女と三悪人
劇場公開日:1962年1月3日
解説
「妻あり子あり友ありて」の井上梅次が脚本を書き監督したコメディ・タッチの時代劇。撮影は「大菩薩峠 竜神の巻(1960)」の今井ひろし。出演は「続 悪名」の勝新太郎、「大菩薩峠 竜神の巻(1960)」の市川雷蔵、「黒い十人の女」の山本富士子など。
1962年製作/103分/日本
配給:大映
劇場公開日:1962年1月3日
ストーリー
江戸は両国、泥棒横町を一座の本拠とする女座長の瀬川喜久之助には、大道芸人の元締めとして睨みをきかす竜運和尚、一座のお囃子をつとめる浪人鶴木勘十郎が首ったけ。ある日、スリの一味と間違えられた旅の男が、この一座に逃げ込んだ。役者くずれの流れ者芳之助だが、鶴木の機転で「弁天小僧」の一幕を見事にこなし、捕方の眼をくらますことができた。そこで、一座では喜久之助に邪恋を抱く楽之助の代役を頼もうとしたか、すでに芳之助の姿は見当らなかった。その芳之助は居酒屋たる平で鶴木に会い、初めて喜久之助に引き合わされた。喜久之助は百両という一座の借金を肩代りしてくれた但馬屋に、金で自由にされている身だが、芳之助に一目惚れ。鶴木と芳之助は喜久之助を但馬屋の金しばりから救おうと、イカサマ賭博をたくらむが、胴元の竜運和尚に看破きれて失敗に終った。しかも、芳之助は楽之助の挑戦を受け、誤って殺してしまった。二人の勝負に百両を賭けて竜運に勝った鶴木は、喜久之助に金をやった。あやまちとはいえ人を殺めた明日のない芳之助にとって、喜久之助の甘い囁きも所詮は無縁のものだった。その夜、たる平に現われた芳之助に、お光はすすんで身を任せた。喜久之助が但馬屋に返した金はニセ金と判り芳之助は奉行所にひかれた。が、鶴木の芝之助に対する友情に動かされた竜運が、自分こそニセ金つくりだと名乗り出て、芳之助は喜久之助と抱き合うことができた。ところが、嫉妬にもえるお光が、楽之助殺しの下手人は芳之助だと訴え出たので、またもや芳之助に追手が迫ったが、喜久之助のはからいで芳之助は逃げた。一方、鶴木は米の買い占めで暴利をむさぼっている但馬屋を斬り捨て、竜運和尚も破牢して自由の身となった。はるか両国の夜空を焦がす火の手を仰ぎながら、竜連は江戸でニセ金つくりを続けて世の中をぶちこわしてやると豪語し、鶴木は喜久之助が芳之助のあとを追って江戸を出るのを見守ってやろうと呟き、旅に出る芳之助を見送るのだった。
スタッフ・キャスト
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瀬川喜久之助山本富士子
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竜運和尚勝新太郎
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お光中村玉緒
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鶴木勘十郎大木実
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芳之助市川雷蔵
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生首の銀次小林勝彦
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照奈浦路洋子
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からす金の弥三中村豊
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楽之助島田竜三
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但馬屋徳右衛門三島雅夫
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盲目の柳全立原博
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奉行南条新太郎
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松右衛門嵐三右衛門
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目明し紋次小林重四郎
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六造寺島雄作
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街の女毛利郁子
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飴売のおかみ近江輝子
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易者の三伯潮万太郎
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団三尾上栄五郎
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茂平東良之助
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翫五郎市川謹也
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久松天野一郎
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一座の男A浅尾奥山
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一座の男B高倉一郎
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番頭栄作玉置一恵
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たる平の客甲伊達三郎
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一座の女A小柳圭子
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風車売の老婆小林加奈枝
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一座の男C横山文彦
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賭場の男堀北幸夫
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たる平の客乙越川一
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目明し吉松沖時男
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片手の乞食三上哲
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賭場の男大杉潤
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賭場の男浜田雄史