AKIRAのレビュー・感想・評価
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緻密に描かれたディストピア
ずっと見たいと思いながらも、名作すぎるが故になんだかんだで見れていなかった。
昭和の作品とは思えぬキャラや背景の動きっぷりで、屋内の光や街のネオン管がきらめく表現などは実写のブレードランナーで見た世界まんまに近いと感じられるほど表現が豊かだった。
初見だったため、想像ではもっと論理的な感じで話が進むのかと思っていたが、想像以上のバイオレンスとディストラクションが前面に出ていて少し身近に感じられ、我々と遠すぎる話でもないと感じた。
時は異なるが、鉄雄とAKIRAが力の暴走によって東京を壊滅に導いていく訳だが、鉄雄は力を手に入れたことに溺れて死を迎え、AKIRAも暴走によって東京を壊滅させたが、死後も仲間や多くの支持者に崇拝される存在となった。
他のネット記事から得た情報ではあるが、大友監督が黒澤明監督のファンというところから、このそのままのタイトルが付いたというから驚いたが、大友監督の中の彼の存在の大きさが窺い知れて面白い考察であった。
鉄雄とAKIRAは、圧倒的パワーをいかに使うかが善悪の分かれ目となった。その強大なパワーに、拳銃と拳だけで抗った健康優良不良少年・金田の近未来感のなさのギャップが、腐敗した未来への抵抗に感じられて面白かった。
こういう感じだっけ…?
こんなものではない
2020年には東京オリンピックが開催されるらしい。
アキラ100%という人物も正月番組でポロリしたことだし(アニメでのポロリはカオリ)、大友克洋の予言は凄いと感じる。さすがに第3次世界大戦は起こってないので、荒廃した東京の描写は当たってはいないが、貧富の差は拡大しているようだし、毎日のように反政府デモが起きていたり、あちこちで爆破テロがあったりと、世界情勢を見ても未来描写は当たっているような気もします。
急に再び見たくなったのは『レディ・プレイヤー1』のせい。鉄雄が憧れていたように、あの金田バイクは模型でもいいから欲しくなるのです。そうした魅力的なキャラだらけの今作品も『鉄人28号』へのオマージュがあったりしてなんとも楽しいのですが、ストーリーは破壊という点で世紀末思想にも影響を与えていたのかもしれません。
超能力を兵器として利用する設定も現代SFの世界では当たり前になってるのかもしれません。しかし、その強大な力を持つAKIRAを封印したり、謎めいた展開にすること。さらには誰でも力を持つことが可能であるというメッセージも不気味です。
腕が取れてしまったり、大気圏突破して衛星兵器をぶち壊したり、痛々しい描写やディテールもすごい。日本アニメの金字塔として君臨する作品でもあるのですが、今一つ満点をつけられないのが女の子に魅力がないことだろう。最初に登場したケイなんて、変テコなヘルメットに半ズボンだったし、カオリにしても栄養が行き届いてない雰囲気だし、むしろ金田や鉄雄が魅力的すぎたのだろうか。
スケール感、魂を揺さぶる音楽
観た。最高だ!
ようやく観た。原作は単行本発売で読み、のめり込んでいたが、映画は1988年だから30年めにしてようやく観たわけだ。
映画はソルの後にこんなにあったのね。原作があとは自分で考えろスタイルとすれば、映画はもう少し誘導してあげるねって感じ。いい意味で。
原作の魅力の一角と思っている、バイクによるスピード感かつ一人で進む感が、映画でも見事に描けていたので、売れるわけだなと思う。
2004年の「スチームボーイ」で見事な蒸気の描写をした大友さんは、この映画ですでに感動的なアニメーション(動き、描写)を作りあげていたんだね〜。
----2020/4/6追記
前回はキネカ大森での通常版だったが、今回は川崎109でIMAX版を鑑賞。
最高〜! 本作、IMAXにぴったりじゃない⁈
映像ももちろんだけれど、自分がきわめて感心したのは音量。音が大きけりゃいいってものではないが、本作には何回か、あえて無音にしているシーンが数回ある。IMAXの大音量の中では、その無音が、見事に際立つ。シーンとは関係なく、まるで宇宙を漂っているかのような感じにしてくれる。いやあ、最高でした!
揺らめくテールランプ、山城組の音楽、言い古されたことだけれど、そこかしこでかっこいい!
2020/5/13 追記
ふうん。本作の音には、あえて超高周波を混ぜているらしい。それは、聞こえない周波数だが、感じとれるもので、心地よくなるらしい。(NHK「ヘウレーカ」でやってた情報) たしかに、心地よかったな。
さあ、みんなも、"ハイパーソニックエフェクト" を浴びに行こう‼︎
斬新! 超絶ダイナミック!
特別上映にて30年の時を経て2度目の鑑賞。
人間も宇宙の子。その遺伝子を発動させたなら。
テーマの発想がそもそもトンデいる。
だが最後まで空回りすることなく、みあう豪快な物語が、縦横無尽と駆け巡る快活なキャラクターたちと共に繰り広げられる。
10分に1人死んでそうで、5分に1回は爆発、崩壊が起きていそうな、瞬き禁止の手に汗握りまくり映画。
圧巻なのは、まだCGもない時代に手書きのセルでよくここまで、と思うほどの作画、作画、作画。全くもって古さを感じさせない世界観に、ふともすると一周回って真新しささえ感じてしまうアイテムの数々。
この作品に影響を受けたんじゃないか、と思える作品も頭をよぎるほどいまだ踏襲される技法、演出に、これぞ古典とおののいたり。
バックに流れる芸能山城組の音楽も、その厚みと存在感が今、聞いてもアニメ用とは思えなかった。
とにかく30年前にこのセンス。
尖りすぎて今でも観客の心はぐさっと一突されてしまう。
美しくも激しい凶器のような1本だった。
胸に迫るサイキック・ウォーズ!
レンタルDVDで3回目の鑑賞。
原作は未読です。
情報量の多い緻密な作画に圧倒され、圧倒的なクォリティーに息を呑みました。オール手書きで、よくぞここまで…
崩れ落ちる瓦礫、爆発の炎、蠢く民衆、迫力のサイキック・シーン、どれもこれも素晴らしく、目を見張りました。
荒廃した近未来都市・ネオ東京のビジュアルが圧巻!
ごみごみした街並み、旧市街の煩雑さ、汚れた川と汚物が溢れた下水道―「見覚えがあるぞ?」と既視感を覚え、よくよく考えたら現在社会そのものじゃないかと思い至り、絶句…
傲慢故に、自分たちの手に余るものをコントロールしようとして結局はしっぺ返しを食らい、壮絶な滅びの憂き目に合うのは自明であろうに、それでも歩みは止まらない…
人類の身勝手が覚醒させた、生物としての無限の可能性を秘めた福音且つ究極の破滅をもたらす存在「AKIRA」を巡る攻防は迫力満点。軍部、反政府ゲリラ、暴走族が入り乱れ、壮絶な争奪戦が繰り広げられて秀逸でした。
金田と鉄雄の戦いはとてもエモーショナルに描かれていて、鬱屈した感情のままに暴走する鉄雄と彼をなんとか助けようとする金田の悲しいせめぎ合いに引き込まれました。
[余談]
2019年…今年だ!
2020年にオリンピック開催予定…バッチリ的中!
※修正(2022/09/29)
「もう始まっているからね」最後は圧巻
ジャパニメーションの金字塔と言われる「AKIRA 」。ストーリーはともかく確かに作画は圧巻でした。これ手書きってメチャクチャ大変そう。頑張ったなぁ。
1988年なので30年前の作品です。当時の人が思い描いてた30年後と実際とはずいぶん違ってますね。バイクとか空飛ぶ乗り物は未来っぽいですが、コンピューターや通信機器の発達は現実の方がスゴいかも。現実は地味な方が良く発展したようです。最初の街の風景はモロに「ブレードランナー(1982年)」でアメリカからの逆輸入かぁと思ったのですが、後半になればなるほど独自のインパクトが物凄かったです。
見所は超能力のバトルかと思いきや金田くんが動く動く。金田くんの動きだけはやたらとアニメっぽくって面白かったです。見せ方が意外とグロいというか不気味というか、音楽にせよ人の生理的に嫌な所を突いてきてますね。勿論狙ってやってる事でしょうけど。
残念ながら人間は30年じゃ大して変わりませんでしたね。現代の人でも超能力手に入れちゃったらてんやわんやする事でしょう。あまりアニメは観ないのですが、本作はきっと当時映画館で観てたら凄かっただろうなぁっと思わせてくれる作品でした。
しかし、金田くん達は学生みたいですがいったいいくつなんだ?そして鉄雄くんの彼女カオリちゃんが悲惨過ぎる~!
時代は『AKIRA』の世界に近付いた
大友克洋の代表作で、押井守の『攻殻機動隊』と並ぶ世界に誇るジャパニメーションの傑作。
こちらも見るのは随分と久し振り。
正直、『攻殻機動隊』より見てる回数は少ないが。
一度は文明が荒廃した戦争後の2019年、東京。
超能力少年“アキラ”を巡る軍やゲリラの争いに、暴走族の少年・金田とその仲間である事故がきっかけで超能力に目覚めた少年・鉄雄が巻き込まれていく…。
世界観もビジュアルも、改めて見ても今見ても、鮮烈。
何よりその作画力に圧倒される。
ネオ東京の背景、バイク・アクション、クライマックスのサイキック・バトル…。
緻密な一つ一つが、全て手書き!
本作が“伝説”と言われるのも頷ける。
『攻殻機動隊』の魅力の一つが難解なテーマなら、こちらはたっぷり詰め込んだ面白味や衝撃さだろう。
文明荒廃は『マッドマックス』、復興した近未来都市は『ブレードランナー』。
主人公に据えられた不良少年たちは80年代コミックの定番。
目を引くデザインのバイクに、超能力…。
それらを併せて、唯一無二の世界を創り上げた。
鉄雄が超能力に目覚めていく様はショッキングでもある。
幻覚や悪夢は恐ろしいほど。
神の如き力を手に入れ、暴走する鉄雄。
そんな鉄雄と戦う事になる金田が、軽口叩く二枚目半な性格なのが本作にユーモアを味付け。
生身で鉄雄に立ち向かっていく様は興奮。
そしてこのクライマックスは、アニメ…いや、映画史上に残るほど圧巻!
また、偶然とは思えない2020年の東京オリンピック、目前の時代設定2019年も、ある意味衝撃的。
世界でも人気を誇る作品故、絶えず企画されるハリウッド実写化。
このまま進展しない事を望む。
『攻殻機動隊』のハリウッド実写版を見ても分かる筈。
幾らハリウッドが最高レベルの技術を駆使しても、技術の問題じゃない。
大友克洋、押井守…彼らにしか創り出す事が出来ない才能の違い。
レビュー
改めてみなおしてみて
すごくキャラクターが動くなあ、と感じた。この頃のアニメがいちばん丁寧だったんじゃないか、というくらい。
なかでもこれは確かにすごい。
当時を知る者として少し偉そうなこと言わして頂くと、話題作ではありました。私は友人と大宮だったか、宇都宮だったか忘れましたが、平日でもそこそこには客が入ってました。
この頃「あさ生」全盛期で、大島渚が「今、AKIRAという作品がはやっている」と言っていたのが印象深くて
私は「そんなにはやってるかなあ?」とか考えていたのでそれくらいな話題性でしたかね、つまりは世の中席巻するほどでもなかった気もします。
また、原作はすごいかと問われれば、作画に関してはすごいです。メチャクチャ細かい。
ストーリーはかなり違います。山形の死に方とか、アキラの存在とか、映画ではバカにしか見えない変な宗教代表のオバハンはけっこう中盤活躍します。
何より鉄雄は王国みたいなもの作っちゃいます。ハーレムみたいにしちゃって当時うらやましかったもんです(笑)
さて、映画ですが最初の暴走シーンの凄さかやっぱり特筆すべきかなあ。あと、音楽ね、この和洋折衷みたいな変わった音楽すごく斬新でしたね。
とはいえ、全体的にはやっぱりアクションのインフレというか途中で飽きちゃうんだな。あと、大友さんのマンガはすべてそうだが女の子が可愛くない。なんとかならんのかな。
今回見直してみて、そうは言ってもこの作品は日本アニメの代表のひとつだろうし、若かりし頃全く気にも止めなかったラストはいろんな意味が込められてるんかいな?もう少し考えてみないとうまく説明できませんが
しかし、このAKIRAのあと日本アニメは急速に衰退していきます。押井守が頑張ってましたが、興業はよくなかったはずです。
で今のおかしな状況がある一部除いて。
原作はもっと凄いんでしょうか。
散乱してるゴミですらここまで書き込むかってくらい、全編通じて作画の仕事っぷりには脱帽。
超能力による見えない力を、物が壊れていく様子をこれでもかとこだわって書くことで、最大限表現しています。
話し自体は友達が力を持っちゃったから倒して助け出す話。
近未来だから特殊なことは起こるんですが、後は特に・・・。
原作はもっと凄いんでしょうか。
長い
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