ウェルター

劇場公開日:

解説

恋人のためにボクサーの道を自ら放棄した青年が、少年院からボクサーとしてデビュー、活躍する姿を描く。なお、主人公には現役のボクサー、福田健吾を抜擢している。軒上泊の同名小説の映画化。脚本は「スケバン刑事」の橋本以蔵と桑田健司、「火宅の人」の神波史男の共同執筆。脚本・監督は「イヴの濡れてゆく」の村上修、撮影は「いんこう」の水野尾信正がそれぞれ担当。

1987年製作/104分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1987年5月16日

ストーリー

リュウイチはボクサーとして類まれなる素質を持ち、プロ・デビュー戦を数日後にひかえ、コーチの矢島のトレーニングも一段と熱を帯びている。そんなある日、恋人のミエコが数人の暴走族に襲われ、凌辱されてしまう事件が起きた。怒ったリュウイチはデビュー戦のことも忘れ、犯人をつきとめ次々と殴り倒し、リーダー格で地元の高校の野球部のエース・原田の右手を何度も踏みにじった。リュウイチは少年院に送られた。そこで彼は、院生のボス、コージと反目しあい、毎日のようになぐりあった。そんな時、院長の安田からボクシングの練習を再開して、高校総体に出場するように言われた。実はリュウイチの素質を諦められない矢島が院長を説得したのだった。リュウイチの闘争心に再び火がついた。ハードな練習が始まった。その姿を見て、コージたち院生はいつかリュウイチを応援するようになった。一方、リュウイチはその間もミエコに手紙を出し続けていたが返事は一度も来なかった。ついに県予選が始まり、彼は顔と名を匿名にするため“ウエルター”と称し、サングラス姿で会場に登場した。圧倒的な強さで勝ち進んだ。今や人気は沸騰し、マスコミも“ウエルター”の勇姿を書きまくった。だが、この“ウエルター”人気を心よく思わない芸能記者の谷口が中傷記事を新聞に掲載したことから、世間の批難を恐れた総体の運営委員会が、リュウイチの出場を見あわせるようにと決定。だが、リュウイチは数日後に迫った準決勝のために一人、練習を続けた。ミエコの愛を獲得するために、いや、自分が自分である証しを得るために。その間矢島は各新聞社をまわって、リュウイチを出場させるための援護射撃を頼み歩いた。新聞が一斉に“ウエルター”出場要請を書きたてた。ついに準決勝当日、出場が認められた。会場に駆けつけるリュウイチ。セコンドとして矢島と、コージも一緒だ。だが、試合直前、ファンの女性から花束を受け取ろうとして、右の掌をナイフで斬りつけられた。以前、右手を叩きつぶした原田の姉・京子が弟の仇をうったのだ。左拳一本でなんとか辛勝したリュウイチだが、傷を知った矢島は、決勝では絶対に右をつかうな、ボクサー生命が終わりになると厳命した。決勝戦のゴングが鳴った。打たれ続けるリュウイチ。そしてダウン。その時、会場の入口にかけつけたミエコの姿が目に入った。最後の力をふりしぼり立ち上がったリュウイチは、禁じられている右の拳を相手に叩きつけた。ついに勝った。ミエコを両腕に抱くリュウイチ、それを見る矢島の顔に祝福の笑みが浮かんだ。

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