劇場公開日 2007年10月6日

「容赦がない」パンズ・ラビリンス shosho5656さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0容赦がない

2018年9月25日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

怖い

ファンタジー要素が、えげつなさ過ぎて女の子が可哀想になって来る。

当然現実でも非常に辛い思いをしており、逃避先の世界があんな薄気味悪いところで泣きっ面にハチである。

描写のグロテスクさ容赦なさにかけては中々比肩するものがないであろう

映画で、映画に慣れている人でも顔を思わずしかめてしまうシーンが

多々ある。一番有名な「目無しの怪物」が出て来るところは

この映画を象徴する名場面であろう。

思うにファンタジー部分も陰惨として気味が悪いのは

残酷で身勝手な人間が考える空想もやはり、本質的には暗く救いがない

ことの証左なのではないか。ラストのシーンも一見輝かしい、死の淵の

甘美な夢のようだが、度々それとは対照的な無残に這いつくばる女の子

のカットインで現実に引き戻される。ファンタジーがより、生々しい現実を

浮かび上がらせるのだ。

shosho5656