「絶望の物語…でも星5」さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち かぷちさんの映画レビュー(感想・評価)
絶望の物語…でも星5
1978年の真夏の東急レックスで、当時の中学生は何を観たのだろう?
2024年の年明けのTOHOシネマズ池袋で、還暦前の中年は何を観たのだろう?
あの日流した涙と、今日流した涙は同じなのか?
同じような気もする。違うような気もする。
あの夏の日と同じように、半ば呆然としながら4Kリマスター鑑賞後の帰路についた。
「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」は、私にとって単なる映画ではない。愛憎半ばする思春期の「体験」なのだ。
何年振りだろうか?劇場で追体験できた。
松本零士色が色濃い、序盤のストーリーと設定が素晴らしい。宮川泰の音楽も絶好調。安彦良和の絵コンテと瑞々しい作画は、実はこの映画の見所だろう。助演男優賞は伊武雅刀にあげたい。
誇らしく思うのは、46年間、同じ思いを持ち続けられたという事と、46年間、思い続けるに値する作品と出会えたという事。
ガンダムやエヴァンゲリオンに比べれば、世界的な知名度も、国内ファンからの評価も及ばない。
紛れもなく第一次アニメ革命の原点でありながら、その後エゲツない商業主義に取り憑かれ、晩節を汚した。
なので、名誉失墜やむ無しと受け入れもするが、内心悔しくてたまらない。
この気持ち、往年のヤマトファンになら、少なからず分かってもらえるか?
「さらば〜」で、終わっていれば…
偉大なる名作としてアニメ史に輝き続けただろうか?そんな平行宇宙が存在するのだろうか?
その宇宙でのヤマトファンは、幸せか?
実は、そうでもないだろう。
希望の物語「宇宙戦艦ヤマト」が、「さらば〜」によって絶望の物語に転じてしまったのだから。
中学生の私は、Part1(当時の通例に従って一作目をこう呼ぶ)が終わったあとの喪失感を、2200年の地球で幸せに暮らす古代たちを想像して補っていた。
それを打ち砕いてくれたのが「さらば〜」だ。
見事に遂になった続編で、人生の悲哀を表現したかったのだろうか?
「成功体験の後には、残酷な現実が待っている。最後の手段は死ぬことだ。」
およそ少年少女に向けたメッセージとは思えない。
後日「若者は死ぬべきではない」と言う松本零士の主張を知らなければ、私の人生は暗澹たるものになっていただろう。
しかし、ヤマト2におけるマルチエンディングが、その後の混迷シリーズを生むことになったのも皮肉である。
そんな場外戦を含めて、やっぱり「さらば〜」に対しては星5をつけざるを得ない。
いつか後世の歴史が、「宇宙戦艦ヤマト」という事象を、正当に評価してくれることを信じて。
同世代で感じ方も同じです。
その後、パラレルワールドというご都合主義でテレビ版で裏切られ2199までヤマト封印人生が始まり、死んだキャラは二度と生き返らない「富野ワールド」へと傾倒するのですが、2199以降も同じ過ちを繰り返そうとしている昨今です。
めっちゃ同感です。
私は、小学4年生だったのですが、普段は、大人の映画を上映しているような妖しげななんか劇場で、一人で見に行きました。
なんで、一人だったのか?
は記憶がないんですけど、実は、スターウォーズEP4も同じ年の公開だったみたいで、それは、父親と一緒に、初めての字幕出見た記憶があります。
話がずれましたが、
古代も雪のイチャイチャモードからの旅立ち。
海面を割って、朝日に照らされ、出航するシーケンスは、今回も、泣いちゃいました。
あんな翼、どう考えても意味なさげですけど。
デスラー襲撃のテーマに心踊り、まるで騎士のようなデスラーの振る舞いに、ちょー心打たれました。
都市帝国の動力源破壊に、真田さん、斎藤、とそして、加藤他、甚大な損失を出しつつも、ついにヤマトが勝ったと思ったら、中から不気味に登場する超弩級の巨大戦艦!!!
あれほどの絶望を感じたのは、後にも先にもこの時を超える事はないです。
今思えば、テレサだけでいいじゃんとか、
まあ、突っ込みどころ満載なんですけど、
それでも、こんなに心打ち抜かれた映画はありません。
BL持ってるですけと、
4K版も勝っちゃおうかなあ(笑)
ヤマト2からのパラレルワールドは、全部見てますが、沖田艦長は、脳死に至ってなかったとかで、よみがえったのに、結局、ヤマトとともに、自沈するというむちゃくちゃ。
でも、2199はけっこう楽しめました。
なんか、突っ込みどころをちゃんと回収してるのもよかったです。
でも、2202は、もうオカルト展開で、絶望しましたが、2205はまあまあ良かったんです。
でも、3199は、福井さんが監督って…。
でも、ヤマト好きなんですのよ。
今回が、永遠に
リメイクらしいので、
完結編まで、付き合うのかなあ??
沖田館長をよみがらせるのは、辞めて欲しいなああ。