劇場公開日 2007年10月6日

パンズ・ラビリンスのレビュー・感想・評価

全144件中、41~60件目を表示

4.0【辛い辛い時代を生き抜くための御伽噺。無垢なるモノの命を守るために、少女が行った事をファンタジックに描いた作品。】

2021年12月1日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

ー 今作は、見る人によって、感想が異なる作品であると思う。
  だが、主人公の少女、オフェリアの行いは心に残る作品である。-

■今作の舞台は、1944年フランコ将軍の軍事独裁政権下のスペインである。

 ・少女、オフェリアの母カルメンは、仕立て屋だった夫が亡くなり、冷酷なビダル大尉の妻として、戦地に連れられる。勿論、オフェリアも・・。
 - 当初から、ビダル大尉は、カルメンもオフェリアも眼中になく、カルメンのお腹にいる、彼が男児と信じている子供の事しか、気にしていない事が、随所で描かれる。-

 ・そんな辛い境遇の中、オフェリアは、謎の地下への道を見つけ、そこで彼女の守護神であるというパンと出会う。パンは彼女が地下の王国の姫である事を証明するための幾つかの試練を与える。
 ー これは、個人的な感想であるが、パンも地下世界も、辛い日々を生き抜くためのオフェリアの創造の産物だろうと、想いながら鑑賞した。-

 ・ビダル将軍に仕えながらも、実はレジスタンスに協力していたメルセデスや医師達の体制に抗う姿。

<オフェリアは、母の容態を気遣い、マンドラゴラの人形を母のベッドの下に置いたり、懸命に生きようとする。
 だが、レジスタンスの抵抗に会った、ビダル大尉の行為は残虐で・・。
 母が命を懸けて産んだ子を、逃がすために逃げるオフェリアに向けた銃口。
 そして、彼女の現実の姿と、地下世界を支配する”王”がオフェリアに告げた言葉
 ”無垢なるモノのために血を流す、王国の王女として相応しい・・。”
 哀しきファンタジーであるが、秀逸な作品である。>

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NOBU

5.0圧倒的な暴力の中で活きる様を描いた傑作

2021年10月27日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

怖い

拷問や殺人などが満載ですが、グロい場面はありません。
さわりだけ見せる。それが半端なく怖い。
 暗示・ちら見せ。そして間。常に、いつ暴力が始まるのか、なんでもない場面でさえハラハラドキドキ。凍り付いた緊張感の持続…。

ハッピーエンドか、バッドエンドか。評価が分かれている。

ファシズムが横行する世界。人物造形は単純に絞りこんでいる。スペイン内乱の背景などは割愛。
 力のみを信じて生きる者。
 その力にすがったり、長いものに巻かれろ的に生きる者。
 反抗する者。

そんな大人たちの中で生きる子ども。
 ダ―クファンタジーの世界は子どもが創りだした空想なのか、
 大人が現実としているもののすぐ側に開かれている異世界なのか。
現実は徹底的に容赦なく。
かといってファンタジーが甘く切なくかというかとそうでもない。そもそもパンは味方なのか、オフィリアを騙す悪魔なのか。そこもハラハラドキドキ。

何が正しくて、何が幸せに繋がるのか、常に惑わされる世界。
心の正義に従えば命の危険にさらされるし、命大事とすれば心を喪う。
これこそがラビリンス。

その表現力があまりにも見事で”ダークファンタジー”に分類されるが、果たしてそうなのか?

 役者・演出・映像・脚本・音楽すべてすばらしい。
 その中でもとくにビダル大尉を演じられたロペス氏(映画ごとに印象が違う)。

異世界の場面も、子どもの周りの大人たちの動向をもしっかりと描き切ったことで、上質の作品になった。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

ここではファシズム下の物語だけど、
虐待やいじめを受ける子供達の世界ってこんなんなんだろうなと思った。

 虐待を受ける子供達は解離する、白昼夢を観る、嘘をつくって言う。
 虐待の外に生きる私達にとってはファンタジーだけど、その中に生きる子供にとっては生き残る為に必要な現実。
 そんな状況から目を背けていいのか、自分に問うてしまう。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

たくさんの大人に観てもらいたい。
でも、子どもには…、異世界部分だけ編集して見せたいかなと思う。

けれど、子どもに見せたくない現実って…、そんな世界を失くしたいと誓う。

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とみいじょん

0.5暴力シーンが駄目

2021年10月11日
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何だかんだで子供向けなのかと思いきや、結構残酷なシーンがある。内容も興味をそそられなかったので飛ばし飛ばしで見た。ラストも後味が悪い。苦手な映画だった。

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岡田

4.0パンは牧羊神

2021年8月16日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

2021年8月16日
映画 #パンズ・ラビリンス (2006年)鑑賞

スペインのフランコ政権下のレジスタンス掃討の駐屯部隊を舞台に、現実とおとぎ話が混在した作品

#ギレルモ・デル・トロ 監督らしいダークファンタジーな作品です。

あのヌメっとした感触、触りたくない虫、唇を縫うシーンとかサイコーにキモ

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とし

4.0ダークファンタジー

2021年7月9日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

妊娠中の母親の再婚についてきた少女が主人公。
スペインの内戦が終わり、フランコ政権がスタートした頃、継父はゲリラ掃討のため地方にいた。
主人公は守護神や妖精と出会い、ある任務を指示されるが・・・。
ホラーに近いダークファンタジーだが、話運びやデザインなど、とても好きな作品だ。

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いやよセブン

2.5ギレルモデルトロ監督恐るべし

2021年7月2日
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ジョニーデブ

3.5現実とファンタジーの中間を描く鬼才の名に恥じぬ作品

2020年8月10日
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悲しい

怖い

興奮

ギレルモデルトロの作品を初めて鑑賞したが、鬼才と呼ばれるに値する作品であった。
1940年代のどこかでありそうな歴史ものに空想世界のファンタジーを織り交ぜることでこうも独特な世界が作られるとは。

ありそうでなかった世界観に適切な表現が見つからないが、こういったストーリーテリングがあるのだと知れて満足である。
シェイプオブウォーターも見たくなった。

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tiso jack

3.5グロテスク美学に一目置くファンタジー

2020年5月19日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

1940年フランコ政権下のスペインの片田舎を舞台にしたダーク・ファンタジーの異色作。スペイン内戦のリアリズム表現と少女が空想する幻想世界の特殊撮影が同時進行の物語として描写されていて、大変含蓄のある内容を持っている。だが、主人公の養父で大尉の残忍性過剰表現、少女の弟への自己犠牲愛、牧神から与えられる三つの試練の存在理由など、描写不足が残る脚本が残念でならない。物語の核心に到達していかないのがもどかしい。ラスト、少女の純粋無垢な映像美にスペイン映画の美点を再確認するものの、観る者に与える感動は、もっと深くすることが出来たのではと思わせてしまう。素晴らしいものと欠点が同居した映画。グロテスク美学のさらなるカタルシスを望む。

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Gustav

5.0ディズニーよりもずっと真のファンタジー

2020年4月6日
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もーさん

4.0なるほどこれは傑作

2020年4月4日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ドン・ウインズロウが「ザ・カルテル」で登場人物に語らせていたが、メキシコ人が誇りに思う傑作だと。ギレルモ・デル・トロ。天才。グロさが万人受けしないけど。

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くーにー62

4.5生粋のオタク監督、ギレルモ・デル・トロが撮り上げた大人のためのダー...

2020年3月9日
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鑑賞方法:映画館

生粋のオタク監督、ギレルモ・デル・トロが撮り上げた大人のためのダーク・ファンタジー。物語の舞台は1940年代、フランコ将軍の独裁政権下にあったスペイン。自由を抑圧された人々が、独裁政権の恐怖に怯えて暮らす中で、主人公の少女も母親の再婚によって、目をつむりたくなるような現実世界と直面する。

そんな時、少女の目の前に妖精の王国の王女だと主張する妖精が現れるのだが、果たして少女が見たのは幻想なのか、それとも…。というのが物語の骨子だが、デル・トロが作り上げた世界観はとても美しく、怪しく、そして切ない。

何より着目すべきは、そのストーリーテリングの巧みさ。おどろおどろしいビジュアルに目を奪われがちだが、観客を幻想の世界に誘う語り口は見事だし、伏線の張り方も素晴らしい。アカデミー賞外国語映画賞に輝いたのも納得の1本だ。

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senden_daddy

4.0独特な世界観

2019年5月14日
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刺繍屋

4.0ダークファンタジー

2019年3月5日
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鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

知的

ギレルモ・デル・トロ監督のスペイン語作品。
今となっては、他の3人と並んで、メキシコフィルムメーカー時代を築きつつある、ギレルモデルトロだが、この当時にも圧倒的な芸術センスを見せている。

まず第一に目に飛び込んでくるのは、クリーチャーたち。とても独創的で、どこからその表現を思いつくのか想像もできない。ただのファンタジー映画ではないのが、デルトロ作品の特徴。ディズニーやワーナー・ブラザーズなどの世界的にも多くのファンを集めているファンタジー映画を連想させるような、キャラクターやプロダクションデザインは多く見られるが、それらを使って進んでいくストーリーが全く違う。ファンタジーと言われると、子供でも楽しめる、ヒーローズジャーニーのようなシンプルなストーリーラインに落ち着きがち。デルトロ作品はファンタジー要素やテイストを主役に使いながらもストーリーはもっとダークでディープな方向へと向かっていく。今作でもそう。内戦後のスペインを背景に少女の冒険と、反乱軍と独裁政権との争いを描いている。少女が冒険するファンタジー世界と少女のイノセントさを皮肉的に扱い、実際の世界の歴史や実情を描くのが本筋です。

最近、アーティスティックステイトメントを書いたのだが、私のスタイルの特徴に、超現実と現実との間のギャップを使った映画体験の提供をあげたのだが、まさにデルトロ作品はそれに通じる。私のストラークゾーンのど真ん中からは外れるのだが、この大きなギャップに視聴者が主体的に自分の価値観を反映させる余地がある。この作品を見終わった後に、ファンタジー要素を素直に楽しんだ自分と、テーマやストーリーに眠るダークさに尻尾を引っ張られているような感覚にもなる。オフェリアはなぜパンズラビリンスにたどり着けたのか、ヴィルダ大尉を突き動かしているものはなんなのか。ヴィダル大尉はオフェリアにどのような影響を及ぼしているのか。メルセデスが求めるものはなんなのか。このように全てのキャラクターをつなげるアクションのトリガーとなっている事柄がその当時の歴史的背景だったり、普遍的な大きなテーマだったりに関わってくるからただのエンタメ映画ではない。

実際、私も見終わった後には、その疑問にまだ答えを出せておらず、あまりこの映画を好きになれませんでした。しかし、このレビューを書いているうちに、この映画のポテンシャルに触れるだけの時間が取れて、どんどん好きになっているところです(笑)。2時間で終わる映画ではなく、そこから視聴者の頭の中で繰り広げられていくこの映画の中身を味わえるような映画なのです。

それにしても、メキシコ四天王やばいな。只者じゃない。作る作品も只者じゃない。一見では消化しきれない毒物的なものを感じる。

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vary1484

4.5パンていう見た目が悪魔な王国の従者から3つの試練を与えられるオフェ...

2019年2月1日
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パンていう見た目が悪魔な王国の従者から3つの試練を与えられるオフェリア。

メルセデスあの時ヴィダル口裂けにするだけじゃなくてブッコロせたんじゃないかと思っちゃったけど、ストーリーもビジュアルも全部良かった。痛そうなシーンは全部場面転換カットで事後にしてる。マンドラゴラや宴モンスターの造形はかなりキモかった。

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collectible

4.0恐怖の口裂け男!

2018年12月3日
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kossy

1.5普通の映画

2018年11月4日
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主人公が言いつけを守らずぶどう食べ始めて、その行動に意味があるのかと思ったら「ぶどうふた粒なら平気と思ったの」って…
ハア?って感じ。

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承太郎

4.0すすめてもらってよかった

2018年10月7日
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ゆきこ

4.0容赦がない

2018年9月25日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

怖い

ファンタジー要素が、えげつなさ過ぎて女の子が可哀想になって来る。

当然現実でも非常に辛い思いをしており、逃避先の世界があんな薄気味悪いところで泣きっ面にハチである。

描写のグロテスクさ容赦なさにかけては中々比肩するものがないであろう

映画で、映画に慣れている人でも顔を思わずしかめてしまうシーンが

多々ある。一番有名な「目無しの怪物」が出て来るところは

この映画を象徴する名場面であろう。

思うにファンタジー部分も陰惨として気味が悪いのは

残酷で身勝手な人間が考える空想もやはり、本質的には暗く救いがない

ことの証左なのではないか。ラストのシーンも一見輝かしい、死の淵の

甘美な夢のようだが、度々それとは対照的な無残に這いつくばる女の子

のカットインで現実に引き戻される。ファンタジーがより、生々しい現実を

浮かび上がらせるのだ。

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shosho5656

2.0グロめ。血がお好きな方に。

2018年7月15日
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血を流すシチュのバリエーションと工夫が執拗でした。
そんなトコロがスペイン産?

映画としてはスキがなく面白いのは確か。
でも、どの辺の感覚で消化するかによって評価は天地なのかも。

私的には、ファンタジーがどうのというお皿には乗せられませんでした。そんな時代があったという社会の授業中に、居眠りして見た不可思議な夢とでもいうところ。かな。

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ジャム太

4.0ガトーショコラ

2018年7月4日
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鑑賞方法:DVD/BD

始めは時代背景が分からなかったので、一時停止でググってから再生。
心の痛みも物理的な痛みもてんこ盛りのかなりダークな内容。
ファンタジー要素があることで現実の無慈悲さを一段と際立たせている。
ずしっと重いガトーショコラみたいな映画で未だに忘れられない。
また観たくなる不思議。

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チンプイ