阿片台地 地獄部隊突撃せよ
劇場公開日:1966年10月15日
解説
紙屋五平の原作を、「幕末残酷物語」の国弘威雄が脚色、「男の顔は履歴書」の加藤泰が脚色にも参加して監督した異色戦争ドラマ。撮影は「バラケツ勝負」の川崎新太郎。
1966年製作/92分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1966年10月15日
ストーリー
昭和十八年の北支戦線。宇留木陸軍少尉は、中国人捕虜を助けようとして大野部隊長に反抗したため、地位を剥奪された上、地獄部隊に送られることになった。その途中、一行は八路軍に襲われて全滅したが、宇留木だけは、中国人の女に助けられた。そして一人で五台山守備隊に辿り着いたのだが、そこには軍の資金源となるケシの栽培所があった。宇留木は地獄部隊員として、辰巳分隊長の指揮の下にその仕事に就くことになった。彼は、度胸と実力で日毎に頭角を現わしていった。ある日、宇留木は美しい中国娘美雲を見て驚いた。美雲は阿片製造に協力している宗培元の娘だったが、かつて、宇留木を助けた中国娘だったのである。宇留木は美雲と会っているうちに、彼女が阿片と日本軍を憎み、中国共産党に入っていることが分った。しかし、彼は次第に美雲に惹かれていった。そんなある日、正規軍と違って食糧事情が極度に悪いため、地獄部隊の面々は食糧倉庫を狙った。しかし、それがバレて、宇留木は悽惨なリンチを受けた。息も絶え絶えの彼を救ったのは、美雲だった。やがて、完成した阿片を運び出す日がきた時、美雲は宇留木に、阿片倉庫を爆破して欲しいと頼んだが、彼はためらった。その時、激しい銃声と共に八路軍が猛攻を加えてきた。援軍も機関銃部隊も来ない守備隊は、忽ち全滅した。辰巳分隊長に援軍を約束した大野部隊長が裏切ったのだ。宇留木はその穢いやり方に腹をたて、軍と手を切った。だが、美雲と共に白馬にまたがった時、美雲は日本兵の弾に倒れた。そして、彼女は阿片を焼き払ってくれと言うと、事切れた。それから一年後、日本軍の阿片地帯を襲っては焼き払っていく馬賊の一隊が北支一円に出没した。首領の名は張青雲といったが本名は誰も知らなかった。