王将一代
劇場公開日:1955年10月2日
解説
北条秀司の原作を「六人の暗殺者」の菊島隆三と「下郎の首」の伊藤大輔が脚色し、同じく伊藤大輔が監督、「下郎の首」の平野好美が撮影を担当した。主なる出演者は「六人の暗殺者」の辰巳柳太郎、島田正吾、「月夜の傘」の田中絹代、「リオの情熱」の木暮実千代、「しいのみ学園」の香川京子、「悪魔の囁き」の中山昭二など。
1955年製作/116分/日本
原題または英題:The Chess King/The King of Chess
配給:新東宝
劇場公開日:1955年10月2日
ストーリー
明治四十年のことである。大阪天王寺の裏長屋に、赤貧洗うが如き生活を続けていた坂田三吉は、将棋といえば妻子も家業も忘れ果てるほどの奇人であった。妻の小春はそうした三吉の性癖に苦しみながら、内職や日雇いに困苦の家計を支えていたが、ある日仏壇のお厨子を持ち出して将棋大会の会費を工面したときは、さすがに愛想をつかし、家出を決意した。三吉も駒を捨てようと覚悟した。その三吉を専門棋士にさせたのは、宮田と西村であった。それからの三吉は向うところ敵なく、大正五年には関東の覇者入江八段に全日本の王座を賭けて挑戦し、二連勝の後、第三局にも優勢を誇ったが、三日目の対戦中に妻の訃報を知り、盤面を涙で濡らすのだった。時は流れて大正十一年、すでに三吉は実力日本一と謳われていた。しかし東京の将棋連盟では無学な三吉に対し、学歴、経歴を理由に名人位を譲ろうとしなかった。そこで関西の三吉の後援会の人々は別に関西連盟を結成、三吉を初代名人につかせた。隆盛を続けた関西連盟も、次第に関東の日本棋院に圧倒され、有能な棋士を奪われて昭和十一年に崩壊のやむなきに至った。次女君子の世話で焦慮の日を送る三吉を、宮田は東京の入江名人と対局させた。第一戦は入江が勝ち、第二局も三吉の敗色は覆うべくもなかった。棋運は三吉を見捨てた。精魂を傾けつくしてもなお、三吉は幽鬼のように棋面から目を放さなかった。「将棋は罷めん!罷めへんで!」
スタッフ・キャスト
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坂田三吉辰巳柳太郎
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三吉の妻小春田中絹代
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長女玉江木暮実千代
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次女君子香川京子
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坂田の後援者宮田田中春男
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後援会長西村三島雅夫
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チンドン屋お幸千早隆子
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長屋の女お近久松喜世子
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宮田の妻シゲ外崎恵美子
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大番頭米田清水彰
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宿の手代茂木波多昇
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女将お仲初瀬乙羽
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蕎麦屋新やん秋月正夫
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店員馬込前田利夫
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新聞記者白瀬大町正作
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洋服屋高山最上龍二郎
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棋士安藤宮本曠二郎
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応召者勝田勝木啓郎
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若僧梵崇新居博重
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下駄屋忠七岡泰正
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通信記者浅見東大二郎
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通信記者丹波吉田柳児
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蝙蝠傘直し直松岡田映一
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警防団員三輪宮島誠
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配給所員布施寺津四郎
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詰将棋屋圭やん河村憲一郎
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王江の亭主毛利舟橋元
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君子の婚約者天野大山克巳
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金杉子爵石山健二郎
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松島五段中山昭二
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森川八段沼田曜一
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入江名人島田正吾