「電影クロスゲージ明度20!」宇宙戦艦ヤマト ジョンスペさんの映画レビュー(感想・評価)
電影クロスゲージ明度20!
4Kデジタルリマスターといっても元は50年前のテレビ漫画(当時はまだアニメと言わず)なのでスクリーンで観ても絵が精細になるわけではないし、そもそもテレビ放映26話前提でのダイジェストな話だし、各話でキャラの絵柄のブレ感が気になるし、ご都合主義の展開は言わずもがなだし…なのだが、小学生当時、将来は森雪と結婚したいと思っていたぐらいのファンではあるので、何もかもみな懐かしいノスタルジー、ただそれだけのために故郷の街まで出張って鑑賞した。
あらためて観たら、ヤマトが左前方(または側方・後方)からの絵ばかりなのは、イスカンダルへの往路が左向き、帰還時は右向きという進行方向が考慮されていたのだと今さら気づいた。あと、77年初公開時のスターシャ死んでた版には驚愕したが、今回はスターシャ生きてたバースなので、どうせなら最終話の沖田絶命と入れ替わりで森雪復活のエピソードを入れてラストを盛り上げるべきという気もした。
まあ、制作時は敗戦からまだ30年足らずで、本作には戦艦大和でもう一度戦争やって勝つみたいな西崎義展のマッチョな思いが込められてるんだろう。船首をカチ上げ波動砲をぶっ放すヤマトは男根の象徴のようだし、荒れ野に変わったガミラスで「戦うことじゃない、愛し合うことだった」の名セリフは救いではあるけど、続編「さらば」の自己犠牲と特攻精神をみれば、後に銃刀法違反で服役、最期はYAMATO号から転落死した西崎イズムを感じる。
正直、いま劇場で観る価値があるのかよくわからんけど、日曜午後の千葉・京成ローザには1960年代生まれのジジババが集い、昭和歌謡そのままの真っ赤なスカーフが流れる頃には隣席の年配夫婦が鼻を啜っていたりで、自分と同様の人たちがいるのを確認できたことに意味はあったような(ないか)。年明け上映予定の「さらば」も観ちゃったりなんかしたりして(広川太一郎調)。
ジョンスペさん
共感ありがとうございます。
ジョンスぺさんの語り口が面白く、いくつかレビュー読ませてもらいました。これからも読ませてもらおうとフォローさせてもいらいました。ご挨拶まで。