「南国で出会い、雨降る島で永久の別れ」浮雲 talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
南国で出会い、雨降る島で永久の別れ
高峰秀子と脚本の力がとにかく素晴らしかった。ゆき子=高峰秀子のセリフの一つ一つが最初から最後までリアルでシャープで男全般に対する皮肉と本心、普遍的。一方の富岡もゆき子に嫌みばかり言うクズ男だがどこまでも優しい。第一印象だって悪かったのに二人は出会ってしまった。子鹿のバンビのようにかわいらしいゆき子。一人で生きていける強さを持っているのにゆき子はひたすら富岡を追う。富岡もむげにしない。ゆき子がどんな男とつきあおうとどんな暮らしをしていても、ゆき子を拒むことは一切ない。優しさと腐れ縁の連続。二人は離れない。
高峰秀子、本当に凄い。娘時代の彼女はおんなじような役(親思いの健気な娘)ばっかりやらされていて本当に気の毒で可哀想だと思った。だからこのような作品にオファーされ堂々と演技するチャンスを与えられたのは女優として最高の幸せで彼女も肝が据わっていたんだと思う。この役をできる女優は今の日本にはいないでしょう。
こんばんは♪たくさん共感いただきましてありがとうございました😊
為になるレビューをありがとうございます😊高峰秀子さんの本作が初めてで、それまでの様子も全く知りませんでした。
やはり、富岡には、クズ、があいますね、😄この俳優さん、
talismanさん、共感とコメントありがとうございます。
女性作家が描く最低な男富岡は、森雅之が演じているから魅力的に見えるのではないかと思います。違う俳優ではここまで五分に高峰秀子と渡り合えなかったでしょう。物語の語りはリアリズムでも、成瀬演出は両スターの良さを丁寧に導き出していますね。また敗戦によって戦前に威張っていた男たちが自信を無くし、弱弱しく見えた時局への批判も感じます。富岡のような男に惚れた女性が幸せになれるのか、否無理でしょうの女性のための教訓映画の側面もありますね。
talismanさんへ
色々とコメントまでも頂いてしまいました。
若い頃はネガティブな展開の映画も好きでしたが、年齢を重ねてきて、より希望を感じ取れる作品が好きになっていた中でも、この作品には不思議と魅入られた映画の1つで、やはり作品の完成度の高さに惹き付けられたのでしょうね。