愚か者 傷だらけの天使

劇場公開日:

解説

世間では通用しない愚かな若者二人の姿を人情味豊かに描いたコメディで、1997年に公開された「傷だらけの天使」の主人公・満と久が出会う以前の物語。監督は「傷だらけの天使」の阪本順治。脚本は田村竜と阪本監督の共同。撮影を「傷だらけの天使」の笠松則通が担当している。主演は「Dolphin Through」の真木蔵人と「女刑事RIKO 聖母の深き淵」の鈴木一真。

1998年製作/91分/日本
配給:東京テアトル=CAMARADE
劇場公開日:1998年6月27日

ストーリー

”人がいい”ことだけが取り柄の青年・石井久は、東京・西新宿のオンボロアパートに独り暮らしをしている。写真家を夢見て九州から上京し専門学校にも通ったのだが続かず、ビルのガラス・クリーニングの仕事も同僚との喧嘩が原因でクビになってしまった。収入が途絶えた彼は、ある日、万引きの常習犯の主婦・桝井ちか子に行方不明の息子・勝を探して欲しいと頼まれる。人探しなどしたことのない久はその申し出を一度は断るが、背に腹は代えられぬとばかり仕事を引き受けることにした。しかし、勝の手がかりは彼が幼い頃にハーモニカで吹いていた「港」という曲だけ。半分やけくそでFMラジオのDJ・マキに曲をリクエストしてみるも、消息がつかめる筈もない。ところが久が勝探しを諦めかけた時、勝の方から久の前に姿を現したのである。久は勝に家へ帰るように忠告するが、逆に勝に報酬の前金をナイフで脅され巻き上がられてしまう。その上、勝は家に帰らずに久につきまとい始める始末。関わりたくないと思いながら、久はいつしか勝のペースに巻き込まれていく。そんなある日、彼はマキから不倫相手の男を殴ってきて欲しいという依頼を受ける。金の為に仕事を引き受ける久だったが、偶然現場に居合わせた警官にご用となって大騒ぎ。そこへ現れた勝が彼を助けてくれたものの、警官の銃を奪って逃げたことから更に騒ぎは大きくなってしまう。ふたりが向かったのは新潟の港。ロシアで札幌ラーメンのチェーン店を開くことが夢だと語る勝は、そこからロシアへ渡るつもりなのだ。しかし、久の手錠を車のホイールで切断中、ジャッキが外れて勝は大怪我を負ってしまう。結局いつになってもロシア船は来ず、久は怪我をした勝を連れて東京へ戻ることになる。だが、東京で彼らを待ち受けていたのは、張り込み中の警官だった。ちか子に勝を引き渡そうと連絡をとった久は、その直前に警官たちに逮捕されてしまう。それから数日後、釈放されてアパートに帰ってきた久は運転代行の仕事に就き、心機一転真面目な生活をスタートさせようとしていた。ところが、怪しげな男・満に車をめちゃめちゃにされ、またもクビの危機にさらされてしまう。そして、これが久と満の出会いであった。

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スタッフ・キャスト

監督
脚本
阪本順治
田村竜
企画
中沢敏明
企画協力
平田道弘
清水敬之
製作
木村正雄
古里靖彦
製作担当
鈴木勇
プロデューサー
椎井友紀子
撮影
笠松則通
応援撮影
田沢美夫
美術
原田満生
装飾
田口貴久
音楽
井上尭之
音楽補
長谷川雅大
主題歌
井上尭之
録音
志満順一
音響効果
佐々木英世
照明
市川元一
編集
深野俊英
衣裳
宮本まさ江
助監督
堀口正樹
高橋正弥
中村有孝
スクリプター
川野恵美
スチール
佐藤ヒデキ
応援製作
黛威久
田島啓次
応援照明
小林敦子
応援スチール
浜田孝一
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映画レビュー

3.0根っからのお人好し

2023年3月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

興奮

前作同様にハマり役の真木蔵人が演じる久が可愛らしい愛着のあるキャラクターで、真っ当に生きる為の行動が疫病神にでも取り憑かれたようなトラブルばかりが巻き起こる、しかも赤の他人の向こうから持ち込まれる災難と、全てがコミカルで感傷的にはしない阪本順治の演出が笑いを含めて冴え渡る。

ショーケンと共演したりもあったけれど役者としてパッとしない鈴木一真が鈴木福にしか見えない顔がソックリだと個人的に、ラストに豊川悦司が演じる満との出会いをオマケみたいに雑に思える展開が乱暴な場面として。

犬を置き去りに今だったら愛犬家に叩かれてしまう時代性、申し訳程度に救われる場面をチャッカリと!?

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万年 東一

3.5ヒサシ

2014年5月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

幸せ

これで4度目くらい。決して傑作ではないのだけれど、なぜか定期的に見たくなってしまう。笠松則通の手持ちな感じに惹かれるのかも。

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ssspkk