怪談雪女郎

劇場公開日:1968年4月20日

解説

「掏摸(すり)」の八尋不二がシナリオを執筆し、「眠狂四郎女地獄」の田中徳三が監督した怪談もの。撮影は「座頭市血煙り街道」の牧浦地志。

1968年製作/79分/日本
原題または英題:Yukionna
配給:大映
劇場公開日:1968年4月20日

あらすじ

与作が雪女にあったのはある山小屋だった。国分寺の命で観音菩薩像を彫ることになった老仏師茂朝とともに、良質の木を求めて山林を歩き回っていたのだ。雪女は吹雪を避けて二人が泊った小屋に現われて、茂朝を凍死させた。だが、与作は雪女のことを他言しない、という約束で命を助けられたのだった。与作の脳裡には雪女の美しくも恐ろしい姿が、いつまでも焼きついていた。やがて春が来て、老師の代りに菩薩像を彫ることになった与作は、雨宿りを乞うた美しい娘ゆきと親しくなり、夫婦になった。いつか、与作は雪女のこともあまり想い出さなくなり、幸せな毎日の中で、一心不乱にノミをふるった。だが、与作はどうしても満足な像を刻めなかった。観音像に必要な慈悲の目が刻めないのだった。そんな間に時は過ぎ、ゆきは太郎を生んだ。一方、与作の仕事が捗らないのをみて、京の仏師行慶が競作で像を彫り始めた。だが行慶の像は国分寺を満足させず、国分寺の方では与作の像が出来上るのを待っていた。冬のある日、ゆきに横恋慕した地頭が与作に無理難題を押しつけて、ゆきを妾にしようとした。弱り切ったゆきは、守護職の美濃権守に地頭の横暴を直訴しようとして訪ねた。ちょうど美濃権守の子供が熱病だったのを、ゆきは三日三晩の看護で救った。やつれ切って帰って来たゆきの顔に、与作は雪女の面影を認め、ふとそれを口にした。その一瞬、周囲は吹雪にまかれ、ゆきは雪女に変った。しかし、まとわりつく太郎の姿を見て、ゆきは約束を破った与作を殺せなかった。与作は恐怖の中で、太郎を見つめるゆきの目に一瞬ひらめいた慈悲のこころを読み取った。ゆきは太郎と与作を残して雪野原の中に消えて行った。与作が見事な観音菩薩像を完成させたのは、それから間もなくのことだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0 【”真夏日を凌いだ夜には、ヤッパリ雪女だね!”全国にある雪女伝説を、美しく趣高く可視化した作品。そして令和の現在、制作した際のキャスティングを考えるの巻。】

2025年8月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

知的

■激しい吹雪の夜、雪の精は恐ろしい雪女郎となって山野を彷徨い歩いていた。
 小屋で一夜を明かす老仏師の茂朝と弟子の与作の下に小屋の戸を開け入って来た雪女郎に白い息を吹きかけると、茂朝は身体中霜に覆われ息絶えるが、与作は今日見たことを他言しないことを条件に命を助けられる。
 その後、与作の家に肌の色が真っ白な美しい女性ゆき(藤村志保)がやって来て、二人は夫婦になり、太郎を授かるのである。

◆感想

・今から60年近い前の作品であるが、作品の雰囲気、哀しいトーンの劇伴、舞う雪、吹雪の音。
 そして、藤村志保さん演じるゆきの儚い美しさと、雪女郎になった時の怖さはナカナカである。

・日本情緒もたっぷりで、非情に佳き作品である。
 アイドルホラーも勿論面白いが、別の作品のレビューにも書いたが、そろそろ怪談映画を何処かの映画制作会社は考えては貰えないだろうか。
 ヒットすると思うのだがなあ。

■キャスティング(案)

 1.与作・・・・そうだなあ。ゆきが恋する良い男で、仏師となれば、ウーム。吉沢亮さんがベストだが、お忙しいだろうしなあ。国宝も大ヒットしているしなあ。でも、ヤッパリ吉沢亮さんだなあ。

 2.ゆき・・・・となると、ヤッパリ色白で昭和美人だよな。今のアイドルさん達は皆美しいのだが、目が大きいのだよなあ。流し目が綺麗な人が良いな。ウーム。ヤッパリ、浜辺美波さんになっちゃうなあ。

<このキャスティングは、ちょっと豪華すぎるけれど、新機軸って事でどうでしょう?尺は、90分かな。変な脚色は入れずに、ストレートに作ったらヒットすると思うのだがなあ・・>

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NOBU

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