愛と死をみつめてのレビュー・感想・評価
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病院で花開いた儚い恋
吉永小百合扮する小島道子は、浜田光男扮する高野誠が浪人中に病院で知り合った。文通を続けながら2年ぶりにふたりは再会した。医者からは今の医学では回復の見込みが無い事を言われ、誠にお別れの手紙を書いた。誠は思わず道子に会いに行き、絶対に別れないと言った。道子は、顔が半分無くなる手術を決意した。
愛と死をみつめては、テレビドラマとか映画などで何度も観ているが、本作ではふたりの出会いのシーンとか色々と麗しい場面がカットされているので全体が分かっていないと理解出来ないかもしれない。でも全て吉永小百合でカバーされていると思うが、浜田光男はどの作品観ても軽い感じだね。いつも思うが、これは実話による話なので、筆者である河野実さん本人は、放映されたり話題になる度未だに大島みち子さんを思い出すんだろうね。
まことみこ
2020年10月3日
映画 #愛と死をみつめて (1964年)鑑賞
#吉永小百合 と #浜田光夫 の黄金コンビによる純愛映画
医者が病室で患者の目の前で煙草吸ってた!
そしてこの映画は脇がすごい!
父親が #笠智衆
患者に #宇野重吉
同室が #北林谷栄 #笠置シヅ子 #ミヤコ蝶々
#広末涼子 バージョンもあったな
正に愛と死を見つめてという内容です
3年間の400通もの文通を本にまとめたものを映画化したのが本作だそうです
だから現代人のすれた目からすれば、どうよと思うほどのベタなお話なんですが実話なんです
というか、こういうパターンお話の元祖なのでしょう
1963年の年末の出版で、翌1964年の年間ベストセラー第1位だったそうです
映画化されるわ、テレビドラマ化されるわ、レコードがでるわと一大ブームになったということです
有名な、♪マコ、甘えてばかりでごめんね~の歌は、本作でもテレビドラマ版でもなく、レコード会社単独の企画だそうです
吉永小百合が本作で歌うのは、大して記憶に残らない主題歌「愛と死のテーマ」です
しかし圧倒的にその青山和子の歌う大ヒット曲の方が、歌詞もメロディーラインも涙腺を直撃する力があり印象的です
その代わり、本作では中盤で「寒い夜」が劇中で歌われます
こちらは誰もが聴いたことがある良い曲です
歌詞も曲調も本作にマッチしていました
この曲は吉永小百合・和田弘とマヒナスターズのクレジットで1962年に発売され大ヒットした曲です
吉永小百合のデビューシングルで、その年の紅白歌合戦にも出場しています
だから、誰もが知るヒット曲を劇中の二人が普通に声を合わせて歌詞を見ながら歌うシーンとなっています
吉永小百合のヒット曲を、吉永小百合が演じる主人公が、吉永小百合のヒットであると理解して、吉永小百合当人が歌うという、ちょっと面白い趣向です
美人女優の顔を如何に美しく撮るか、それが映画の常道です
それが本作ではその主演女優の顔をまともに撮るのは数カットに過ぎません
序盤は左目に眼帯をしています
(綾波零は右目なので関連は?)
中盤になれば、顔の右側半分をガーゼで覆っています
一度はミイラのように包帯で顔が巻かれ、右目と口だけというシーンすらあります
なかなか大胆で勇気ある起用であったと思います
予告編によると吉永小百合本人の熱望によるとありました
しかし、その美人の顔が崩壊するという悲劇性が、吉永小百合が演じる事によって却って際立ち効果を上げています
終盤で父が買ってきたドレスを病室で着換えて、カーテンの陰から右半身だけ覗かせて、どう綺麗?と聞くシーンはなかなかに哀れを誘います
ミコが入院しているのは阪大附属病院です
当時はまだ中之島の近くにあったのですね
今は万博公園の北側に移転しています
屋上のシーンで見える中之島の光景からみて実際に現地ロケしているようです
建設中の阪神高速池田線が見えます
ただ病室の窓から、通天閣が見えたり、阪神百貨店やら阪急百貨店のネオンサインが見える訳が無いので、舞台が大阪であることを強調しているのだと分かっていても、土地勘のある人間は却ってここどこよと混乱していまいました
そう言えばこの病院が白い巨塔の舞台となります
映画「白い巨塔」は1966年公開、その原作小説は本作公開の1964年9月の時点では週刊誌に連載中でした
ちょっと面白い関連性です
遠距離恋愛だけでも、花火のように燃え上がるものです
メールもない時代、文通での手書きのやりとりは更に燃え上がるものかも知れません
3年間に400通の文通
つまり2~3日に1通という猛烈な頻度です
当時の事ですから、東京大阪間の長距離電話は3分でも数百円はしたろうと思います
貨幣価値が5倍は違うでしょうから、今の私達からするとあの電話1回で1万円くらい使っているというシーンです
それくらいの愛の熱量があった物語であるということです
しかも美人の顔半分が崩壊し、やがて死に至る病であるのだから、その苦悩は計り知れません
正に愛と死を見つめてという内容でした
難病に侵されても直向きに生きた女性を、若き吉永小百合が演じる日本版「ある愛の詩」
軟骨肉腫に侵され21歳の若さで生涯を閉じた大島みち子と大学生河野實との間で交わされた往復書簡集の原作を題材にした青春悲恋物語。62年の「キューポラのある街」と並ぶ吉永小百合の初期の代表作。彼女の明朗で健康的な個性が、難病に苦しむヒロインの健気さを見事に浮き出させている。共演は浜田光夫で、愛に正直であろうとする一途さは表現できているが、死に直面した恋人の絶望と対峙する青年の複雑さは、脚本も含めて描き切れていない。同系列のアメリカ映画「ある愛の詩」と比較して弱い点は指摘できる。
配役が豪華。主人公小島道子の父正次に笠智衆、担当医師に内藤武敏、患者中山に宇野重吉、さらに彼女と同室の女性患者にミヤコ蝶々、笠置シズ子、北林谷栄。この女性三人の会話が面白く、ある宗教団体についてざっくばらんに話すところなど生活感が出ている。
当時の病院内の描写が時代考証の点で大変興味深い。個室に小さな台所があり、来診の医者に患者がお茶でもてなしたり。何の遠慮もなく医者がタバコを喫うのは、今では驚愕である。道子が中山の洗濯物の手助けをして、他の患者の親族の嫉妬を買い、不条理な罵倒を受けるところが意外であり、面白い表現になっている。患者同士で助け合う当時の人間関係、主人公の汚れていない綺麗なこころ、それ故傷つく繊細さなど。
病院の屋上で二人が歌う「川は流れる」が印象的。映画のイメージにピッタリの素敵な曲です。病葉と書いて、わくらばと読む。小島道子の生涯は、艶やかな真緑の葉を一瞬にして赤い葉にした人生でした。
顔の半分以上が...
顔の半分以上が隠れ、片目だけ、方頬だけで表現するのは大変なこと。
自分が同じ環境にあったら、どうするだろう...と思う。「まこ」の立場でも、「みこ」の立場でも、耐えられない...。
サユリスト必見。美しい、美しすぎます。この時代の小百合様はもはや神...
サユリスト必見。美しい、美しすぎます。この時代の小百合様はもはや神。
難病が小百合様を襲うストーリー。可憐でいたいけな姿、美しい涙が胸に刺さります。
正直、相手が釣り合っていません。いや、釣り合う相手などいないのかもしれません。小百合様の絶対的代表作がないのはここらが一因なのかと感じました。
おい、こら、病院でいちゃつくなよとか、マコとミコという呼び方(ベコとりゅうちぇるを思い出し、うっとなった)とか、現代ではこそばゆくなる場面も多々あるが、ここは割り切って絶世の美を堪能しましょう。
私の中では「キューポラのある街」に次ぐ作品となりました。
ただ今回、TV放送が「現在の放送基準に合わせるために、内容の一部を修正しております」とのこと。これはいかんでしょう。作品はその時代を映し出す鏡でもあるのだから。修正箇所、気になる。まさか話まで変わってないだろうな!
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