不敵なあいつ
劇場公開日:1966年10月8日
解説
「日本仁侠伝 花の渡世人」の甲斐久尊と「涙になりたい」の石森史郎が共同で脚本を執筆、「涙くんさよなら」の西村昭五郎が監督したアクションもの。撮影は「帰らざる波止場」の横山実。
1966年製作/87分/日本
配給:日活
劇場公開日:1966年10月8日
ストーリー
都築浩介は組織暴力団式場組の一員であった。ある日幹部の藤岡が龍という殺し屋に狙撃されて死んだ。ボスの式場は直ちに部下の清二に藤岡の復讐を命じたが、清二は結婚を間近にしていて組をやめる決心をした矢先でショックだった。彼の苦悩を知った親友の浩介は式場を説得し、清二の役を自らすることにして清二を逃がしてやったが、数時間後清二と婚約者の死体が線路上に発見された。無残な仕打ちに怒った浩介はついに組を飛び出した。彼は流れ歩くうち、同業の流し熊五郎と知り合った。浩介はやがて食堂兼ホテルの黒潮亭に身を落着けて、流しに専念することにした。しかしこの街も港東会というヤクザが横暴をふるい市民は迷惑を蒙っていた。ある日浩介はクラブ・シーサイドで熊五郎が港東会の連中に袋だたきにされているのを見ると、鉄拳で彼等を叩きのめしてしまった。そこで浩介の正体が式場組のものとバレてしまった。彼に手を焼いた港東会の会長郷田は殺し屋龍に浩介殺害を命じた。二、三日すると熊五郎が一年前結婚を誓った恋人まゆみの居所をやっと探しあてたと、黒潮亭にとびこんできた。浩介はそこでもまた港東会と大乱闘を演じた。翌朝郷田から浩介を探るよう命ぜられたが、浩介に惚れてしまい郷田を裏切った千加の死体が岸壁からあがった。もう我慢もこれまでと、浩介は乱闘の帰りに受けた傷が癒えると熊五郎を連れてシーサイドに乗り込んだ。長い拳銃戦の後、港東会は屈した。間髪を入れず現われた式場組は浩介に組へ戻るよう頼んだが、彼に断られると彼等は黒潮亭の娘京子を誘拐し、浩介をおびき出して殺そうとした。しかし式場は突如現われた龍に撃たれた。そして龍は銃口を浩介に向けたのだが、その時、「兄さん!」と呼ぶ京子の声を聞いた。茫然とした龍は浩介をかばって、この時、式場の放った弾を受けた。京子は龍のペンダントを握りしめながら、ひとり寂しく去って行く浩介の後姿を、いつまでも見送っているのだった。