「2」キャンディ くるまやさんさんの映画レビュー(感想・評価)
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二人はもう恋に落ちていた。
だからどんな出会いに導かれたのかが気になる、
それが物語りの理由であるべきだったと。
それともそれもどこかに隠されていたのかも
私にとっては「描きたい絵」を描きたかっただけに見えて、
だからその分、柔らかなひかりがとても優しく、
何も残さないようにふわりと過ぎていくひとつひとつのシーンが
琥珀色の香水のように後姿を残していきました。
二人の間にあった愛のことは、
体温を感じるくらいに伝わってきて、あの昼下がりがほしくなる。
男の人の長い腕や肩幅と、女の人の華奢なウエストや白い肌、
どんなに自堕落で救いようのないほど惨めでも、
その美しさはずっと、画面に溢れてた。
今の私はちょっとおかしいので
ダンがいつショックガンで頭を打ち抜くのかと、
そればかり待っていたのだけど、
最後まで生き延びたのはダンだったから少し驚いた。
でも二人とも生きていてよかった。
死んでしまえば何もない。苦しみのない世界の誘惑は甘く憧れるけど、
誰かと思いあう、その温かさを知っていれば生きていける。
かもしれない。かも。
「堕す」ことへの認識の違い。
でもあんなの悲しすぎる。
悲しみでしか変化していけないなんて残酷。
だけど、誰かと苦しみを共有するのは到底不可能でも、
それを諦めたらもっと寂しい。
どんなときでも、どんなことがあっても、
私の体温は私だけのものになってほしくない。
キャンディきれい。
ヒースレジャーの瞳は深い緑色をしていた。
羽根のように二人は、重力なんて感じなかった。
映画が終わったときにその反動が少し。
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