赤毛

劇場公開日:

解説

「喜劇 駅前開運」の広沢栄と「肉弾」の岡本喜八がシナリオを共同執筆し、岡本喜八が監督した時代劇。「弾痕」の斎藤孝雄が撮影を担当した。

1969年製作/116分/日本
原題または英題:Red Lion
配給:東宝
劇場公開日:1969年10月10日

ストーリー

慶応四年、江戸に進撃する官軍の先駆となったのは、相楽総三を隊長とする赤報隊であった。赤報隊は東山道軍参謀から年貢半減令の旗印を与えられ、沿道各地の民衆を鎮撫して行った。百姓あがりの隊士権三は、次の目的地が郷里の沢渡宿と知るや許しを得て単身この地に乗込んだ。その頃、幕領沢渡宿は代官と結託した博徒駒虎一家に支配され、民衆はその圧制に苦しんでいた。赤毛の権三は卑きょうな駒虎から、年貢のカタに取られた娘たちを解放、つづいて代官屋敷からは年貢米を取返した。民衆に敬まわれ有頂点の権三、母親はそんな息子に不安を感じていた。その頃、この宿場には、官軍を阻止せんと幕臣たちの遊撃一番隊が町人に化けて潜入していた。彼らは意気あがる権三に居合い斬りの達人一の瀬半蔵をさし向け、駒虎は権三の恋人トミをまるめこんだ。一方、仲間を助けに行っている留守中に、官軍への献金持逃げやニセ官軍を吹ちょうされた権三は代官を詰問したが、うまくその場をかわされてしまった。民衆の支持を失った権三を励ますのは、真情を知るトミだけだった。権三は、本隊にこの旨を報告かた、三次ら四人を派して軍資金を送った。だが、ニセ官軍の汚名をきせられた相楽はすでに処刑されていた。三次たちを迎えたのは、東山道軍参謀を初めとする白毛をかぶった官軍だった。白毛隊は無残にも少年たちを斬りすてた。新しく支配者となった東山道軍参謀に年貢半減令や民衆の心などは邪魔だった。代官は遊撃隊に殺され、半蔵の恋人も彼らにより命を落した。半蔵は無理非道な官軍に怒り、権三に加担した。やがて、トミまでが非情な弾丸を浴びて他界、赤毛の権三は激しい怒りとともに荒垣のいる官軍勢に突撃していった。

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映画レビュー

5.0喜八郎は戦争へ行った・・・

2024年12月14日
PCから投稿

岡本喜八が伝えたいことがとてもよく表現できていると思った
つまりこうだ
・・・と語ってしまうのはやめておこう
映画というものは 感じ取れるように作られているのだから
岡本喜八・・本名は喜八郎・・彼はかつて戦争へ行った・・
そして三船敏郎も。

だから監督は役の年齢にあった千葉真一とかではなく 三船敏郎を使ったんだと思う

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タンバラライ

5.0岡本喜八と昭和の名優たち

2024年6月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波

監督の根底は反管理体制かなあ? 葵が菊に変わっただけと何度も高橋悦二さんに語らせたし、ええじゃないか、と踊る民衆のバイタリティが官軍と戦う姿。70年安保が背景にあったかもしれない。
そんな背景はさておき、エンターテイメントとしての作品の出来は良い。三船敏郎さんの持っている世界で、乗馬シーンは西部劇みたいでカッコいい。共演者は亡き方ばかりだけど、昭和の名優が勢揃いだ。これだけでも十分。
高度成長期のパワーを感じつつ、あれやこれや想いを馳せて懐かしい感じの作品でした。

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Bluetom2020

3.5赤報隊とええじゃないか

2024年4月5日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

楽しい

怖い

 江戸へ向かう官軍で赤報隊が結成。隊は年貢半減などとうたって民衆の支持を得る。百姓から隊員になった権三は、故郷に錦を飾ろうと隊長の赤毛を借りて、単身村に乗り込む。悪代官から年貢を取り返し、借金のカタに取られた娘たちを駒寅一家から解放するが。
 中盤までコミカルで痛快な展開。しかし赤報隊については何も知らなかったので、終盤のシリアスな展開に目を見張りました。革命に翻弄される民衆が、ええじゃないかと踊るのは悲しい。映画「ええじゃないか」より、もっとええじゃないか騒動の真実を描いていると思います。

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sironabe

4.0ええじゃないかの意味

2023年7月29日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

知的

話おもしろいと思うんです。
出演者も豪華だし。
しかしどうにも入りきれなかったのは
三船が役には年をとりすぎていたからかな。

最後のええじゃないかはまさに圧巻。
昔日本史で軽く習った程度だと
江戸時代のなんかよくわからんが
やけくそになってみんなハジケちゃった祭り?
なんて思っていたアホな自分。

大きく変わるんだぜヤッホウ♪
よくわかんないけどいいやいいや♪

それはまあ、たぶん合ってるとおもう。
でも生かさず殺さずにされてた
百姓たちの主張でもあったのだなあ。
ガンジーの無抵抗主義と通じるような
気もしちゃいました。

この映画でええじゃないかの意義を知った気がします。

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こまめぞう

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