お嬢さん(1961)

劇場公開日:

解説

三島由紀夫の同名小説を、「警視庁物語 不在証明 十五才の女」の長谷川公之が脚色し、「東京の空の下で」の弓削太郎が監督した青春編。撮影は「黒い樹海」の小林節雄。

1961年製作/79分/日本
原題:Les Mesdemoiselles
配給:大映
劇場公開日:1961年2月15日

ストーリー

私(藤沢かすみ)とおチエ(花村チエ子)はそろって学校へ通う親友同士。そしてそろそろ夢多き青春から結婚へのコースをたどっているようだ。父は会社の部長、母はその父に仕える平凡な、そして良妻賢母型。兄はすでに結婚して、素晴らしい奥さんと独立しています。しかし父も母も私に対してお嫁入りの話など一向にしません。しかし父の会社で働く三人のハンサム・ボーイがしょっちゅう家に遊びに来るのです。そしてどうやらこの三人の男性のうち二人は私に好意をもっているらしいんです。そのうちの一人、牧さんという人が父の会社の専務を通じて私をお嫁さんにほしいといってきているんですが、父は私の自由な判断にまかせるといってるんです。ところが実は私はもう一人の男性、景ちゃんこと沢井さんが好きになってしまったようです。ところがこの景ちゃん、大へんな色事師で、私の知っているだけでも、洋品店の売り子の浅子さん、小町芸者の紅子さんとなかなかにぎやかです。そんな景ちゃんにドラマチックな恋を感じるなんて、女心って不思議なものですね。しかし景ちゃんの方も、そんな私のまえで女の子をひっかけて見せたり、けっこう純情なもんですね。そんなこんなで、私たちは噴水のある公園のベンチでくちづけをかわして、一気に結婚にゴール・インしました。そしてわたくしたちは幸福になったでしょうか。新婚旅行に紅子さんが現われたり、アパートに浅子さんが出現したり、波らん万丈、そのうえ義理の姉さんとの間までうたがうなんて……。あげくのはてに私の家出? とまでなった騒ぎも、実は私の思いすごし。やがておチエと牧さんも結婚するするでしょうが、私も平凡な奥さんが身について来たようです。

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