あゝ同期の桜

劇場公開日:1967年6月3日

解説

毎日新聞社刊の海軍飛行予備学生十四期会編『あゝ同期の桜・帰らざる青春の手記』を原作として四十七編の遺稿から、「虹をつかむ恋人たち」の須崎勝弥と「男の勝負」の中島貞夫が共同でシナリオを執筆し、中島貞夫が監督した。撮影は「任侠柔一代」の赤塚滋。

1967年製作/107分/日本
原題または英題:Diaries of the Kamikaze
配給:東映
劇場公開日:1967年6月3日

あらすじ

昭和十八年。全国およそ十万の学徒たちが学業半ばにして出陣の途についた。海軍二等兵として舞鶴海兵団に入団した、紅顔の若者たち、白鳥、半沢、福島、南条、不破、由井などが、出身校は別として同期の、新しい友情で結ばれた。昭和十九年二月、彼等は第十四期飛行専修予備学生として、少尉に任官した。敢闘精神一筋に鍛えられてゆく若者たちの日常は、白鳥の理想主義、由井の戦争への抵抗、不破の軍国主義、そして妻子ある南条の苦悩、滝の平和主義など、複雑な明暗の色に彩られていた。だが、目前は、訓練に続く訓練、歯をくいしばる彼等に攻撃精神の養成、そんなある日滝が脱走した。そして、日本軍のあいつぐ玉砕の報とどく頃、十四期生たちは、それぞれの専攻分野に分けられた。白鳥、不破、南条は、操縦として出水へ、半沢たちは偵察として徳島へ配置された。南九州出水海軍航空隊。学生八十人の分隊長は剣持大尉があたり、激しい訓練が続けられた。いよいよ同乗訓練に入り、ある日、白鳥機の後部座席に剣持大尉が乗った。この時、白鳥機に事故が発生、不時着に成功したが、剣持大尉は片目に重傷を負った。サイパン島玉砕。東条内閣崩壊--昭和十九年九月、白鳥たちは、東九州宇佐空に移った。或る日、南条の妻則子が、赤ん坊を背負ってやって来た。白鳥の協力で、赤ん坊にやっと会えたが、それは五分もない短かい時間だった。昭和二十年。フィリピン攻防戦が展開され、やがて一機一艦をほうむる特攻作戦がはじまった。十四期生の指揮官として陣之内大尉が着任、訓練は体当り攻撃に切りかえられた。そんな中に彼等と兵学校出との対立があった。若い血潮と運命の中にある青春の猛りと焦慮、そんなものの激突で、両者をいつもなだめ、さとすのが間宮軍医長だった。徳島から、由井、半沢たちがやってきた。そして、十四期生たちに最後の外出が許された。白鳥の母や妹礼子、南条の妻則子が、愛する人に会うためやって来た。しかし、特攻の初陣が発表され、南条は串良基地へ発った。その後を追うごとく、B29の空襲があった。由井が戦死し、不破が負傷した。やがて、白鳥たちも特攻基地、串良へ向った。そこには片目の剣持大尉がいた。そして南条もいた。特攻機故障のため、引返して来たのだ。白鳥たちは喜んだ。だが、松田司令以下、高級将校たちは、南条を腰抜けとののしっていた。また、そこの整備兵に脱走した滝がいた。憲兵に捕まった滝は廃人同様の姿で、おどおどと飛行場の片すみで働いていた。白鳥たちは何とかして滝を慰めようとしたが白鳥たちに出撃の命が下った。陣之内大尉以下出撃搭乗員三十余名が、南海の決戦場に飛び発っていった。昭和二十年四月だった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5戦争賛美映画? いいえ、反戦映画でした

2025年8月28日
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鑑賞方法:VOD

あゝ同期の桜

1967年6月3日公開、白黒映画

日本の戦争映画は、「日本のいちばん長い日」などがある東宝の8.15 シリーズが有名ですが東映も戦争映画を撮っています

1980年 二百三高地
1982年 大日本帝国
1983年 日本海大海戦 海ゆかば

上記の80年代の三本が有名ですが、60年代にも東映戦記映画三部作と呼ばれている作品があります

こちらの方が実は21世紀の今日にまで影響が残っている作品群であると思います

下記がその三本です

1967年 ああ同期の桜(本作)
1968年 人間魚雷 あゝ回天特別攻撃隊

1969年 あゝ予科練

本作はその最初の作品です1967年6月3日公開
東宝の8.15 シリーズの第1作「日本のいちばん長い日」も同年8月3日公開です
つまり、この年から多額の予算をかけた戦争映画が数年間毎年東宝と東映から公開されるようになったのです
一体どうして?
終戦後20年以上過ぎて、ようやく戦争が生々しいものでは無くなってきたからでしょうか?
復興を遂げ東京オリンピックを成功させ、国際社会にも復帰して高度成長真っ只中です
1970年の大阪万博はバラ色の未来を謳歌するものになると確信されていました
過去を振り返って、今日の平和と繁栄の有り難みを知ろうというものだったのでしょうか?

そして、戦後生まれ、空前のベビーブームでできた団塊の世代が20歳になろうとしていました
1947年が出生数のピークの年で、1967年はその戦争を知らない子供達が成人を迎えた年だったのです
彼ら、戦争を知らない子供達に、戦争を語り継ごうということだったのだと思います「戦争を知らない子供達」という歌は1971年の大ヒット曲です
その歌でも♪戦争を知らずに僕らは育ったと歌詞にあります
ですから、すべからかくこれらの戦争映画は反戦のメッセージを根底にして製作されています
戦争を扱った映画だから戦争を賛美した作品だと非難するのはあまりにも、表面的な見方だと思います
本作も根本にあるのは反戦のメッセージです

劇中でも歌われる「同期の桜」は超有名
21世紀生まれでもご存知の方が多いと思います
戦時中の本当の軍歌だとばかり思っていましたが調べてみると少し違っていました
1939年、昭和14年に発売された「戦友の歌(二輪の桜)」が元歌の替え歌なのだそうです
その元歌はヒットもしなかったものだそうですが、海軍兵学校の生徒が自分たちのこととして替え歌にしたところ、彼らの心情に大変合っていたので大いに歌われるようになり、さらには指導教官を通じて、航空隊だけでなく、潜水艦の部隊にもひろまったそうです
戦後は1961年に一度レコードになったようですが、やはりこの映画と連動したであろう1967年松方弘樹盤が大ヒットことにより世間一般にまで広く知られることになったものとおもわれます

物語は、戦後1966年に刊行された海軍飛行予備学生十四期生の遺稿集に基づく神風特別攻撃隊で戦死された方々の群像です
つまり同期とはもともとはこの海軍飛行予備学生の同期という意味であるわけです
第14期は1944年昭和19年採用です
本作の冒頭は1944年昭和19年10月21日に神宮外苑でおこなわれた学徒出陣壮行会のシーンからはじまります
満20歳の学生は軍隊に徴集されたことが紹介されます
海軍に配属された者は海軍予備学生ということになり、飛行科の予備学生は飛行機の操縦訓練をうけます
中には年嵩の学生もおり、妻が赤ちゃんを抱いて面会に来るのですが一目だけしか時間がないというシーンもあります
既にサイパンは同年7月に陥落しており本格的な本土空襲や沖縄への米軍侵攻は目前でした
反撃しようにも、海軍の戦力は既に尽きており、神風特別攻撃隊なるものが、同年10月から始まっていました

劇中、指導教官は「お前らは、消耗品だ」と学生達に言い放つのです
爆弾を抱いた飛行機を敵に向けて飛ばすだけの部品に過ぎないという意味です

「特攻隊に志願を希望する者は一歩前へ!」というシーンがあります
全員が即座に前に出るのかと思いきや、誰も出ません
え?とおどろいたあと少し間を開けて全員が前に出るという流れになります
これは監督の演出で、彼等が決して心から志願していたわけではなく、様々な葛藤を持っていたであろうことを表現していたのだと思います

ラストシーンは沖縄戦での神風攻撃です
猛烈な対空砲火の中、敵艦に突入する直前、映像はストップモーションとなり、
「その瞬間彼等はまだ生きていた」とテロップがでます
そして映像はまた動きはじめるのですが、特攻機は敵艦には当たらず海面に激突してしまうのです
「この時から僅か4ヶ月、戦争は終わった」とテロップが再度出て映画は終わります

特攻隊で死んでいった方々の遺書を読んで、その純粋な思いを深く尊重しても、それでも、どのように言い繕ってもなお、結局のところ、犬死にだったではないかとの主張だったと思います
これを反戦メッセージと言わずして、本作を戦争賛美映画だと批判するのはどうかしていると思います

戦争を知らない子供達の団塊世代に、本作の反戦メッセージは強く伝わったと思います

21世紀生まれの人にもそのメッセージは十分に伝わるものだと思いました

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あき240

3.0特攻隊

2020年8月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

学徒動員により召集され、海軍飛行隊に配属され、沖縄での特攻で散る。
松方弘樹、千葉真一、夏八木勲が新兵、先輩と上官を高倉健と鶴田浩二が演じ、藤純子と佐久間良子が花を添える。
彼らを死地に送り出した人たちはその後どうなったのかな。

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いやよセブン

3.0拘束。

2014年11月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

単純

エンターテイメントとして楽しめる。
太平洋戦争、学徒動員。
文系学生に対する下士官の対応は、嫉妬心丸出しではあるが、娑婆でノウノウとしている甘ちゃんという指摘は間違っていないだろう。今もそうだしね。且つての私も…。

ただ、甘ちゃんじゃダメなの?というと、そんなことはないだろう。
楽しく過ごせる時代、時間を、限られた生で享受すべし。

人は時代に拘束される。今の視点で是非を論じても…ね。
激流に呑まれた名もなき人々に合掌。

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Nori