パンズ・ラビリンスのレビュー・感想・評価
全45件中、1~20件目を表示
オープニングからして不穏
こちらのレビューを拝見させて頂き、グロいのかな…と、覚悟して観ましたが、意外と観れました。
ストーリー自体は面白かったものの、、目無しの怪物、キモっ!大ガエルのしぼんだのグロっ!よくあそこから鍵取れたな💦
あまり主人公に共感はできませんでした。
本気で現実から逃がれたかったら、注意事項は守るでしょう。
何故ブドウを食べちゃうの?
あれほどダメだと言われたのに?
妖精達があんなに止めてるのに??
結果、妖精達食べられちゃってるよ。
死んじゃった妖精達のことを悲しんだりもしてないし。
激痛表現や拷問のシーンもあり、痛々しいです。
パンはなんだか白い悪魔にも見える。
やりきれない感じもありつつ、それでもちゃんと悲しんでくれる人がいて、良かったね。
魂だけは王国に行けたのかな、と思いたい。
殺されちゃったお医者さんの
「何の疑問も抱かずただ従うなんて、心無い人間にしかできない。」
この言葉にだけ、強く共感した。
強烈な反戦・反権力映画
メルヘンチックなファンタジー映画かと思ったら、とんでもなかった。すごい作品だった。
本作は、強烈な反戦・反権力映画である――と僕はとらえた。
悲痛だが美しいラストにこころ震えました。
過酷な現実と満たされた異世界
幸福感に溢れた幻想と死ぬゆく現実。過酷な現実で怯え続けるより、満たされた幻想で最期を迎えたオフェリアは幸せだったのだろうか?
3.7ただのファンタジーではない
ただのファンタジー作品ではなく、現実世界の戦争、残酷さなどがちょうどいいバランスで組み込まれた良作。雰囲気もよく、シェイプ・オブ・ウォーターよりもかなり見やすかった気がする。
もう少しファンタジー冒険要素が見たかった。
敵もちゃんと悪いし、キャラが立っていて好きだった。
ぶどうふた粒食べたときは流石にイライラした。
最後まで飽くことなく
魔法やそれを使う妖精、不思議な地下世界、言い伝えなどのファンタジーの基本的な要素が軸となっている作品だがかなり胸糞な展開の多い内容になっていて、序盤に妖精から「与えられる3つの試練を乗り越えられたら地下世界の王女としての権利が与えられる」と言われた主人公がなんとかそれを叶えるために奮闘するも上手くいかず、最後には自分の父親の手によって殺されてしまうというバッドエンドを迎えることになる。妖精も悪巧みをしていて主人公の周りには味方がほとんどいないが、言い伝えは本当で結果的に彼女は一国の王女になることができる。多くの場合死は悲しみに満ちているが、この作品では死を経て、血を分け与えるという行為に肯定的であるのが特徴だ
怖くて悲しいファンタジー
最初からずっと不穏な空気が漂い、
具合の悪そうな母(しかも妊婦)はいつ死ぬかハラハラするほど、顔色が常に悪い。
義父は人をビンで殴り殺すほど残忍な軍人で
常に屋敷は湿ってて、暗い。
こんな環境でオフェリアが幻想に逃げるのも無理ないけど、本当に幻想なのかな。
子どもがただ単に辛い現実から逃れたくて考えた幻想にしては、説明のつかないこともある。
物語のいろんなところに伏線がはられ、綺麗に回収しながら進むストーリーは本当に見応えがあった。
あの、目無しの怪物はめちゃくちゃグロテスクで、いい感じでした。
私は本当にオフェリアが3つの試練をクリアして、地下のお姫様になれた方に賭けたい。
地下の妖精たちは、トトロと一緒で、いろいろなことを経験してしまった大人には見えないものだと、思いたい。
そうじゃないと悲しすぎるから。
ブドウをつまむな
1944年、フランコ独裁政権下のスペインで、少女オフェリアは内戦により父を亡くし、母の再婚相手・ビダル大尉に引き取られた。森の中の軍の砦に移り住んだオフェリアは、冷酷で残忍な義父から逃れたいと願い、昆虫に姿を変えた妖精に導かれ、迷宮へ入った。すると迷宮の守護神パンが現われ、オフェリアこそが魔法の王国のプリンセスに違いないと告げた。彼女は王国に帰るための3つの試練を受けることになるが・・・という話。
第二次世界大戦中のスペインで、こんな内戦が有ったことを知らず、本作は大変勉強になった。
ヒトラーだけじゃなく、フランコも同じような事を自国民に対してやっていたのかと思うと、戦争ってなんなんだろう、ってつくづく考えさせられる。
ファンタジーも有り、残忍な殺戮シーンも多く、面白かった。オフェリア、ブドウをつまむな、って思ったが・・・
最後はオフェリアまで殺され、切なかった。
オフェリア役のイバナ・バケロは可愛かった。
とんでもないポスター詐欺
これほどまでにポスター詐欺な作品も珍しい。
少女が頑張るキラキラファンタジーかと思いきや、ラストまでとんでもない鬱展開だった。「ミスト」の次くらいにひどい。
それでもこの映画が不快ではないのは、主人公オフィーリアの最後の選択が尊いからだ。
例え酷い男の子供であっても生まれたばかりの弟に何の罪もない。父親のことは名前すら教えられなくても、勇敢な姉のことは伝えられているといいと思う。
平和な世の中を夢みて
むか~し昔のお話です
から始まるお姫様のものがたり
可愛いファンタジーものと思ったら
まるっきり反対の
独裁的な背景の話だった
でも映像が凝っているので
引き込まれていく
15年以上前の作品なのに
古さを感じなかった
お姫様に戻るための試練が…
カマキリみたいな妖精
ダークな世界のファンタジー
武装兵力との戦い
…なぜこのファンタジーと
リアルな世界を描いているのか
よくわからなかった
アンネの日記を思い出した
迫害を受けていた時に
その苦しみから逃れる為
妄想で綴られた日記
これもそういったことなのか
嘘や争いのないお城を抜け出し
光が降り注ぐ地上に…憧れて
…でも地上は
嘘や争い事で人が死んでいく
地上は生きやすいところ
ではなかった
平和な時を過ごしていると
何か私欲を求めて
…独裁者が戦争を起こす
それの繰り返し
平和なお城に帰りたかった
お城に帰れなかったお姫様の
…お話です
平和な世の中に
…生まれたかった
オフェリアが
産まれてくる赤ちゃん
に未来を託す言葉が印象的
余談…
大尉がナチスの
ヒトラーに何処となく似ている
中毒性のある恐ろしい映画。
普段ホラー映画はエグい描写が無理で見られないのだけど、こちらも同じくらい恐ろしいシーンが多く、チキンには見るのが辛い物語。
冒頭から心臓が止まりかけた。
ダークファンタジー怖い オェェェェ
それなのに、吐き気を催しながらなんとか最後まで字幕で見た後、解釈を考えて理解し直すためにまた日本語吹き替えで見直してしまった。
永遠に抜け出せないラビリンスのループ。
そして降参してそっと封印したのに、さっきまた見てしまったので、もう潔くレビューを書くことにした。
何が怖いって、こういう現実が実際にあって、今でも同じ苦しみを持ちながら、想像や空想を頼りに何とか命を繋いで生きている幼い子達がいることをリアルに感じてしまうから。
映画はどこまでもエンタメであってほしいっていう生温い考えを、何度もピストルで撃ち抜かれた。
登場人物が何かのメタファーで、とか空想オチで、当時の内戦がどんなもので、とかいろいろな情報や考察を読み漁って、一周したところでなんとなく私なりの答えが見えた。
想像や妄想や空想は鏡のようなもの。
どっちも本当で、どっちの世界でも生きている。私もそんな子だった。
大人には見えない、というより他人には絶対理解されない。されるはずもない。
あっちとこっちの世界を行き来している訳ではなくて、その全ては現実としてパラレルワールドのようにどちらも存在している。
無いのではなく、確実に「ある」のだ。
自分だけの中に。
生死にこだわってしまうと、最期のシーンはただただ可哀想な主人公に見えるけど、そんなものは超越して魂レベルで見る成長物語なのかなと。
輪廻転生があるなら。
来世では王女として争いのない世界に生きられているはず、だよね。
それだけの強い強い思いが彼女にはあったから、必ず願いは叶う。
そう思わないととてもやっていけない。
今現在、争いのない場所に生きていられることだけで幸せなのに、なぜ時々不幸を感じてしまう必要があるのか考えさせられる。毎回。
きっとまた見るんだろうな。オェェェ
大人のダークファンタジー
作品の時代背景がスペイン内戦中ということもあって、全体的に不穏な空気がただよっている。
登場するキャラクターはどれもグロテスクで、少女の無垢な雰囲気とのコントラストが癖になる。
オフェリアが導かれた王国は、現実逃避的な妄想なのか、それとも本当に私たちの知らない地下深くに存在するのか。
どちらともとれるだろうし、結末についても、オフェリアの夢落ちと考える人もいるだろう。
現実世界に希望を見いだせないオフェリアにとっては、夢の世界で生き続けるほうが幸せなのかも。
作品の疑問点は、
①ペイルマンと出会った部屋で、なぜ妖精は本当の鍵穴とは違うほうを指さしたのか。
これは妖精のいたずらとも考えられるが、それにしては意味深な気も……。
②なぜ彼女はブドウを食べてしまったのか。
あれだけパンに忠告されていながらなぜ?もしかすると内戦中で新鮮なフルーツを食べる機会が減っていたのかも。
③メルセデスが言っていた「パンに気をつけろと母が言っていた」とはどういう意味か。
メルセデス(もしくはその母)はパンに会ったことがあるのでは?最後のシーンで、オフェリアの部屋の壁に描かれたチョークの扉を見て真っ先に王国の入り口である遺跡に向かったのも納得。
弟がいるという共通点もある。
メルセデスは自身が王国に行くために最後の試練で弟を差し出そうとし、それによって王国へ行くことができなかったのでは?
あまり軽い気持ちで見ると、結構ぞっとさせられる。(特にペイルマンとか)
大人のダークファンタジー。子どもにはちょっとはやいかな。
耐え難い現実があるからこそ、幻想が生まれる
2022.84本目
苦しく、残忍で、超現実的で、それでいてどこか幻想的で美しい映画。大好物だった!
だいたいのあらすじ自体は知っていたし、ジャンルは「ファンタジー」なので、「3つの試練や、王国の中での話がメインなのかな」と思っていたけど、
実際は現実の部分(両親とのやりとりや内戦の描写)がメインになっていたのに驚いた。ファンタジーはファンタジーでも、現実の部分をこれでもかと見せてくるファンタジーだった。
なんだかんだで1番印象に残ったのは、医者のおじいさんの、
「何の疑問も抱かずひたすら従うなんて、心のない人間にしかできないことだ」
というセリフ!死に際も美しく、カッコよく見えた!
残忍で人の心を持たないような人間ばかりがこの映画に出てくるので、より一層このシーンが輝いて見えたのだと思う。勇気をもって自分で正しい道を選択した彼が、とてもカッコよかった。
と、今書いていて思ったけど、
オフェリアの3つめの試練の選択も (弟を犠牲にしなかった)勇気のある選択だったな。
過酷な現実の中で、勇気ある選択をすることはとても難しいし幻想に思えるけど、美しい。
グロテスクな描写やモンスターにばかり話題や印象がいきがちだけど、オフェリアやメルセデス、医者の内面の美しさや輝きにもっとスポットが当たるべきだと思う。
一応ファンタジー映画なのに、お母さんやメルセデスから「人生はおとぎ話じゃない」と何度も言われるのも印象的だった。
耐え難い現実があるからこそ、幻想が生まれる、幻想が輝く。
これが真のファンタジー映画か、と妙に納得した。
学生時代に観なくて良かった。
初めての鑑賞。試練をこなしていくごとに良くない方へとどんどん進んでいく感じが観ていて落ち着かない。
オフェリアの行動は純粋な気持ちから来るものだと分かるからこそ物語の残酷さが目立つ。それは「縞模様のパジャマの少年」を観たときと同じような気持ちにさせる映画であり、見終わったあと私にこの映画を思い出させた。
パン、ペイルマンの見た目、冷酷非道な義父、母親の死、衝撃のラストを考えるとこの年齢で観てよかったと心から思う。もう少し若いときに観ていたら私はどうなっていただろうか。
あのラストについては色々な意見が有るが、私は“王国に最後行けた”と思うことにする。そうでなければ救いようがないからだ。
すっきりしない
オフェリアがどうしても好きになれない!!!
オフェリアが白いチョークで扉を書き、その中に入っていった時に怪物がいるんですが、その怪物がすごく長い机に座っていて、その机にはたくさんのフルーツが置いてあります。その世界のものは何一つ口にしてはいけないと忠告されていたにも関わらず、その中のぶどうをバレないだろうと二粒食べてしまいます。妖精たちに注意されたにも関わらず。
そこからオフェリアには嫌なことが続きますが、泣いても喚いてもざまあみろとしか思えません。死んで生成です。
ここまでを踏まえて、全部少女の妄想だったのかもしれませんね。難しい。
王女様
おとぎの国へ迷い込む話との前情報から想像するものとは全く異なり、こんなにも主人公に救いのない話はそうないと思った。少女が少しでも想像の世界に助けられて、生きているうちに幸せそうにしている姿を見たかったと最初は思ったが、残酷な現実を生きる少女が逃げ込む想像の世界はやはり厳しく異形蠢くのものであり、夢らしさはせめて王女様と呼ばれてかしずかれるくらいのもので、真の幸福は想像することすらできないのがリアルなのかもしれないと、あとになって思った。製作者はそんな果てしない闇を描きたかったのだろうかと思う。
ギレルモデルトロ監督恐るべし
この映画はダークファンタジーというジャンルなのでしょうか。だったら私はダークファンタジーは嫌いです(ファンタジー映画は大好きですが)
メルヘンタッチで残酷な映画を作ってはいけません。映画の出来としてはよかったのに、最後に少女を死なせてしまうのは残酷すぎます。
このタッチでこの少女なら、普通のメルヘン映画を作ったら、結構すばらしい作品ができたのに、残念です。
あと、ポスターで人を騙してはいけません。基本的に予備知識なしで見る私としては、ポスターが見るかどうかを判断する材料の1つです。このポスターを見たら、「不思議の国のアリス」やグリム童話、あるいはディズニー映画のような親子で見られる楽しい映画を想像してしまいました。
ディズニーよりもずっと真のファンタジー
①ファンタジーとは厳しい現実の対極にあるものということを、ファシズムの黒い雲に覆われた第二次世界大戦中のスペインを背景に描くGillelumo del Toro監督の傑作。②オフェリアの体験する不思議の世界は彼女の空想の産物か、それとも人間(特に大人には)には見えないが実在する不思議の国か、境界が曖昧に描かれているところが素晴らしい。オフェリアは転生した現し身の人間の肉体を離れて地下の魔法の国に帰ったのか、事切れる前に最後に見た夢が観るものの判断に任せるラストには涙が出た。③ペイルマンの造形は傑作。
独特な世界観
いつもの如く予備知識が殆ど無い状態で鑑賞したもので、ジャケットの雰囲気と内容の違いにかなり驚かされました。
戦争とファンタジーが融合した独特な世界観もクリーチャーのデザインも秀逸ですね。
このお話は、自分の望まぬ状況におかれてしまった本好きで夢見がちなオフェリアの妄想なのか、それともオフェリアは別世界の王女様だったのか?
どちらにも取れるラストでしたが、自分はあのファンタジーな世界はオフェリアの幻想のように思えました。
その上で“オフェリアが王女様として国に帰れた”と願いたい…
そんな気持ちにさせられた作品でした。
全45件中、1~20件目を表示