3時10分、決断のときのレビュー・感想・評価
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They hang me, in the morning.ラッセル・クロウとクリスチャン・ベールで描く渋い西部劇
もともと50年前の西部劇のリメイクらしいのですが、元の作品は観た事なく本作品を観ました。だって元の作品どこにもレンタルないんだもの。ラッセル・クロウとクリスチャン・ベール。この2大スターの共演というだけで観る価値があるのではないでしょうか?
西部劇が廃れてしまったと言われる昨今、それでもこの作品は面白かったです。渋い。渋すぎる!!骨太な西部劇ってこういう作品をいうのだろうなと思いました。思わず見入ってしまいました。
とにかくラッセル・クロウが演じるベンがカッコいい。孤高のアウトローを上手く演じています。窮地に陥っててもどこか余裕そうな雰囲気を醸し出す。うーん、渋いっす。そして貧困に悩む農夫のダンを演じるクリスチャン・ベール。最初はどこか頼りなさげな印象だったのですが、何があっても決めた事をやり遂げる最後の雄姿はカッコいいの一言。息子がいると親父はカッコよくなければいけないんです。無理をしてでも。
前作を知らなくても十分に楽しめる本作。西部劇ってだけで敬遠されているのならこれは観る価値ありますよ・・・っと言っても「男」限定になってしまいますが(^^;
シビれます!
悪の道を突き進んできた男。家族を養う余裕がない借金暮らしの男。果たして"悪"は最後まで"悪"なのか。心の奥底に良心はないのか。広大な西部を背景に繰り広げられる熱いドラマに終始酔い痴れました。
"金"は世の中を支配し、"金"は人を変えてしまう。そんな世界の反逆児であるウェイド(ラッセル・クロウ)が、またカッコいいんですよ。全てを見通す鋭い目、心を揺さぶられる低い声。彼は自分を"悪"だと信じています。しかしそこに、ある男が登場します。クリスチャン・ベール演じるダンです。"善"と"悪"は定義することはできず、人の心の奥底には必ず良心があると信じる彼の存在が、ウェイドを変えていきます。
そして訪れた3時10分。彼らは何を決断したのか…?
アメリカン・ニューシネマ時代の頃を思い出させる展開に、ただ懐かしさを感じるばかりです。
『3時10分、決断のとき』
二人の男が背負ってきたものが交錯するとき。
それに命を賭けてやり遂げる男と、それに応え最期まで付き合う男の熱い魂と魂のぶつかり合い。
檻に入ってから馬を呼ぶとこなんかもう男なら胸が熱くなる、狭客ウェスタンだねこれは。
衰退化が続く西部劇で久々のスマッシュヒットしたってのは頷ける。
脇役陣ではベン・フォスターの凄みはマッドマックスのババを彷彿とさせる不気味さがあった凄い。
ヴィネッサ・ショウがまたイイのよ序盤のあのタイミングで妖艶な華を魅せる。
新しい西部劇だと思うよ良い意味で。
ジョンウェイン時代から腹を撃たれたら大体少し語って死ぬのがお約束なのに応急手術で馬に乗ってるもんね。
今までの西部劇臭い名誉とかプライドとか誇りじゃない、誰だって弱さを晒けだして生きる瞬間がある、意地。男の意地だぜ。
うん、これは傑作です。
倫理とか善悪とか、越えた先にあるもの
ぶっちゃけ言って展開的に訳わかんないですよ
何で急にベンが協力したのか、忠実な重宝する部下を撃ち殺したのか
本人たちにも分かってないではないでしょうかね?
でも極限の中で男達は分かりあったんではないでしょうか?
男ってのは”プライド”ってのがないと生きていけないんですよ
えぇ、わかってます。ちっぽけですよ。ほんとにちっぽけ。
でもそのプライドがあるからどんなクソ野郎に身を落としても
生きようという意思が生まれるわけです。
女性には分かんないでしょうね。しょうがないです。
でも男ってそういう生き物なんです。
本作はそんな”プライド”にこだわった上質な漢の映画だと思います。
ベンの決断に勝手な解釈をくわえてみた
勝手な解釈だけど、ベンがダンに協力し始めたのにはちゃんと理由があったのだと思う。
ベンが積極的に汽車に向かうのは、ダンが誇れるものがない、と言うことを語った後なので、ベンは誇れるものが何もないと言うとこの苦しみを誰より知っていたのかもしれない。そしてベンは2度も脱獄していることから今回も脱獄できるという自身があった上でユマに向かおうとしていたと思う。
チャーリーを打つ前に銃についていたキリストを見たことから誇れるものが何もない苦痛を知っていたと解釈してもいいと思う。
ベンは幼い頃聖書とともに母に置き去りにされているので、あの瞬間そのことを思い出したのではないだろうか
だがベン自身母を恨んでいる様子はなく、幼少期全てを失ったのに、原因である母を恨めなかったという苦痛があったのかも。
と、わかりにくい上かってすぎる解釈をしてみました。
全体の感想としては、西部劇はあまりみたことがないので、どこを楽しめばいいのかわからなかったけれど、ガンさばき等々すごく格好良かったです
ラッセルが演じた中でベンが最も格好良いとおもいます。
忘れていた、古風な西部劇
渋くて、そして胸が熱くなる、古風な西部劇。
全体的にいい雰囲気で、脚本もなかなか良いが、なによりもキャストの演技力が素晴らしかった。
父としてのプライド、男としてのプライド。
久しぶりになんとも言えない良い後味の映画を観た気がします。
3:10 TO YUMA
いや〜やられました…久しぶりです。こんなに観終わった後に興奮してるのわ…
オリジナル版を観てないので比較はできませんが、脚本は元より。さらに味を深くしたのは何と言ってもラッセルクロウの演技。彼の演技のせいで先のストーリーが全く読めませんでした。あと日本題の「~決断のとき」というのはダサいのでやめてほしい。確実に内容を損なってる。
骨太な大人の為のウェスタン
ラッセル・クロウが素晴らしい味をだしてます。対するクリスチャン・ベールも負けていません。端正な顔立ちがもったいない程のヘタレた役を演じています。とにかく、規格外(当時ね)の悪党と見ていて情けない弱気で頑固な農夫。それがどうなるかは観てのお楽しみ。人の生き様とは?どうあるべきか。とにかく成熟した大人にみてもらいたい。心に残るいい作品でした。
主人公の二人はかっこいいけど、物語の展開は理解できない
総合70点 ( ストーリー:50点|キャスト:80点|演出:75点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
元の作品である「決断の3時10分」があまりにお目出度くてかなりひどい作品だったので、これをわざわざ再映画化したらどうなるのだろうか。そんなことを思いながら観ていた。しかし今作品は全く生き様の違う二人を演じたクリスチャン・ベールとラッセル・クロウの演技と存在感が良かったし、クロウの部下といった脇役も良く、演出も悪くなくて途中まではそこそこに面白かった。
しかし元の作品同様にやはりよくわからないのが、今まで凶悪犯罪を重ねてきたクロウは、何故突然に自ら破滅の道を選んだのかということ。逃げようと思えばいつでも逃げられただろうに、わざわざ苦労して自分から縛り首にされに行くというのが理解できない。しかも命懸けで自分を助けに来た部下たちを殺してまで自らを殺す道を選ぶというのが理解できない。クリスチャン・ベールと知り合ってから短期間に、凶悪犯罪者であった彼を変えたものはなんなのだろうか。「決断の3時10分」よりはだいぶん理由をつけてきたが、それでも彼の過去と行動を目のあたりにしたというだけでは説得力が弱すぎて、無理やりまとめたという印象ばかりが残りすっきりしない。
国民性の違い。
ダメ親父が最後に息子に見せる男としての凄さとプライド。それがクライマックスのテーマとなる物語。
感じは分かるが何か違うと思う。
その意義は理解できるが命を賭けてまで息子に見せなければいけないのか?
普段からそういったことはして置けよと突っ込みたい。
グラン・トリノもそうだけどあのラストは無いよね。
あれで問題の解決になるのかとつっ込みたい。
つまり昔の武士道の精神のようで自己を犠牲にして問題解決を図るってのはちょっとついていけない。崇高な精神とアチラでは感じているのかも知れないが日本の平凡な小市民としては違和感がある。
こういった変に教科書的な道徳めいたお話はあまり面白くない。
西部劇だから派手にドンパチやってくれればそれで良い。
西部劇のホームドラマは遠慮したい。
ラッセル・クロウも悪党なら悪党らしくしろ。変に人間味を出すな。
以上、個人的な意見を書きましたが、この作品のファンの方ごめんなさい。
悪気はありません。
なんで腹を撃たれたのに・・・(笑)
2007年アメリカ映画。122分。今年6本目の作品。同名傑作西部劇の小説を映画化した2本目の作品だとか。そんなことはまったく知らず、わたくしはラッセル・クロウ見たさだけに、本作を借りました。共演はクリスチャン・ベールとなっております。
内容は;
1、かつては軍人だった男(ベール)は南北戦争で片足を失い、いまは農場を営みながら家族を養っているが、企業家の陰謀で水をせき止められ借金を背負っている。
2、そんな男は、偶然、現金強盗を目撃する。
3、強盗団の首領(クロウ)は捕まり、3時10分ユマ行きの汽車に乗せるための移送を、ある目的で買って出る。
といった按配でございます。
本作の原作が名作だと言われているのが観ててとても納得できる作品でした。本作のポイントは、ラッセル・クロウ演じる役ではなく、クリスチャン・ベール演じる役の男のその「ある目的」にあるのです。
それが何なのかは書きませんが、人は年齢を重ね、経験を重ねていくうちに、いつしか他人のために生きるようになるのだなと思いました。つまり、本作は「生き方」というものを題材にしている作品です。そして、それが味わい深いから本作の原作は今でも映画化される力があるのでしょう。
ラッセル・クロウがいいのは言うまでもないですが、本作はクリスチャン・ベールの好演が光っていたと思います。この人は他の作品では、いい意味で引き立て役をやっていて、力演っていうものをどこか鼻で笑っているスタンスが感じられて好きでした。しかし、本作の彼は無理することなく、それでも力強く演じていたと思います。だから心情に感情移入ができました。
でも、あの首領役はラッセル・クロウだから説得力があったんだなと、やはり思いました。
ドラマチックな展開と凝ったアクションが魅力の秀作。
西部劇なんて有名な作品を数本観たことがある程度の僕だが、本作は昔からの西部劇ファンにも受け入れられる気がした。
冒頭の馬車襲撃シーンや坑山でのチェイスなどの見せ場はこれまで観てきた西部劇の定番とはシチュエーションや小物の使い方が一味違っていて面白く、迫力も十分。
だがやはり特筆すべきは、クライマックスの800mに渡る敵中突破!
アクションの見せ方もうまいが、それまで賞金首と護送者として対立していた主役2人が奇妙な友情を抱き始める展開と、父に初めて誇りを覚える息子の姿を上手に織り込んでみせる。
この熱い展開が……泣ける。かなり泣ける。
『ダークナイト』『T4』じゃ主役の座を喰われていたC・ベールだが、今回は主演としてバッチリ実力を発揮。男の誇りを賭けて無謀な戦いに身を投じる姿は涙無しでは見られない。
そしてR・クロウだ。敵も味方も躊躇無く撃ち殺す冷血漢のくせにロマンチストな一面も持つという、ともすれば利己的にしか見えない役柄を、魅力たっぷりに演じて見事。お陰で最後の展開にも説得力が宿った。
展開がややスローテンポ、サブキャラが描き込み不足などの不満もあるが、大した欠点じゃあるまい。
観て損ナシの秀作。
心が震える、泣かせる西部劇!
リメイクづいているが、これも前作は観ていない。ラッセル・クロウがめずらしく悪役なので、どうしてかなと思っていたが、観て納得した。悪党だが、魅力的なのだ。それを楽しそうに演じていた。対するクリスチャン・ベールは、いつも相手役を引き立てるばかりの損な役回りだが、そう悲観することもないのではないか。彼の演技がひどかったら、相手の演技も光らないのだから。この作品でも情けなくてかっこ悪い父親を惨めったらしく演じていた。うまい! 彼の生きざまがみっともなくても、ぐっときたし、涙が出てきた。男と男のぶつかり合いが面白い映画で、久々の西部劇を堪能した。ピーター・フォンダも客演していて、かっこよかった。
やはりウエスタンは良い
ジェイムズ・マンゴールドの演出は常に骨太で歯ごたえはあれど味は薄い。脚本家としても同じ。でも、今回は脚本は『ウォンテッド』のコンビに任せて演出に専念した。これがアタリ。演出はウエスタンの骨太世界に凄くマッチしており、話のツイストも効いている。それぞれの人物像も全く不可解なところが無く(息子や鉄道会社の描写に感心した)、これぞ大人の男の世界だ。
クロウはカリスマティックで危険な悪党を好演している。ベイルの切実な演技も良い。ベン・フォスター、体の動きでキャラクター(冷酷で神経質)を示している。ピーター・フォンダ、異様な迫力だが勿体ない使い方。
いや、やっぱウエスタン良いわ。
西部劇が作られなくなった昨今。ストーリーで減点はしましたが、骨太の映画がお好きな方には、間違いなくお勧めできる1本です。
ラッセル・クロウが、いいですね。かっこいいし、彼が演じるウェイドは悪役でもヒーローに見えてしまいます。あの低音のだみ声で、早撃ちを仕掛けるところは男だからこそ、痺れるシーンでしたね。
ウェイドは、駅馬車強盗22件、殺した人の数は数え切れないという強盗団のボスとして、人を殺すときは、たとえ仲間でも躊躇なく、無慈悲に殺すのです。
けれども、自分が意気に感じた相手には、自分のためにと言い訳しつつ、助けたりもします。極悪人のくせに、根っこでは任侠を忘れていない、木枯らし紋次郎見たいなヤツでした。
例えば、一味が駅馬車を襲う現場を目撃したダンについては、一時馬を奪うだけで、命を助けてやり、そのあと馬まで返してしまう親切さだったのです。
ダンとの出会いは、その後のウェイドの運命を変えていきます。このとき殺さなかったのは、そんな宿命を感じたのも知れません。あるいは、ダンという男の背負っている影に自分と同じものを感じてしまったのも知れません。
ラストの信じがたいウェイドの決断に向けた必然性に、ダンという男の存在、そして南北戦争によって片足を失った過去の経緯の秘密がどうしても必要でした。
戦争でもまともな功績が上げられず、わずかな補償金を手に、北軍をお払い箱にされたダン。彼はその後牧場に戻っても、借金に苦しみ、土地を手放す寸前に追い詰められたとき、息子や世間に対して、何としても自分の存在感を示すことを痛感していたのでした。 そんなダンの負い目を冒頭の登場時からクリスチャン・ベールが全身で漂わせていました。射撃の腕なら人に臆することがないほど、西部劇のヒーローになり得るのに、ダンのイメージは、弱々しい小市民なのです。本作のクリスチャン・ベールは、没ヒーローという役どころを見事に表現しておりました。
ダンの弱さを見抜き、救おうとしたのがなんとウェイドでした。悪党がなんで人を助けようとするのか?実は彼は日々の祈りを欠かさない敬虔なクリスチャンだったのです。
だから刃向かってくるものには、銃弾を惜しまず浴びせるが、縁あって悩みを聞いてしまった者については、命がけでも救おうとします。それでもラストの彼の行動には、そこまでするか?という疑問は感じてしまいます。ここは敢えて伏せておきますので、ぜひご覧になってください。
加えて、あまりに簡単にウェイドが捕まってしまったり、すぐ殺さず護送を決定するところにイマイチ説得力がありません。さらに、要所でそれはないよ~とか、都合良すぎ~とか突っ込みたくなるところは多々ありました。まぁ、演技の方で、脚本のアラは、カバーできているとは思いますけど・・・。
あら探しはさておき、本作が昔の西部劇と大きく異なるのは、「正義のゆくえ」です。 単純に、ウェイドとダンの関係を善と悪との対比に置くのでなく、微妙に「訳あり」にしているところが面白いところ。それは911以降のアメリカ政府が正義を振りかざすことに対して、皮肉とも言える内容ではないでしょうか。
その皮肉を劇中ウェイドに語らせています。自分の殺人を断罪するものたちへウェイドは、じゃあアパッチの婦女子を虐殺した騎兵隊の奴らは、罪にならないのかと食い下がります。きっとウェイドには、単なる強盗とは違った、権力に対する痛烈な反発があったのでしょう。彼を追い詰めた過去については、触れられていません。少し彼の過去についても押さえておけば、もっとラストの意外性について、説得力も増したはずです。
また鉄道建設に中国人移民をこき使っているところも印象的でした。
でも、本作が一番描きたかったシーンは、ウェイドがダンに大金を払うから見逃してくれというシーンではないでしょうか。一瞬躊躇しつつも、拒否して任務を遂行しようとするダンの決断に監督のメッセージが潜んでいるものと思います。
それは、正義というものが見えにくくなった世の中にあって、物欲に目が眩み、打算ばかりで世渡りしていくよりも、名を惜しみ、意義ある人生を送る方が、同じ生きていて悔いが残らないではないかというものです。
きっとダンの決断とそうするしかなかった事情に、皆さんも共感されることでしょう。
西部劇が作られなくなった昨今。ストーリーで減点はしましたが、骨太の映画がお好きな方には、間違いなくお勧めできる1本です。
とにかくラストのユマ行き列車が到着する『3時10分』に何が起こったのか目撃してください。
最後にもひゅ~と口笛で愛馬を呼び寄せるシーンで終わってしまって、ウェイドが××する続きが見たかったです。
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