赤穂城断絶のレビュー・感想・評価
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忠臣蔵を知りたいなら…
「忠臣蔵」の作品です。
ずっと以前から「忠臣蔵」の話って、一番最初に刀を抜いてはいけない場所で、
抜いて人を切った奴が、悪いんじゃねぇの?…と思っていたが、この作品で
全編を観るに当たり、より一層その考え方に拍車が掛かった。
「忠臣蔵」の話を部分的にしか知らず、全編通して再確認するには、観る価値は
あるかもしれません…
逆に言えば、その作品に特に興味が無ければ、観る必要性が無い映画です。
殺さしたい相手を殺して死刑になるのは満足!
忠臣蔵をちゃんと見るのは久しぶりでしたが、妙に感慨深くなりました。
最後の萬屋さんの表情、「満足、これで主君に会える、仲間たちとまた一緒になれる」いざ!
わたしは、仇討ちすることはないと思いますが、往生際、こんな清々しい顔で死にたいと思います。もし、妻が先に死んでいたら「また会えるね」と。
映画は、これぞ昭和の東映、深作作品、オールスターキャスト。堪能しました。柳生の方が面白かったとは思いますが。
多門伝八郎の口上に痺れる!
数々のお涙頂戴外伝を廃し、ドキュメンタリー調で武士の本懐(仇討ちというより理不尽な幕政へのケジメの付け方)に迫ったところが新鮮。とは言えセリフは多分に時代劇風味だがこれがまた良い。特に松方弘樹の多門伝八郎が浅野内匠頭の情状酌量を願い出るシーン等は芝居ががっている所に逆に痺れた。昨今の大河などは台詞回しも現代風にして分かりやすくする風潮があるし、昔もいつもそんな仰々しい喋り方をしていたとも思えないが、少なくとも公式の場ではあのようなやり取りだったのではないかな。「仰々しい台詞回しの時代劇」復活希望!
もはや既視感ありありでしかないが、ケンミンとしては見ざるを得ない赤...
もはや既視感ありありでしかないが、ケンミンとしては見ざるを得ない赤穂浪士もの。
本作の見せ場は討ち入り後の乱闘か。千葉真一のかっこよさが光る。浪士たち、渡瀬恒彦にいっぱい斬られてましたで、んなバカな(笑)
橋本何某が討ち入り前に憤死するのは嘘やろ、と思ったら本当みたい。生き残りの寺坂と勘違い。
寺坂もそうだが、そういや松の廊下の経緯も描かれてなかった。ただの乱心に見える。ケンミンとしてはやや憤慨(笑)
見るには季節が違いましたね。
切腹で始まり、切腹で終わる
細かいエピソードはすっ飛ばし、浅野内匠頭(西郷輝彦)の松の廊下刃傷事件と切腹、赤穂城に早駕籠が到着してから開城・籠城や切腹などという意見が飛び交う中での大石内蔵助(錦之介)の決断。そして内蔵助と柳沢吉保(丹波哲郎)との交渉、大学の処遇を軸とする駆け引きが中盤での見どころとなり、おなじみ吉良邸討ち入りが終盤のメイン。
単に主君に対する忠義のみならず、公儀に対する反発というテーマが大きい。腐敗する江戸幕府の体制に対して一石を投じたメッセージは他の忠臣蔵作品よりも顕著だった。内蔵助の遊郭遊び、浪士たちの疲弊ぶり、暴発的な暗殺未遂も描かれてはいるけど、お涙頂戴の部分はほとんどない。
ただ、脱藩者でもある橋本平左衛門(近藤正臣)のパートはちょっと悲しい。脚色はされているが、原田美枝子演ずる妻が遊郭に出されたり、うかつにも内蔵助が江戸に入ったことをもらしたりと、『忠臣蔵外伝四谷怪談』へと繋がるようなエピソードだった。
遅ればせながら、追悼:千葉真一の意味も込めて鑑賞したのですが、以前に2回ほど見てたことに気づいた!赤穂城に浪人として参じた不破数右衛門。雑炊みたいなのを食ってたり、山科ではひっそりと大石家を見守り、人形などを作ってあげる。そして剣の腕も竹林の中での稽古や、いざとなったら内蔵助をとことん守る頼もしい存在。大石以下では最も目立っていた。
藤岡琢也演ずる大野九郎兵衛も目立っていたし、なんと言っても圧巻は三船敏郎演ずる吉良邸隣の土屋主税。『忠臣蔵花の巻雪の巻』でも意外な役柄だったし、存在感ありすぎなんですよね~
錦之助と深作の忠臣蔵
蔵之介が萬屋錦之介、上野介が金子信雄など東映のスター総出演で、監督の深作欣二もオーソドックスな演出で安心して見ていられる。
皆んなを見せるだけでも大変で、主役の場面が減っている。
初めて忠臣蔵、赤穂浪士をみるならどれを観たらいいの? そう聴かれたなら、迷わず本作をお勧めします!
いや~、面白かった~!
これはいい!
時代劇を堪能しました、もう満腹!、サイコー
忠臣蔵は日本映画の始まりの頃からの超人気コンテンツですから、映画やテレビドラマで80作以上あるといわれています
その一本も観たことない人でも、だいたいのお話は知っているはず
じゃあ、初めて忠臣蔵、赤穂浪士をみるならどれを観たらいいの?
そう聴かれたなら、迷わず本作をお勧めします!
巨匠溝口健二監督の戦前の白黒映画「元禄忠臣蔵」には心から感動しましたし、1961年の片岡知恵蔵の「赤穂浪士」もスタンダードとしてお勧めです
1994年の市川崑監督、高倉健主演の「四十七人の刺客」も面白い
だけども忠臣蔵を初めて観るなら、本作が一番面白く楽しめると思います
「四十七人の刺客」のように変化球のストーリーでなく、1961年版「赤穂浪士」ではさすがに古すぎ
まして「元禄忠臣蔵」は白黒の上、前後編合わせて4時間弱もあります
本作も2 時間40分ありますが、起伏もあり全く長く感じません
深作欣二監督は当初かなりの変化球の忠臣蔵を目指したようですが、前作の「柳生一族の陰謀」と同様に萬屋錦之介の本格を目指す姿勢と衝突して、オードソックスな忠臣蔵として完成しています
しかしながら味わいは現代的なもので、テンポも展開もスピーディーです
つまり「柳生一族の陰謀」と同様に、その衝突が良い方向に化学反応を起こしたのです
いきなり松の廊下から始まり、切腹のシーンで終わります
題名から赤穂城明け渡しにクローズアップしているのかと思いましたが、そうでは無く全くスタンダードな忠臣蔵となっています
クライマックスの討ち入りシーンは他の作品よりも圧倒的に長め、しかも大迫力!
さすが深作欣二監督です
カメラは宮島義勇
人間の條件、切腹、飢餓海峡を撮った人です
どれもこれも白黒映画の屈指の映像を撮影した人です
1961年版「赤穂浪士」のような明るい色彩の煌びやかなものでは全くありません
薄暗く、彩度も幾分落とされているかのように感じるほどです
しかし深作欣二監督の目指した現代的感覚の忠臣蔵の撮影ならこれで正しいと納得の映像です
予告編に日本映画演劇陣総出演とありましたが、70年代のスターが本当に総出演
そしてその討ち入りシーンでは名も無き大部屋俳優達の目を見張るような斬られかたをタップリと堪能できます
渡瀬恒彦と千葉真一との一騎打ちは手に汗を握る伝説のシーンです
近藤正臣の鬼気迫る演技も心に残ります
峰岸徹もまた素晴らしい
何より藤岡琢也のコメディリリーフの見事な仕事ぶり
スターそれぞれに見応えのある印象の残るシーンがあります
忠臣蔵の新しいスタンダードとしてお勧めいたします!
本作を出発点にそれぞれの気にいるベストの忠臣蔵を探されるのが良いと思います
また年末に観たいと思いました
いざ、25回目の仇討ちへ!
Huluで鑑賞。
忠臣蔵25回目の映画化作品。
大石内蔵助役に萬屋錦之介を配し、千葉真一、渡瀬恒彦、丹波哲郎、三田佳子、岡田茉莉子、三船敏郎他豪華オールスター・キャストが集結して製作された時代劇超大作。
Wikipediaを読むと、深作欣二監督と萬屋との確執によって現場がかなり嫌悪だったとか、製作費を掛けた割には「柳生一族の陰謀」みたいなヒットとはいかなかったとか、エピソードには事欠かないようでした(笑)
萬屋錦之介の堂々とした佇まいが素晴らしかったです。貫禄が凄まじいばかりでございました…。仇討ちを決断する場面の口上に痺れました。但し、彼のチャンバラが観られなかったのは残念でした…。それは松方弘樹も然り(笑)
荒んだ浪士(近藤正臣)とその妻(原田美枝子)の悲壮な末路や、「仁義なき戦い」の抗争シーンを彷彿とさせる殺陣など、リアリティー溢れるドキュメント・テイストが加味されているのが魅力だなと思いました。
クライマックスの討入りシーンのカタルシスはやはり格別。堪えて堪えて、ようやく本懐を遂げる…。想いの籠った剣は強い…。吉良邸の隣家の大名(三船敏郎)が赤穂浪士に共感してくれたのが胸熱過ぎました…。
吉良上野介役が金子信雄だなんて最高かよ!(笑) 狡猾な野郎を演じさせたら彼の右に出る者はいませんなぁ…。
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