女吸血鬼

劇場公開日:

解説

橘外男の『地底の美肉』から、中沢信と仲津勝義が脚本を書いた怪奇映画。監督は「侠艶小判鮫 (前後篇)」の中川信夫、撮影は「天狗四天王の逆襲」の平野好美。

1959年製作/78分/日本
劇場公開日:1959年3月7日

ストーリー

大木民夫は東洋タイムスの記者だ。フィアンセ・松村伊都子の誕生祝いに行った。彼女の母、美和子は二十年前失踪していた。がその夜、失踪した部屋から、美和子は昔のままの若さで、ふらふらと現れたのだ。奇妙キテレツというほかない。--美和子をモデルにした絵が、美術展で特選候補になっていて、作者は不明なのだ。--ホテル極東で、怪事件が起った。客の黒眼鏡の男・竹中がカーテンからもれる月光にあたると、のたうち始め形相が変りウェイトレスにつかみかかって殺したのだ。だが、彼は発作が収まると平然とし、誰にも知られなかった。この殺人事件に続いて美術展の例の絵が盗まれた。それが何者かの手で松村家にとどいた。--美和子が深い眠りから覚め、一切を話した。彼女は夫・重勝と放射能鉱石を踏査中、画家竹中にさらわれ、彼の君臨する地下城に閉じこめられた。竹中は天草四郎の遺児勝姫にあこがれ、その後裔である美和子を牙にかけたのだ。城には小人や海坊主がいた。竹中の怖れる月夜の晩、彼女はやっと逃げだしたという。--姿をくらましていた竹中が松村家に忍びこみ美和子を連れ去った。民夫は竹中を追って九州へ向う。三百万円の強盗犯人が山で怪物にあい、金を拾てて逃げたという話をきいた。小人や海坊主も見たと。一行は山奥へ向う。伊都子が行方不明になった。現場には、洞窟の入口があった。中は水晶の城だった。城主の腕に、伊都子が失神していた。乱闘。城主・竹中はロウ人形室に逃げこんだ。月光がさしこみ、彼は苦しみだし、美和子のロウ人形にとりすがって死んだ。地下城は爆破され、民夫と伊都子らは逃れた。

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映画レビュー

2.0地底宮殿

2021年9月22日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 序盤から引き込まれるほどの展開。母親そっくりの絵が作者不明のまま特選に選ばれ、その絵が盗まれるという怪事件。月光が苦手という天地茂の吸血鬼ぶりはちょっと笑えるのだけど、メイクアップした彼の形相はそれを忘れるくらいに怖い。  九州島原の天草四郎の血を引く松村家。竹中(天地)は天草四郎の遺児勝姫にあこがれ、末裔である松村美和子(三原)を監禁していたのだ。  再び美和子がさらわれ宮殿へと向かった竹中。三百万円の泥棒が隠し場所を探して捕まったことからフィアンセである新聞記者の民夫(和田)たちは島原へ向かう。そしてつまらないクライマックス。このあたりが限界か・・・

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kossy

2.5タイトルと内容が違う

2021年6月26日
Androidアプリから投稿

女吸血鬼は出てきません。 なのにどうしてこのタイトルを?謎です。あと吸血鬼役に天知茂氏が演じています。 なんでも日本で初めて吸血鬼を演じたのが彼だっとか。 吸血鬼に変身するのに月の光とは狼男かいと突っ込みいれたくなりました。 内容はそこそこ面白く暇つぶし程度には見られました。

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ユウコ

2.5洋画がベラ・ルゴシなら、邦画は天知茂

2021年2月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

単純

日本初の本格的吸血鬼映画とされる1959年の作品。 原子力科学者・松村の娘、伊都子の誕生パーティーの夜、信じられない人影が。20年前に島原で失踪した母・美和子が変わらぬ若さのまま帰って来たのだ。美和子によると、黒眼鏡の画家、竹中に囚われていたという。 竹中は天草四郎の家臣で、女の生き血をすすって生き延びている魔物。天草の娘・勝姫に恋焦がれ、その末裔である美和子を我が物にしようとしていたのだ。 隙を見て竹中の下から脱出した美和子だったが、彼女を追って竹中も東京へ。恐るべき惨事を起こす…! 天草四郎伝説と絡めたのは邦画ならではで面白いが、洋吸血鬼ホラーな感じを期待すると全くの肩透かし。 “女吸血鬼”と聞くとほんのり官能的な要素も期待してしまうが、該当者は登場せず。実際登場する吸血鬼は、“男吸血鬼”の竹中。 その吸血鬼・竹中に仕えるのが、奇怪な小人、怪老婆、ハゲの怪力男らまるでフリークショー。 言うまでもなくB級で、話も演出も演技もチープ。 作品的にもまずまず。 でも、見所二つ。 まず、一つ。 竹中が島原の山中に築いた地底城。 クライマックスはこの大掛かりのセットの中で、大立回り。 そして、最大の見所は説明するまでもない。 竹中を演じた天知茂。 本作が日本初の吸血鬼映画なら、天知茂は日本映画で初めて吸血鬼を演じた役者となる。(その後、岸田森が有名) この世の者ではない吸血鬼。天知のクールさ、ニヒルさがそれにピタリとハマった。 美女の首筋を噛むシーンは、洋画の吸血鬼たちに負けず劣らず。 それだけではない。 竹中は月光で吸血鬼と化す。 その苦しみ、哀しみ。 そして、愛を求め、得られぬまま、死に際の醜悪な姿…。 洋画がベラ・ルゴシなら、邦画は天知茂。 天知茂の名演だけでも見る価値あり。

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近大