真夜中の顔

劇場公開日:

解説

時間は深夜から翌朝まで、カメラは狭いバーの一室をほとんど出ないという新しい試みを狙ったもので、「不敵な男」の新藤兼人のオリジナル・シナリオを「めがね小僧」の宇野重吉が監督した、殺し屋が主人公の物語。撮影は「真昼の惨劇」の荒牧正。「欲」の三國連太郎を筆頭に、中川弘子・桂木洋子・若原雅夫などが出演する。

1958年製作/75分/日本
原題または英題:Face in the Dark
配給:松竹
劇場公開日:1958年9月30日

ストーリー

--銀座の片隅の小さな地下のバー“ユトリロ”。五人の客がストリップを見ている。蒸し暑い。客の一人・中年の紳士九鬼が、東京湾へ網打ちに行こうと提案した。若い遠山や他のサラリーマンたち、それに女給の直江、道子が同行することになった。その後に木島という日東タイムスの記者が入ってきた。彼は直江と愛しあってきた。直江には高田という失職中の夫があった。木島は別れ話を切り出しかねていた。が、やっと清算するつもりになった。社へ辞表をだし、大阪へ行くことにし、お別れにやってきたのだ。その時、道子が飛びこんできた。「直ちゃんが海へ落ちた!」船上で、客の堀越が直江にたわむれたとき、船がかたむき、彼女と山本が海に落ちた。山本は救われたが、女は潮に流されたという。--遠山は政界のボスの次男で、他の三人は某省の役人である。事件が表沙汰になれば、遠山と三人の汚職が公になる恐れがある。遠山は銀座の“殺し屋”千代田松三にワタリをつけた。木島が記事にしようとすると、松三からさまたげられ、編集長の谷口まで呼び出された。遠山はさらに父の顔で、財界の大立物・毛利に電話し、日東タイムスの社長を通じて、記事をさし止めようとした。--直江の死体があがった。松三は医師の成瀬に無理やり心臓麻弾の死亡診断書を書かせた。“殺し屋”たちは皆を閉じこめた。道子はトイレから外へ逃れようとしたが、乾分七郎に見つかる。直江の夫・高田が酔って入って来た。妻の死体に慟哭した。松三はうるさがり、タクシーで死体を自宅に運ばせた。毛利が遠山に電話してきた。こんどは殺し屋たちの始末をつけるように命じてきた。彼は警視庁にも殺し屋のことを密告した。松三は谷口に社へ直江の溺死が単なる心臓麻痺によるものという記事を電話で送らせようとした。彼がピストルをスタンドの上に置いたとき、道子がとっさにピストルを奪った。谷口が松三を殴り、木島も乾分を襲った。バーテンも瓶で闘った。受取ったピストルをかざす木島に、松三は迫った。「そういう手つきじゃ、人は射てませんよ」--木島の背後から乾分が襲いかかった。その時、表にパトロールカーがついた。「密告したな」松三たちは遠山を刺殺した。「俺がしゃべると、大変なことになるぞ」松三は空うそぶきながら、警官に連れ出された。木島たちは事件を記事にして社へ送ろうとした。が、警官は目撃者・参考人として、皆を連れ去る。バーは空っぽになった。--毛利がその近くの道を歩いていた。

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