劇場公開日 2009年8月8日

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「ドラマチックな展開と凝ったアクションが魅力の秀作。」3時10分、決断のとき 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ドラマチックな展開と凝ったアクションが魅力の秀作。

2009年10月23日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

西部劇なんて有名な作品を数本観たことがある程度の僕だが、本作は昔からの西部劇ファンにも受け入れられる気がした。

冒頭の馬車襲撃シーンや坑山でのチェイスなどの見せ場はこれまで観てきた西部劇の定番とはシチュエーションや小物の使い方が一味違っていて面白く、迫力も十分。

だがやはり特筆すべきは、クライマックスの800mに渡る敵中突破!
アクションの見せ方もうまいが、それまで賞金首と護送者として対立していた主役2人が奇妙な友情を抱き始める展開と、父に初めて誇りを覚える息子の姿を上手に織り込んでみせる。
この熱い展開が……泣ける。かなり泣ける。

『ダークナイト』『T4』じゃ主役の座を喰われていたC・ベールだが、今回は主演としてバッチリ実力を発揮。男の誇りを賭けて無謀な戦いに身を投じる姿は涙無しでは見られない。
そしてR・クロウだ。敵も味方も躊躇無く撃ち殺す冷血漢のくせにロマンチストな一面も持つという、ともすれば利己的にしか見えない役柄を、魅力たっぷりに演じて見事。お陰で最後の展開にも説得力が宿った。

展開がややスローテンポ、サブキャラが描き込み不足などの不満もあるが、大した欠点じゃあるまい。
観て損ナシの秀作。

浮遊きびなご