あげまん

劇場公開日:

解説

“あげまん(上昇運)の女”と呼ばれるヒロインと彼女に携わる男たちの葛藤をユーモラスに描く。脚本・監督は「マルサの女2」の伊丹十三。撮影は「シンデレラ・エクスプレス」の山崎善弘がそれぞれ担当。

1990年製作/118分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1990年6月2日

あらすじ

捨て子だったナヨコは老夫婦に育てられるが、中学を出てナヨコは芸者の道を歩むことを決心する。そして芸者の置屋に預けられたナヨコはそこで一人前の芸者に成長してゆくがそんなある日、僧呂多聞院のもとに水揚げされ、彼女の人生は一変するのだった。ナヨコと暮らすようになって多聞院の位はめきめきと高くなっていったのだ。だが、間もなく多聞院は病死してしまうのだった。何年かたち銀行のOLになったナヨコは、ふとしたことからうだつのあがらない銀行員鈴木主水と知り合い、お互い愛し合うようになる、だが同時に政界の黒幕である大倉善武もナヨコの“あげまん”に目をつけていた。結局主水と結ばれるナヨコだったが出世街道を走り始めた主水は、出世のために瑛子という女と婚約してしまいナヨコと別れてしまうのだった。主水に捨てられたナヨコは大倉のもとへいき、再び芸者となった。そんな時、総理の椅子をめぐって鶴丸幹事長と争う犬飼政調会長もまたナヨコに目をつける。その頃主水は上役千々松が鶴丸に政治資金を横流ししていた不正をきせられてピンチにおちいっていた。そのことを知ったナヨコは、やはり主水のことが気がかりになっていた。だがその時犬飼から鶴丸が癌で先長くない命であることを知らされたナヨコは、それをネタに主水の危機を救うのだった。そしていつしか二人は永遠の愛で結ばれるのだった。

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映画レビュー

3.5「あげまん」「さげまん」という言葉が嫌いだ

2025年5月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

興奮

ドキドキ

1990年公開作品

監督と脚本は『お葬式』『タンポポ』『あげまん』『ミンボーの女』『スーパーの女』の伊丹十三

あげまんと称された芸者ナヨコと交際することで男が出世する話

宮本信子当時45歳
実年齢よりかなり若い役を演じている
18歳!
当時は「あげまん」という言葉だけでなくこのキャスティングも話題になった
宮本信子に似た感じの無名の若手を探せばいただろうに
市川右太衛門や片岡千恵蔵が45歳の時に『雪之丞変化』に主演したりはしない
親バカと言う言葉あるがここまでくるとそんな言葉はないが「夫バカ」と感じてしまう
愛妻家なのか女優宮本信子に惚れ込みすぎているのか
愛妻家でも浮気をする
浜田雅功が代表例
それが男の性(さが)
白馬の王子様なんて世の中にはいない

津川雅彦がなぜかモテまくる
石立鉄男のようなチリチリの三枚目がやたらモテるTVドラマも昔あったしまあ良いだろう

大滝秀治がゲイの頭取を演じるわけだがその設定が面白い
よりにもよって大滝秀治とは

石井苗子の苗子は「みつこ」と読む
「ティービータックー」の人である
今では日本維新の会所属の参議院議員
俳優としてわりと際どいこともやっていた
それを黒歴史と称するバカもいるがそれは違う

僕は「あげまん」「さげまん」という言葉が嫌いだ
元々あった言葉らしいがそれは知らない
明らかにこの映画で当時流行した言葉だ
語源は「間」とか「運」らしいが苦しい言い訳としか思えない
女性に対してしか使わない言葉で明らかに「まん」とは女性器ことで間違いない
だいたいにして女次第で男が出世するという他責思考が気に食わない
その点では「あげちん」「さげちん」ではなく「だめんずうぉーかー」という造語を作った倉田真由美はかなり有能な人だと改めて思う

配役
一時一ツ橋銀行頭取秘書として働いていた「なよきち」こと芸者のナヨコに宮本信子
一ツ橋銀行三ツ浜支店長の鈴木主水に津川雅彦
白髪長髪に隻眼なのか眼帯をつけている大物フィクサーの大倉善武に島田正吾
一ツ橋銀行頭取の千々岩に大滝秀治
捨て子のナヨコを近所の神社で見つけて中学まで育てた養母に菅井きん
養母の夫で鍛冶屋の養父に柳谷寛
ナヨコを一人前の芸者に育てるため厳しく指導する置屋の女将の雛子に三田和代
62歳の僧侶の多聞院に金田龍之介
多聞院の母のリンに一の宮あつ子
主水の恋人の瑛子にMITSUKO(石井苗子)
主水の愛人の純子に洞口依子
主水の愛人で喫茶店店員のサヨリに南麻衣子
主水の愛人の毛皮屋の女主人に高瀬春奈
高齢の総理大臣に東野英治郎
与党幹事長の鶴丸国男に北村和夫
鶴丸とライバルの政治家の犬飼に宝田明
料亭のおかみに杉山とく子
多聞院の女房に横山道代
多聞院の坊さん仲間の甲に北見治一
多聞院の坊さん仲間の乙に久保晶
人気歌舞伎役者の瀬川菊之丞に加藤善博
コンピューターを使った結婚相談所「コンピューター・デーティングサービス」の職員の寿に橋爪功
タクシーの運転手に里木佐甫良
一ツ橋銀行港町支店次長の蛭田に矢野宣
主水の悪夢に登場する首斬役人に不破万作
探偵らしきカメラの男に上田耕一
大倉の置屋の芸者の清香に黒田福美
医者をやっている犬飼代議士の弟に押阪忍
オートクチュール女主人に内田あかり
映画の中の付き添いの女に柴田美保子

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野川新栄

4.0脂の乗った津川さん

2025年4月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ともかく津川さんが最高でした。こういう役はまりますね。
このころ何歳だったんだろう、40代?
今のこの年齢くらいの俳優でこの色気を出せる人、いるんだろうか。ちょっと考えてみたけど思い浮かばなかった。

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塩

2.0津川雅彦さんにいよいよ脂が乗ってきた感じ

2025年3月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

今回、初めて観ました。テレビやビデオでも観たことが無かった。
期待していたほどは面白くなかったです。

もっとあげまんあげまんしている映画かと思いこんでいたので、話の流れは意外でした。

結局、伊丹十三監督でさえ、本質的な部分では、バブル経済時代の神話に絡めとられていたんだな、と思ったのが一番大きな感想になるかな。

津川雅彦さんに、いよいよ脂が乗ってきた感じで、伊丹十三祭の今後の作品に期待しています。

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ねこたま

5.0すでに公開前からタイトルだけで勝負あり。 今ではすっかり定着、伊丹監督のネーミングセンスが光りましたね。

2025年3月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

2月21日(金)からTOHOシネマズ日比谷さんで開催されている「日本映画専門チャンネル presents 伊丹十三 4K映画祭」(監督作品を毎週1作品、計10作品上映)も折り返し地点。本日は当時流行語にもなった『あげまん』(1990)。

『あげまん』(1990/118分)
バブル真っ只中でイケイケドンドンの世の中でもさすがに『あげまん』のタイトルと響きはインパクト十分。
当時耳目を集めて、すでに公開前からタイトルだけで勝負あり。
今ではすっかり定着、伊丹監督のネーミングセンスが光りましたね。
『お葬式』『タンポポ』『マルサの女』『マルサの女2』とほぼ1年おきに本作含め5作続けて監督・脚本としてヒットを生み続ける監督の力量に改めて脱帽です。

実に35年ぶりに鑑賞しましたが、ドロドロしそうな男女の色恋話をカラッと明るいエンターテイメントに昇華した日本人の琴線に触れる人情喜劇。
ナヨコ(演:宮本信子氏)のあげまん素質という特殊能力も分かりやすくて、彼女を中心とする男たちの立ち振る舞いも個性豊かで三者三様、実に面白いですね。
本作でも与党幹事長・鶴丸国男(演:北村和夫氏)が入院先の病室で丸ごと皮だけ剥いた高級メロンに下品に被りつく、監督作品ではお約束の食事のシーンもあり、何も語らず一発で素性が分かる実に上手いシーンだと今回も感心しました。

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矢萩久登