いのちの食べかたのレビュー・感想・評価
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時折自分達の体の中には液体が巡っていて、食べるものも排泄するものも...
時折自分達の体の中には液体が巡っていて、食べるものも排泄するものもそれなりの水分を含んで流動的であるということを思い出す。液体燃料は輸送や取り回しの点で便利なために、効率の良いガスや値段の安い石炭などと比べて重要となるらしい。そんなことを思い出したのは、釣り上げられた牛の首筋が切り開かれて、血と体液が溢れ出す瞬間を見た時だった。
全く露悪的で無い取り方には衝撃を受けた。と同時に、その衝撃の中に批判するロジックを探そうとしているのに、それがうまく見つからない。ペットショップ批判然りで現場の人々を批判したり法令で禁止しようとしたところで、その根っこの問題は解決されることはない。また、屠殺という事実に限っていうなら人間が生きていくのに必要不可欠な行為であり、映像の中に映るシーンはそれを工学的に効率化した結果がこれであって、グロテスクさというのをきちんと見極めることは難しいものだ。
しかしそれでも批判されるべき点は存在する。現場の人々に押しつけて差別的な観念を強化するわけではなく、システムに対する考えを広げていけるように、人間が生きるために動物を効率化したように、機械が生きるために人間を効率化させられている事を問題提起できるようにありたいと思った。
【ドイツの食物大量生産を支える、生産技術バリバリの様々な機械や、大型重機が面白き作品。ドイツは食物安全基準が厳格なので、農薬は大丈夫だよね!】
ー 「食の安全を守る人々」や「フード・インク」は日本とアメリカの、現代食料生産の恐ろしき実態を描いた食物ドキュメンタリーであったが、今作は世界中の需要を満たすため、大規模に機械化されたドイツの食糧生産・管理の現場をありのままに、ナレーション一切なしに映し出している。
◆感想
・効率的な作業風景、穀物、動植物収獲の機械が観ていて、とても面白い。
ドイツの生産技術は半端ないなあ。
・まるで、工業製品の様に解体されて行く、豚、馬、鶏。
・ヒヨコの処理や、卵の分別も無駄がない。
・わずか数秒で解体される魚、巨大マジックハンドで揺すぶり落とされる木の実。
- あれも、ビックリである。-
<NHKの「ウルトラ重機」は、この作品から着想を得たのかなあ。
お姉さんがガムを噛みながら、手作業で無表情に豚足を切り落としているシーンは、妙に可笑しかったよ。>
食べて生きていると言うこと
淡々と農場における生産の作業を見せられる作品。
大量の食糧を必要?とする人間が牛、豚、鶏を増やし殺し製品とする。
BGMも無いため、工場内で居るような音の雰囲気はすごい。
これだけ殺して食べているのが罪深いとまでは考えないが、飽食の国と飢餓の国がある現実、命を大量に奪って生きる人間等考えると答えが出にくい。
監督の言いたいことは解らなくもないが、難しいテーマである。
屠殺シーンと解体シーンがあるため、グロ耐性ない人は観ない方がよいでしょう。
台詞なしの食に関するドキュメンタリー映画
食糧の生産者から消費者までの流れを撮影したドキュメンタリー映画。当たり前のように、毎日食事しているわけだが、食卓に届くまで、そして、いのちをいただいていることを忘れてはならないと感じた。私は、グロテスクと感じることはなかった。食育に、適していると思った。
偏向的
食糧生産の機械的、無機的な部分を映したドキュメンタリー。
映像に対する説明は一切ない。
しかしそれは「ありのまま」を見せているわけではない。
つまり映像という視覚情報を選別しており、中立的な映画ではない。
この手の問題を考えるにあたっては、
問題視されている事実(例えば機械化、無機化)のデメリットだけでなく、
メリットや必要性なども紹介したうえで、正しく理解することが必要である。
もちろんメリット等がないなら描写のしようがないが、
この手の話は、社会がそういう選択をしているという事実があるわけで、
何らかのメリット等があることが当然の前提になっている。
しかしこの映画は、およそ人が違和感を覚えるような絵だけを抽出して描写し、
逆にメリットや必要性、一般性を感じさせる絵を、
ないわけがないのに描写しないから、偏向的である。
にもかかわらず、中立を装っているところが質が悪く、
また、当然あるべき会話などのコミュニケーション部分のみを
排除して映像化しているため当然に違和感のある無機的な絵が出来上がるが、
その違和感を本件の問題点と錯覚させようとしているところも質が悪い。
この映画は、
典型的な印象操作の一例という意味で、
情報リテラシーの勉強にはなるかもしれないが、
命の食べ方を考えさせるには全く足りない。
異常に勘にさわる
食の現状を見せつけるだけ見せつけて、監督のスタンスを一切明かさない。
しかしこのようなドキュメンタリーを撮ったということは肯定的ではないだろう。
労働者の休憩風景まで撮影する意図もわかりずらいし、馬鹿にしてるのかと思う。
もっとスタンスを見せてくれたら良かったと思うが、自分の考えを明かさず問いかけだけしてくる作品。とことん頭にくる。
これを食っているのだ
消毒三昧の工場で作られる工業製品に見える食品加工の工程を淡々と見せられる映画。
鶏を生死不明の状態で箱に詰めこむシーンや豚を効率よく妊娠させて、大量の薬物で体調管理したり、自身の運命を悟ったウシの鳴き声など、嫌になる人も多いかも?
ただ、こうした命の上で成り立っている人間の都合と商売上の効率がこの仕組みを作っている。
海外の巨大資本による食による世界征服の一端を観た気がした。
淡々と"日常"を映し出す
「アース」のような世界の絶景や簡単に踏み入ることの出来ない秘境の地では無く、テレンス・マリック作品のようなフィクションによる究極の映画体験でも無い。
ときに残酷で、ときに美しいこの映像群はただ見えないだけの紛れもない世界の日常なのである。
ナレーションも音楽も一切を排し淡々と映し出されるその"日常"の光景に私達は衝撃を受ける。
今やいのちの恩恵を享受するだけに飽きたらず、いのちを操るすべさえ手にいれた人間は果たしてどこへ向かって行くのか…。
いつものように牛の喉を切り開き、いつものように掃除をして仕事を終える人を映しながら作品は静かに幕を閉じる。
作品を観てどう感じたか。
全ての答えは私達ひとりひとりのこれからにあるのだと言うことか。
何十年後、その時の世の中を思いながらもう一度観たい作品だ。
静か
説明もなく淡々と動物たちが工場で捌かれる様子や野菜の収穫の映像が流れます。
所々、何をやっているのか説明が欲しい部分もありました。
思っていたドキュメンタリーと違って本当に静かで、人によっては寝てしまうかも。
シュール
家畜や魚をさばく作業の様子を淡々と綴っているが、台詞がまったくなく、わかりづらい場面もあった。
どうやって大量にさばくかは知ることができた。
作業員が何の感慨もなさそうに家畜を処分し、普通に口にしているのがシュールだ。
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