インベージョン(2007)のレビュー・感想・評価
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コロナと現在の戦闘情勢を予言していたのかも…
2007年作品と言うから、今から18年も前の作品。2020年に起きたコロナ感染を予言していたの様な、世界中に蔓延した感染病を扱ったSF・サスペンス。主演のニコール・キッドマンも、瑞々しい美しさがあり、子供を守る強いママを演じている。また、その恋人役にも、『007カジノロワイヤル』で一気に人気の出た、若きダニエル・クレイグが演じている。
コロナ・ウイルスは、否定はしているが、中国が作り出した人造ウイルスであったのは暗黙の事実。しかし、こちらのウイルスは、宇宙から帰還するところで大爆発を起こしたスペース・シャトルが持ち込んだスペース・ウイルス。しかも、感染者の口からの分泌液から感染し、そのウイルスは、睡眠によって作用し始めて、見た目は分からないが、感情を失くしてしまうというもの。
周りの人々が、次々と感染していく中、ニコール演じる精神科医のキャサリンは、自分も元夫からの吐しゃ物を浴びて感染する中。しかし、愛する息子を必死で守り抜くため、強くて逞しいママとなって、孤軍奮闘するストーリー。ただ一人、頼りにしていた恋人のベンが、最後に救いに来てくれるのだが…。
改めて、ニコール・キッドマンの美しさが光る作品。『クワイエット・プレイス』のエミリー・ブラントやホラーの名作『ラストサマー』のジェニファー・ラブ・フューイット等、美女が独りで、必死の形相で敵から逃れ、最後は勇ましく立ち向かったていくという展開は、こうした作品では鉄板。それぞれの美しさの中に秘めた、『生』に欲する強さと逞しさが開花していく様に、感情移入しやすくて見応えもある。
映画としては、思った以上にスリリングで面白かった。また、人々からウイルス感染で感情がなくした時、世界の紛争や戦闘が無くなり、国家間に友好的な流れが生まれるシーンが映し出された。これは、これで世界に向けたメッセージを強く感じた。と同時に、ラストシーンで語られた「争いも犯罪も無い世界は、人が人でなくなった世界」という言葉は、人としての性(さが)に対する憤りとやるせなさも突き付けてきた。
侵略者か救世主か
コンパクトにまとめられたSFスリラーの佳作。「盗まれた街」の映画化作品を見るのはこれが二作目。もう一つは1978年バージョンで昔テレビの洋画劇場で見ていた。あの人面犬とラストの衝撃は今も忘れられない。ちなみに本作には人面犬は出てきません。
墜落したシャトルに付着していた微生物が一気に繫殖し人々は姿はそのままにどんどん乗っ取られていく。
何も知らない主人公の精神科医キャロルは次第に街の様相が様変わりしていくことに違和感を感じ始める。人々の身に何か異常なことが起きている。違和感から不安そして恐怖へと変わっていく中で世界では驚くべきニュースが報じられていた。
北朝鮮の核不拡散条約批准、インドとパキスタンの和平、身の回りの不穏な出来事とは対照的に世界中の紛争が歴史的解決を迎えたことを告げるニュースが報じられる。世界が異常な速度で平和的な状況に変わっていく。
これは果たして侵略なのか、それとも宇宙からのギフトなのか。
宇宙生物に乗っ取られた人間たちは記憶はあっても感情だけがない。もとの人間の記憶そのままに何かに操られてるかのようだ。彼らは意識が結合しており複数個体であっても他者という概念がない集合自我を持つ存在だった。だからこそ互いに争うこともない。
人類が何十年、何百年かかっても解決できなかった世界中の懸案事項が一夜にして解決されてゆく。まさにこれこそユートピア。しかしそれはけして人類の手によるものではない。
本来は人類が人類のままで己の意思で成し遂げていかなければならないものだろう。しかしそうするといったいどれだけの時間を要するのか。
ワクチンによって宇宙生物から解放された人間は感染時の記憶がないという。結局操り人形だったということ。操り人形がもたらした一時の恐怖と平和。
結局最後にはウィルスは駆逐され元通りの世界に戻る。そして元に戻ったとたん世界中では紛争が再び起こり始める。
キャロルは「この世界から犯罪や戦争がなくなればそれはもはや人間が人間でなくなった世界だ」というロシア大使の言葉を思い出す。そしてあの時彼らの仲間になっていた方がよかったのではないかという考えが一瞬だけよぎったのかもしれない。
コロナ禍の自粛で世界中の経済活動が停止した時、思わぬ副産物があった。自然環境が改善されて空はスモッグが減り今まで見えなかった星空が見えたり、海には姿を消していたウミガメやジュゴンが戻ってきたというニュースだった。
コロナウィルスは人間にとっては脅威かもしれないが、地球にとっては救世主なのかもしれない。
ニコール・キッドマンに気圧されて…
2007年公開のアメリカ映画。
Wikipediaによると、ジャック・フィニイのSF小説『盗まれた街』(原題:The Body Snatchers)の4度目の映画化作品、とある。すごい。
監督:オリヴァー・ヒルシュビーゲル、
脚本:デヴィッド・カイガニック、ウォシャウスキー兄弟。
精神科医のキャロル・ベネル役にニコール・キッドマン、
同じく医師のベン・ドリスコルにダニエル・クレイグ。
まじめに観ていたのだが、
心臓に注射するシーンでずっこけてしまった。
SFは、前提となる世界観に溶け込めるか否かで、
評価が変わってしまう。
どうやら私は溶け込めなかったのだが、
ニコール・キッドマンの「圧」というのか、「目力」というのか、
どういうわけか気圧されてしまい、最後まで見てしまった。
彼女はまるでメデューサのようだ(笑)。
ラスト含め、どうにもフィットできない作品だった。
ダニエル・クレイグはどうしてもジェームズ・ボンドに見えてしまう。
淘汰されるべきは…?
ダニエルクレイグ好きなので観た!ニコール・キッドマンがとても美しい。ただ、ニコールの出てる映画って私的にハズレも結構多いんだよなあ…(ライオン、スキャンダルとかは好きやけど)
コロナ後に観ると、感染の恐怖とか気持ちがすごくわかる。感染者が大多数になった状態で、自分がまだ発症してなかったらどう対処するか…ポーカーフェイスでいられる自信が全くない。
他人という概念がなくなった世界は平和になるってことなんやろうけど、他所の惑星?から地球にきて侵略しようとしているのにその考えの強要は無茶苦茶やない?と思う😅
物語的には時間も短めかつわかりやすいので、サクッと観られる映画やった。家で観るくらいがちょうどよいかも!
ちょっと汚いシーンもあるのでお食事時は観ない方が良い。
ニコール・キッドマンのボディーがスナッチされる〜💦
WOWOWの放送にて。
地球外から襲ってきたインベーダーは、人格を侵略する菌だった…。
ある日突然、身近な人が別人のように性格が変わってしまう。
外見が変わらないから、誰が侵略されているのか分からない。
この設定が面白いから、何度映画化されても基本的に面白い話になる。
ニコール・キッドマンは、撮影当時40歳手前だろうか。
まだまだ美しい。
体内に入った菌は、レム睡眠状態で分泌されるホルモンが作用して人格を侵略する。
感染を媒介するのは、宿主が口から吐き出した粘液。(気色わる〜っ!)
ニコールはこれを浴びちゃうのだから、かわいそうだ。
とうとう、眠ってはならない状況に追い込まれた精神科医のニコールは、ドラッグストアで眠らないための薬と飲料を探して手に入れ、ガブ飲みする。それでも睡魔は襲ってくるのだが、はたして耐えられるか。
助けに来た友人(恋人?)の医師(ダニエル・クレイグ)が侵略されてしまっていると見て、直前に手に入れた銃を構えるが、はたして彼を撃てるのか?
追手から走って逃げていても、街中に出ると感染した通行人が大勢いるから、無表情を保って感染者のふりをしなければならない。はたして気づかれずに雑踏を抜けられるか。
スリルとサスペンスに富んでいて、なかなか面白い。
吸血鬼映画やゾンビ映画でも思うことだが、そこらじゅう吸血鬼やゾンビだらけになって自分ひとりが逃げているなら、いっそのこと犠牲になったほうが楽なのではないか。
睡魔も限界、信頼する人も感染して、万事休すとなったニコールも一瞬は逡巡したはずだ。
感染したダニエル・クレイグは「我々の世界では他人を傷つける者はいない。他人がいないから」と言ってニコールを観念させようとする。
ここで、映画の前半に登場するロシア大使の「戦争も犯罪もない世界。それは、人間が人間でなくなった世界だ」という台詞が皮肉となる。
だが、彼女の幼い息子は免疫があって眠っても侵略されない。自分が侵略を許すと息子を置き去りにすることになる。これがニコールが抵抗する原動力となるのだ。
闘え!ニコール・キッドマン。
ホラーにしろ、サスペンスにしろ、美女が徹底的に追い詰められるのは、映画の醍醐味のひとつでもある。
ニコール・キッドマンを追い詰められる主人公に起用したことで、この古典的な原作の映画化作品の中で本作は一線を画したと言える。
感情をなくした人間って?
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帰還した宇宙船が爆発したか何かで、宇宙の細菌が地球に入る。
これに感染した上で一度眠った人は感情をなくしてしまう。
また、他の人々にもそれを移そうと集団行動を取る。
セラピストの二コールキッドマンの町はほとんどの人が感染する。
ニコールには感染した元夫に子供を奪われるが、
この子供は何故か感染しなかった。つまり免疫があった。
ニコールは無表情で感染者を装って単身元夫の家に乗り込み、これを救出。
が、ニコールはすでに元夫によって感染させられていた。
あとは眠らないようにしながら一生懸命逃げる。
最後はヘリに救出され、子供の体からワクチンを作って幸福終了。
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興行的には失敗した映画らしいが、面白かった。
感情の起伏が激しそうな二コールが作る無表情は面白かった。
何故宇宙細菌が人間の感情を殺すのかはよくわからなかったが、
それにより世界が平和になるという皮肉は良かった。
感情がなければ確かに戦争や利権争いはなくなるだろう。
ある意味そっちでもいいんじゃないかと思うけどね。
でも人間が人間でなくなってしまうのでやはり駄目か。
最後の「感染は終息したか」と聞く記者に対する報道官の台詞、
「新聞を見たらわかる(=日々戦争等が報道されるようになった)」
というのは最高のブラックユーモアだと思った。
母は強し!
ゾンビもの
母は強し
原作はジャック・フィニィの「盗まれた街」、1955年に発表されて以来、本作で4回目の映画化だそうだ。
・ボディ・スナッチャー/恐怖の街(1956年)
・SF/ボディ・スナッチャー(1978年)
・ボディ・スナッチャーズ(1993年)
・インベージョン(2007年)
人格が激変してしまうところから当時の共産主義の浸透と赤狩りを模したと評されたが当人は、ただの作り話と一笑に付していたそうだ。それにしても、何度も映画化された魅力は何なのか・・、
スペイン風邪を始め狂牛病やエイズ、SARASなどの未知なる病原体の度重なる襲来に絶え間ない恐怖心を抱いていることが理由かも、13年後のコロナのパンデミックを経て観ると先見性のような薄気味悪さを感じますね。
観た感じでは新手のゾンビホラー、6代目ボンドのダニエル・クレイグが出演とくれば派手なアクションシーンを期待してしまいますがいたって凡庸、うって変わって活躍するのはバツイチのシングルマザー役のニコール・キッドマン、最愛の息子を感染者から守るために懸命の活躍、まさに母は強しがテーマのような映画でした。
頻繁な リメーク にも納得です
ある朝突然、あなたの家族が、別人になっている。
原題
The Invasion
感想
ニコール•キッドマン、ダニエル•クレイグ、二大スター共演!
眠ってしまうとーあなたじゃなくなる。
感情を見せるとーあなたじゃなくなる。
誰かを信じるとーあなたじゃなくなる。
若きニコール•キッドマンがひたすら綺麗でした。
我が子を必死になって探す母は強しでした。
未知のウィルスは怖かったです、知り合いが無感情になったらどうした?ってなりますね笑
飲み物にゲロみたいなのを入れるのは気持ち悪かったです。
クライマックスの感染者に追われ我が子と街を脱出するシーンはハラハラしました。
人は誰でも恐ろしい犯罪ができる
争いが新しい暴力を生まず、犯罪や戦争が消えた世界を
それは人間が人間でなくなった世界だ
※眠っちゃダメ。家に帰っちゃダメ。必ず助けるから。
ママより
『盗まれた街』4回目の映像化
原作は小説『盗まれた街』で、
『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』1956年
『SF/ボディ・スナッチャー』1978年
『ボディ・スナッチャーズ』1993年
『インベージョン』2007年
『インベージョン』(ドラマ) 2021年~
4回の映画化と、
つい最近ドラマ化(継続中)と、
名前ぐらいは知ってる方が多いのでは?
1956年の1番最初の映画と2021年からのドラマ以外、観てますが、
ニコール・キッドマン、ダニエル・クレイグ 、と有名な役者を使い、一般ウケを狙った感がありますね。
もともとの、B級感、ホラー感、が弱まった…
でも、メッセージ性があり考えさせられ面白かったです。
ホラーが苦手な方でもイケると思います。
ウイルスやワクチン接種が作中に出てきて今の世界状況とリンクします。
ドラマ版には、
菊地 凛子 さん
『パシフィック リム』など
忽那 汐里 さん
『デッド プール2』など
ダイスケ ツジ さん
ゲーム『ゴースト オブ ツシマ』で有名
など日本人キャストも出てるらしいです。
原作の小説は面白いんだろうなって思う映画
侵入って💦
アメリカで多数の被害が出たインフルエンザと言われていた病気が実は、、、。
なんだかコロナと同じでビビってしまった。
数ヶ月前、アメリカはかつてない程の大規模なインフルエンザの蔓延→実はコロナでした
ヒャー💦💦💦
逃げ惑う主人公と同じドキドキを味わいました。
いやいや、こんなエグいとは思わず視聴してしまい途中で断念しようか悩みながらラストへ(>_<)
音楽の効果と子供と一緒に逃げるという事もあり、下手なホラーより怖く感じた💦💦💦
ニコール・キッドマンがママかぁ。
何でもいう事聞いちゃうよ(*^^*)
かわいい子役ちゃんも迫真の演技でしたね👍
暑い夏、一瞬涼しく感じました💧
The Invasion
意識をひとつにして争いのない社会を…
深夜の国勢調査は怖いぞ!
いや、冗談抜きで・・・あのシーンが一番怖かった。だけど、自分が感染させられるんじゃないかとか、鑑賞中眠ってしまうんじゃないかとか、そんなのは怖くないんです。あとは主人公のニコール・キッドマンが息子を助けて研究所へ向かうというスリリングなSFとなっています。息子を思う母親は強い!もしかすると女性のほうがウケがいいかもしれません。
元はジャック・フィニーのSF古典小説「盗まれた街」。これまで3度も映画化されてるようですが、他は知らないので1993年版『ボディ・スナッチャーズ』と比較すると、とてもグローバルな設定となっていました。1993年版では米軍基地内で起こったSFパニックもの。今回の『インベージョン』はスペースシャトルの謎の墜落のため全世界にウィルスのような生命体が拡散していました。しかも、ヨーロッパや日本ではワクチンの開発が進んでいるのに、アメリカだけは“流感である”と情報操作されているのです。まったくアメリカ政府ってやつは困ったもんだ・・・
局地的な閉塞感はない代わりに、感染者の増大や地下鉄内のアクションシーンが見応えあります。言ってみれば、ゾンビ映画と変わらない・・・ただ、ワクチンさえ打てば治癒するので、むやみに殺すこともできない(といっても、かなり殺してましたが)。そして、感染しても眠らなければ体を乗っ取られることもないのが共通した特徴でもあります。
全体的にはイマイチなのですが、なにしろニコール・キッドマンが素敵なので許せます。彼女は精神科医で息子の父親(かなり悪い奴に描かれている)とは別れてしまっていて、ダニエル・クレイグとの関係も恋人には発展しない微妙な関係を保ってる。息子への愛情にも感動しますが、息子に「私が眠ってしまったら、この注射器を射して!」という場面はしびれてしまいます。
アメリカは情報操作されていましたが、日本だって追随するにきまってる。その後、宇宙ウィルスに汚染された牛肉をも輸入するかもしれませんね・・・
お腹一杯感はあるが…
「盗まれた街」の4度目のリメイク。ストーリー的にはB級だが、ニコール・キッドマン、ダニエル・クレイヴ主演とはなかなかの豪華キャストだ。4度目のリメイクと考えると多いと思うが、同じことを永遠と繰り返してやるのはリメイクでは無い。毎度時代ごとの社会的なテーマを混ぜ込んで映像化している。一般的な評価や興行面においては不振に終わったが、個人的にはかなり好みの作品である。
終盤でダニエル・クレイヴ演じる人物がエイリアンウイルスに感染した際の台詞に本作の言わんとしている事が明かされる。
我々は存在は別々だが、「他者」が存在しないというもの。要するに別々の個体でも皆が同じ中身という事だ。そうすることで戦争等の争い事が無くなるという物だ。良く考えればそれこそ、人類が追い求めていた理想郷では無いか。
だが、主人公含め観客側も自分と他者はそれぞれ別、個人主義を貫かんとする。それでこそ生き物であると。そういう考えが争いを産む元凶なのかもしれないが、追い求める理想郷と現実のギャップ、我々の本来あるべき姿とは何なのだろうか。キャストが豪華なB級感が拭えない作品だが、何かと考えさせられる作品だ。
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