続大番 (風雲篇)

劇場公開日:

解説

原作は獅子文六の週刊朝日連載小説。前編と同じスタッフ・キャストによる「続大番 (風雲篇)」。脚色は「サラリーマン出世太閤記」の笠原良三。前篇以来の千葉泰樹が監督し、「憎いもの」の西垣六郎が撮影した。主演は「あらくれ(1957)」の加東大介、「智恵子抄(1957)」の原節子、太刀川洋一、青山京子、「裸の町」の淡島千景。ほかに中田康子、河津清三郎、三木のり平、仲代達失など。

1957年製作/121分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1957年7月19日

ストーリー

折角儲けた大金も、株の大変動で一文なしになった丑之助は捲土重来を期して故郷に帰ってみたが、帰った家は株を当てた時の恩恵を受けて新築されており、逢う人々は何れも彼を出世者と敬ってくれるので、彼も満更でない気持だ。たちまち、宇和島築地の待合に通って梅香という芸者とねんごろになってしまった。故郷で七カ月を送った頃、おまきから百円の為替が送られてきた。兜町での丑之助の失敗のホトボリがさめたから帰ってこいというのだ。彼は、梅香をきっと東京に呼寄せると約束すると、新たな闘志を抱いて上京した。上京した彼の第一の仕事は、故郷の森家から託された青海苔を、今は有島伯爵に縁づいている可奈子に届けることである。可奈子は幼い日からの憧れ。丑之助にとって彼女は正に観音様であった。観音様と一緒になる訳に行かぬから、丑之助は一生独身で通すことを、その時決めたのである。それはさておき、丑之助はまたまた目を掴んだ。今度は産金株だ。そこで小僧時代の仲良し新ドンを相棒にマルウシという店を開き、おまきには料亭“春駒”を買って「揚巻」と改名して与えた。開業したマルウシは、その頃景気の出ぬ相場に低迷したが、富士証券社長木谷の推めも受けて、丑之助は鐘紡株を買い続けた。一旦は、どん底まで下落した相場も、政府の対支強硬方針の発表で活気づき、鐘紡株も上昇につぐ上昇、昭和十二年の三月には、丑之助の儲けは百三十九万円、いまの金で五億円を突破した。故郷に捲土重来を期して帰ったのが、昭和七年であったから僅か五年とたたぬうちだ。景気がよくなるにつれ、彼の持前の虫がうずいた。今度は、木谷の祝宴の席で知合った小花という芸者である。だが、その小花も可奈子の前では月とスッポン。可奈子の美しさに比べると、ワシは儲けがまだ足らんわい、と丑之助の眉宇には昂然たる決意が浮んだ。日華事変が始まった。長期戦化に経済は統制され、株は暴落、丑之助は再びスッテンテンになった。丑之助は揚巻のおまきを頼った。折も折、ラジオのニュースが木谷の自殺を報じ立てた。それを聞いて丑之助は男泣きに泣いた。その重い体を支えておまきは、わが子を抱くようにして再び機会を待つように丑之助を激励するのだった。

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