宇宙快速船

劇場公開日:

解説

森田新の脚本を、新人第一回の太田浩児が監督した空想料学映画。撮影は「地獄に真紅な花が咲く」の藤井静。

1961年製作/74分/日本
原題または英題:Space Greyhound
配給:ニュー東映
劇場公開日:1961年7月19日

ストーリー

青年宇宙科学者立花真一は、健一をはじめ辰夫、三郎、正、忠雄、肇たち少年宇宙研究会の信者を集めていた。だが、ヨタ者にからまれて蒼くなり、野球では三振王、水に入れば金槌などという真一の態度に少年達はガッカリだ。或る日、少年達は宇宙船に襲われた。それを救ったのがアイアン・シャープと名乗るスーパーマンだった。この頃から、世界では不思議なことが相次いで起った。電子頭脳がストップ、電気時計が逆回り、遂に原子炉が爆発するということが起きた。少年達は、宇宙船をみたことを大人に話すのだが、誰も相手にしなかった。真一は健一が宇宙船に襲われたところから拾ってきた物体を分析した結果、海王星の中の物体であることをつきとめた。宇宙船が谷川博士の宇宙科学研究所を襲うことを知った真一は、研究所の廻りをエレキ・バリヤで囲んだ。宇宙船の攻撃はエレキ・バリヤで見事防いだ。宇宙人は作戦を変えてエレキ・バリヤの発電所を爆破した。そして工場地帯に極超電波を発射した。工場地帯は火の海となった。その時、一陣の強風と共にアイアン・シャープが飛来した。宇宙船とアイアン・シャープの戦いがはじまった。その頃、アルファ電子ロケット発射場では、柳田研究員が必死になって計器の修理に取組んでいた。そこへ真一もかけつけやっと修理を完成させた。宇宙船からは、次々と小型宇宙を発射していた。その小型宇宙船の一つが研究所に接近して来た。もう猶予は出来ない。柳田はやつきばやにロケットのボタンを押した。目をおおう閃光。そして、大爆発。宇宙船は壊滅された。少年達に手を振って、アイアン・シャープは何処ともなく消えて行った。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0アイアンシャープ

2022年1月22日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

単純

興奮

今も昔も特撮ヒーローはTV作品の劇場版や既存の作品の映画化が多い。この当時も『月光仮面』『赤影』…。
本作は映画オリジナルの特撮ヒーロー。
その名は…

少年宇宙研究会の仲良し少年6人組。
ある日宇宙船を目撃し、宇宙人と遭遇。襲われ掛けるが、そこに突如現れた謎のスーパーヒーローに救われる。
宇宙人を撃退し、名も名乗らず空飛ぶカーに乗って去って行ったヒーロー。
少年たちは彼に自分たちの憧れのヒーローの名を贈る。その名は…
アイアンシャープ!

う~ん…。序盤はかなり子供向け。
少年たちの演技力は…言うまでもナシ。
アイアンシャープも“シャープ”って名の割りに、ヘルメット&サングラス&即席で作ったようなマントにスーツでダサい…。
この後もこんな感じのままだったら正直キツかったが、何とか徐々に。

一度は敗退した宇宙人だったが、再び侵攻。
人類は“エレキバリア”で対抗。
メインストーリーが始まってしまえば、人類vs侵略宇宙人。
結構ドラマも真面目な、勧善懲悪の特撮SF。
少年たちの存在もそう悪くはないアクセントになってくる。

宇宙人は、海王星人。
『黄金バット』の宇宙人みたいに日本語ペ~ラペラではなく、電子音でやり取り。
ロボットのような姿で、人間に化けても一切の無感情。
唯一、日本語を発したのは送り付けた翻案脅迫テープ。妙に丁寧口調が反って不気味…。

クライマックス。海王星人の総攻撃。
本作を調べた時、あちこちで必ず書かれている海王星人の円盤による都市破壊シーン。
しかもそれが、“伝説的”とか“屈指の名シーン”とか。
時に1961年。特撮と言えば、東宝超絶頂期。そんな時に幾ら何でもそれは…
ホンマや!
緻密なミニチュアや特撮演出を駆使し、驚くほどの迫真さと迫力。
実景やエキストラなどと惜しみなく合成し、リアリティーもなかなか。
異論ナシ! 天下の東宝特撮に負けていない。
映画オリジナルの特撮ヒーロー作品を作り上げた意欲を感じた。

人類大ピンチ!
そこに現れたのは勿論、
僕らのアイアンシャープ!
繰り広げられる海王星人円盤とアイアンシャープ号のドッグファイトも、巧みな特撮演出や操演で展開し、見応えあり。
最初はビミョーに感じたけど、特撮の魅力や醍醐味がたっぷりで、それなりに面白かった。

ところで、アイアンシャープは何者か…?
少年たちと仲良しの気立てのいい優しい青年科学者・立花。
アイアンシャープが現れると、何故かいつも姿が無い…。
ちなみに、立花もアイアンシャープも演じるは千葉真一。
劇中でもほとんど触れられていないけど、ご愛敬。まあそういう事で。
それとも、ただの一人二役なのかな…?

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近大