右門捕物帖 献上博多人形
劇場公開日:1955年4月12日
解説
佐々木味津三原作の右門捕物帖より森川太郎と「快傑鷹」の加味鯨児が協同脚色し「照る日くもる日(1954)」の志村敏夫が監督した。撮影も同じく「照る日くもる日(1954)」の栗林実。出演者はいずれも「照る日くもる日(1954)」の嵐寛寿郎、大河内傳次郎、中川晴彦、扇千景、雅章子はじめ、坊屋三郎、上田吉二郎、木戸新太郎らである。
1955年製作/87分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1955年4月12日
ストーリー
寛永年間、徳川三代将軍の治世、島原の乱が起った。天草島では、切支丹信徒達が老若男女、童に至るまで教に殉じ、戦火のくすぶる漁村では京のちょろ舞と称する娘達が踊っている。老中松平伊豆守は不穏分子一掃と犠牲者慰霊の為、天草島に乗込んだが、村外れの街道にさしかかると、何者かの狙い射に出会った。忍び姿で随行していた右門の機智で、伊豆守は難を逃れた。江戸から伊豆守随伴のあばたの敬四郎、ちょんぎれの松、おしゃべり伝六等のうるさいのに悩まされ乍らも、右門は伝六を使って怪しいちょろ舞一行を探索した。尾行していた伝六は捕えられ、妖術師の祈祷所へ監禁された。隙を見て脱出した伝六の報告で右門は急行したが、手入れ寸前、祈祷所は爆破された。焦躁の右門は、或日怪しい少年三吉を捕えたが、突如飛来した小柄が三吉の胸に突きささった。瀕死の三吉に教えられて、右門は海上遥かに不思議な小島があるのを発見した。廃墟と化した島の天主堂の地下室に忍び込んだ右門は、遂に隠謀の隠れ家を突き止めた。伊豆守施主の慰霊祭当日、島で乱闘の末後に残った二人の女性は、博多人形姿の美しいちょろ舞一行のかすみとこずえであった。二人は先城主の姫で、父の仇として伊豆守の命を狙った一味の首領であったが、伊豆守の計らいで父は江戸に存命と聞き悔悟の涙にくれた。数日後日本晴の松並木を江戸へ向う伊豆守の行列に加わった、かすみとこずえの足どりも軽かった。