなあ。
こんな映画なら何度も見たい。
ps:報道系のキャスターたちが報道する様を見て、普段でもフェイクニュースでも、この映画のように本物っぽく伝えられるんじゃないか?と怖くなった。
最も、数々の大災害の時の実況報道と比べると、やっぱり、”ヒリヒリ”として緊張感が足りない。災害に関しては騙されないで済みそうかな。