雨が好き
劇場公開日:1983年6月11日
解説
現代に生きる若い二人の女性の愛と、その愛の終わりを描く。原作・脚本・監督は、この映画で主演も兼ねている高橋洋子、撮影は松下時男がそれぞれ担当。主題歌は、愛田洋子(「雨が好き」)。
1983年製作/100分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1983年6月11日
ストーリー
女優の卵・赤沢じゅん子は、撮影帰りの新幹線の中でフリーライターの瀬田良作と知り合う。別れ際、東京駅のホームで良作はじゅん子に電話番号を書いたメモを渡した。数日後じゅん子は、四匹の猫に餌をやるために時々帰っているという葉山の良作の家へ出かけた。一方、じゅん子の親友であるモデルの真樹子は、親子ほども年の離れた資産家の殿村との三年ごしの恋を楽しんでいる。殿村には妻子がいるが、いずれ近いうちに二人は結婚するつもりらしい。劇団の稽古場では、毎日変てつのない授業が行なわれていたが、じゅん子は良作への想いに、稽古も上の空になりがちだった。雨の降り続く夜、車を停めたじゅん子の首に、良作はペンダント鍵をかけ「雨が好きだ」と唐突につぶやく。殿村は妻に別れ話をするため久しぶりに家へ帰り、子供たちの悲しみを見せつけられる。耐え切れない思いで、翌日、真樹子をデパートの屋上に呼び出した彼は、真樹子との仲を清算した。泣きじゃくる真樹子を気遣いオールナイトの映画につき合ったじゅん子は、朝方、地下鉄の駅で良作を見かける。しかし、人違いと気づくと、以前聞いた彼の仕事場を探し求め、いつしか瀬田・風間という表札のあるドアをたたいていた。が、中から返って来たのは女の声。ヒステリックに叫ぶじゅん子。そして出て来た良作にじゅん子は「怒ってなんかいないから今のままでいて」と言う。夏の終わり、じゅん子はボートで沖合いのカメ岩に良作を誘い出し、彼がカメを見てる間、手紙を残し一人ボートをこぎ出すのだった。良作は泳げなかった。やがて秋が訪れ、街の中を颯爽と歩くじゅん子と真樹子の姿があった。