あの、夏の日 とんでろ じいちゃん

劇場公開日:

解説

夏の尾道を舞台に、おじいちゃんと孫の少年が繰り広げる不思議な冒険を描いたファンタジー。監督は「風の歌が聴きたい」の大林宣彦で、同監督による『新・尾道三部作』の最終作。山中恒による『とんでろじいちゃん』を、「故郷」の石森史郎と大林監督が共同脚色。撮影を「風の歌が聴きたい」の坂本典隆が担当している。主演は、「SADA」の小林桂樹と子役・厚木拓郎。

1999年製作/123分/日本
配給:東映
劇場公開日:1999年7月3日

ストーリー

ボケ気味のおじいちゃん(小林桂樹)を監視する為、夏休みの間、忙しい両親や受験生の姉の代わりにひとり尾道を訪れた小学校5年生の由太(厚木拓郎)。だけど、おじいちゃんと一緒の夏休みは不思議なことがいっぱいで、監視どころじゃない。おじいちゃんが唱える「マキマキマキマキ巻ましょう マキマキ巻いたら夢の中」という謎の呪文で隣の島へ空を飛んで渡ったり、ホラタコの多吉(小磯勝弥)という気味の悪い子供と出会ったり、由太が子供の頃のおじいちゃんやパパに間違われたり。実は、由太はおじいちゃんと一緒におじいちゃんが子供だった時代へタイムスリップしていたのだ。それから数日後、由太はミカリ(勝野雅奈恵)という少女と海で出会い、彼女の家である長恵寺に遊びに出かけた。そこには、小指のない弥勒様や「開かずの間」があり、その開かずの間にはおじいちゃんが時々口ずさむ歌のレコードがあった。それは、ずっと昔に開かずの間で死んだお玉さん(宮崎あおい)という少女が好きだった曲なのだそうだ。その話を聞いた由太は、お玉さんとおじいちゃんがどこかで繋がっているのではと考えるようになる。そして、おじいちゃんとふたり、再び呪文を唱えて過去の世界へ飛ぶのだった…。お玉さんは、おじいちゃんの初恋の人であった。しかし、彼女は肺病を患っていて、おじいちゃんは彼女に気持ちを伝えられないまま、彼女と死に別れていたのである。ところで、おじいちゃんはお玉さんの死期を早めたのは自分の責任だとずっと心を悩ませていた。お玉さんに玉虫をとってあげようとして弥勒様の小指を折ってしまい、その罰が当たったのだと思っていたのだ。しかし、真相は違っていた。小指を折ったのは実は多吉で、彼はその罪をおじいちゃんになすりつけていたことが判明する。気持ちが晴れ、すっかり安心したおじいちゃんと元の世界へ帰ってきた由太。その日、長恵寺から弥勒様の指が見つかったと電話が入った。おじいちゃんが倒れたのは、それからすぐのことだった。由太の看病も空しく、おじいちゃんはこの世を去る。長恵寺で営まれた葬儀は、それは立派なものだった。秋になって、東京へ帰った由太。彼は、時々おじいちゃんが空を飛んでいる姿を見る。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.5宮崎あおいさんと厚木拓郎君が若い

2021年3月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

興奮

何年かぶりに見ました、合成CGは正直かなりお粗末ですが内容は面白いです。宮崎あおいさんは12歳くらいだったと思いますが綺麗ですね、厚木拓郎君は顔は変わってしまってますね。夏に見るとまた良いのかもしれません。

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ジョバンニ

3.5空飛ぶ菅井きん

2020年11月14日
iPhoneアプリから投稿

尾道の日本家屋、背景の蒸せるような緑の庭と爺の書院と板の間の孫の絵が美しい。タイトル通り、夏を感じさせる空と雲、田畑の緑、水面の輝きと存分に表現している。
勝野洋の娘の胸を触り、大喜びする小林桂樹。老年にして貫禄の演技である。その勝野雅奈恵であるが、旬という言葉が適切かどうか分からぬが、少年の背伸び相手としてハマり役で、若々しい色香を放つ。又、子役であるブレイク前の宮崎あおいのキュートさは妖艶でもあり、これも特筆すべき点である。この辺りの撮り方は監督らしさを感じるが、少し苦笑い。
ラストの絵は実に奇妙であるが、長年連れ添った者を省略して、青い経験と共に昇天してしまう大林作品もあるわけで、菅井きんのストーリーが各所に織り込まれることで、全体として豊かになっている。

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Kj

3.5けっこうよかった

2020年8月2日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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吉泉知彦

4.0いい人生じゃったという言葉の意味

2020年5月20日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

新尾道3部作の3作目

美しい尾道の光景の中で、70年前のじいちゃんの子供の頃の忘れたい記憶が蘇ろうともがいている物語です

菅井きんのチャーミングなおばあちゃんは、ボケたじいちゃんとはどこかよそよそしいのです
まるで他人のような

それが終盤に初めてあなたと呼び掛けてはっとさせられます
孫の由太を介して、この夏彼女は夫を初めて愛することができたのかもしれません

おみゃーがわしを信じさえしたら、一緒に空を飛べるのに、という台詞の意味はこれだったのです

ラストシーンで由太が見たのは、真っ青な夏空を飛ぶおじいちゃんの姿です、右手にはお玉ちゃん、左手にはおばあちゃんと3人で大空をツバメのように飛んでいます

おじいちゃんのいい一生じゃったという言葉の意味を由太はこれを見て理解したのです

とんでろ!じいちゃん!

おばあちゃんはおじいちゃんを信じることが出来て飛ぶことができるようになったのです
だからおじいちゃんと一緒に飛ぶ為に、あれからすぐあっちにいってしまったのだと思います

玉虫とはそんな魂の成り変わりの象徴なのかもしれません

病院に東京の由太の家族が駆け付けた時のじいちゃんの言葉を姉が問いただすシーンが、このラストシーンの前に挿入されているのは、本当はその台詞を私達観客に思い出して貰うためにあったのだと思います

恋愛結婚は良いもんじゃろうのう

おじいちゃんが由太の父昌文に言った言葉ですが、実はおばあちゃんにも届いています
見合い結婚でよそよそしい夫婦だったし、お玉ちゃんのこともあったけれど、本当はこころを通わせたかったんだよというラブメッセージだとおばあちゃんは受け止めています
一瞬手を止めた菅井きんの素晴らしい演技に目が吸い寄せられました

お姉ちゃんも勉強だけじゃのうて、たには恋愛でもしたらどうじゃ

これは由太の口を借りたおじいちゃんのお姉ちゃんへの言葉だったのかも知れません

Houseハウスを思い出させるような合成やアイリスが多用されています

ピーカンとは単に快晴という意味ですが、本当は映画の撮影手法を指すと大林宣彦監督が特典映像で語られていました

真っ青な夏空の青が撮影できる露光で撮影しても、人物が真っ黒にならないように強い照明を当てて、空の青さと人物をそのまま同時に撮影する手法のことだそうです
人物に露光を合わせると、空の青さは白飛びして、白い空にしかならないそうです

例えばロープウエイ沿いの高台の岩場のシーンがピーカンです

真っ青なピーカンが撮れていなければ、それこそ本作は意味不明の作品になってしまいます
本作は夏空が本当に真っ青でなければ意味をなさないのです

それは見事に成功しています

そして、その真っ青な夏空の下、尾道の街が広がっているのです

青は青春の青にも通じているのです
人生の夏です

見事な作品です
さすがは大林宣彦監督です、傑作です

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あき240

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