海はふりむかない
劇場公開日:1969年9月17日
解説
「前科・ドス嵐」の星川清司が脚本を書き、「落葉とくちづけ」の斎藤耕一が監督した青春メロドラマ。撮影は「猛烈社員 スリゴマ忍法」の小杉正雄が担当した。
1969年製作/87分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1969年9月17日
ストーリー
礼次は、横浜でガイドをしながら、自由気ままな生活をしていた。兄高志は、エリート・コースを歩き、出世のために恋人美枝と別れ、社長令嬢真理子と結婚しようとしていた。美枝の兄周吉は、それを知り、何とか元の二人に戻って欲しいと願っていた。やがて高志は、美枝に別れ話をした。礼次は、そんな兄に反感を覚え、美枝に同情した。そんなある日、偶然礼次は美枝と会った。そして美枝の口から、突然に原爆症らしいと聞かされるが、礼次は気にもとめず、美枝を慰めるために海へ行った。その帰途、ふいに美枝が血を吐いて、入院した。美枝をあまりに可哀そうに思った礼次は、高志に会い、見舞って欲しいと言うが、逆に高志から、美枝への同情だけかと言われ、高志を殴ってしまった。そして、その夜、礼次は真理子を誘い、犯そうとするが、美枝の事が頭に浮かび、平手打ちをくわせただけだった。一方、美枝は、短かい命と悟り、故郷の広島に帰った。周吉から、それを聞いた礼次は、同情から愛に変わった自分の気持に気づき、美枝の後を追った。そして、二人は広島でめぐり逢った。夕暮れの平和公園で、礼次は、美枝に愛の告白を受けた。二人に楽しいひとときが過ぎようとしている時、美枝が突然倒れてしまった。病院で、美枝の亡骸を前に礼次は、悲しみがこみ上げて絶句するのだった。