赤毛

劇場公開日:

解説

「喜劇 駅前開運」の広沢栄と「肉弾」の岡本喜八がシナリオを共同執筆し、岡本喜八が監督した時代劇。「弾痕」の斎藤孝雄が撮影を担当した。

1969年製作/116分/日本
原題:Red Lion
配給:東宝

ストーリー

慶応四年、江戸に進撃する官軍の先駆となったのは、相楽総三を隊長とする赤報隊であった。赤報隊は東山道軍参謀から年貢半減令の旗印を与えられ、沿道各地の民衆を鎮撫して行った。百姓あがりの隊士権三は、次の目的地が郷里の沢渡宿と知るや許しを得て単身この地に乗込んだ。その頃、幕領沢渡宿は代官と結託した博徒駒虎一家に支配され、民衆はその圧制に苦しんでいた。赤毛の権三は卑きょうな駒虎から、年貢のカタに取られた娘たちを解放、つづいて代官屋敷からは年貢米を取返した。民衆に敬まわれ有頂点の権三、母親はそんな息子に不安を感じていた。その頃、この宿場には、官軍を阻止せんと幕臣たちの遊撃一番隊が町人に化けて潜入していた。彼らは意気あがる権三に居合い斬りの達人一の瀬半蔵をさし向け、駒虎は権三の恋人トミをまるめこんだ。一方、仲間を助けに行っている留守中に、官軍への献金持逃げやニセ官軍を吹ちょうされた権三は代官を詰問したが、うまくその場をかわされてしまった。民衆の支持を失った権三を励ますのは、真情を知るトミだけだった。権三は、本隊にこの旨を報告かた、三次ら四人を派して軍資金を送った。だが、ニセ官軍の汚名をきせられた相楽はすでに処刑されていた。三次たちを迎えたのは、東山道軍参謀を初めとする白毛をかぶった官軍だった。白毛隊は無残にも少年たちを斬りすてた。新しく支配者となった東山道軍参謀に年貢半減令や民衆の心などは邪魔だった。代官は遊撃隊に殺され、半蔵の恋人も彼らにより命を落した。半蔵は無理非道な官軍に怒り、権三に加担した。やがて、トミまでが非情な弾丸を浴びて他界、赤毛の権三は激しい怒りとともに荒垣のいる官軍勢に突撃していった。

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映画レビュー

3.5三船敏郎大暴れ。ちょい大袈裟か、とも思ったがまあ許容範囲。ラストが...

2022年9月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

三船敏郎大暴れ。ちょい大袈裟か、とも思ったがまあ許容範囲。ラストが切ない。官軍とは何ぞや?
えじゃないか、えじゃないか、えじゃないか。
BS日テレ

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はむひろみ

3.0赤報隊

2022年8月23日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

官軍が江戸に向かっているとき、先鋒として赤報隊が民衆を抑えていた。
これに加わっていた主人公(三船敏郎)は、故郷を目の前にし、単身乗り込む。
代官と博徒に苦しめられていた民衆を解放するが・・・。
結局は権力者の顔が変わるだけか。

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いやよセブン

2.5ひょうきんな役どころの三船敏郎

2022年8月21日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

王政復古により三船敏郎扮する赤報隊赤毛の権三は年貢が半分になると聞いてたまげた。しかし、生まれ故郷に戻ってみると相変わらず年貢の厳しい取り立てで村人が苦しめられていた。

三船敏郎主演作にしてはコメディ調で珍しくよくしゃべる権三で、方言丸出しでひょうきんな役どころだね。

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重

3.0寺田農が生き生きしている

2022年2月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

三船敏郎が見たくて、「七人の侍」、「待ち伏せ」に引き続きこの「赤毛」を見た。岡本喜八のいつものコメディタッチ満載の作品で、18歳の公開当時は面白く感じたが、52年経過して再見すると、大して感動はない。岡本喜八といえば「日本のいちばん長い日」のドキュメンタリータッチのほうが好みなので、「赤毛」のようないつもの演出は好きになれない。物語は、薩長土の「官軍」(実は岩倉具視や薩長のチンピラ郷士どもが結託して勝手に名乗ったもので、実体は賊軍中の賊軍なのだが)が、江戸に進軍するに際して、抵抗勢力の抵抗を削いで進軍しやすくするために、赤報隊を使って、「官軍」の行く先々でデマ政策を宣伝させ、挙句の果てに、赤報隊を偽官軍として殺し、赤報隊が宣伝した政策はデマであるとして官軍の政策をご破算にしたという史実を基にしたものである。この手の、いわゆる「官軍」の空手形はこれだけではなく、高杉晋作は、新政府は四民平等と約束してエタ・ヒニンを奇兵隊に募集したり、東海道で清水次郎長と抗争を繰り返していた黒駒勝蔵一家を新政府は今までの罪を不問として「官軍」に味方させ、役割終了後、赤報隊同様抹殺している。実に興味深い史実なので、コメディタッチではなく、橋本忍あたりに脚本を書かせて、「日本のいちばん長い日」のようなドキュメンタリータッチで描いたらもっと面白く歴史に残る映画となったのではないか。三船敏郎は、「七人の侍」の菊千代様の生まれ変わりにしか見えない。どうせなら、高橋悦治を「七人の侍」の官兵衛役に設定し直し、違ったストーリー、例えば、騙されたことを知った赤報隊・忠義の侍・農民連合軍と「官軍」との戦いをリアルに描いたら違った面白い作品ができたのではないだろうか。晩年は悪役に徹した寺田農が、やくざにしては博学の生き生きした若者として動き回っているのが見られたのは収穫である。

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hjktkuj
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