劇場公開日 2007年10月20日

「お腹一杯感はあるが…」インベージョン(2007) Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5お腹一杯感はあるが…

2017年8月18日
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鑑賞方法:DVD/BD、TV地上波

「盗まれた街」の4度目のリメイク。ストーリー的にはB級だが、ニコール・キッドマン、ダニエル・クレイヴ主演とはなかなかの豪華キャストだ。4度目のリメイクと考えると多いと思うが、同じことを永遠と繰り返してやるのはリメイクでは無い。毎度時代ごとの社会的なテーマを混ぜ込んで映像化している。一般的な評価や興行面においては不振に終わったが、個人的にはかなり好みの作品である。
終盤でダニエル・クレイヴ演じる人物がエイリアンウイルスに感染した際の台詞に本作の言わんとしている事が明かされる。
我々は存在は別々だが、「他者」が存在しないというもの。要するに別々の個体でも皆が同じ中身という事だ。そうすることで戦争等の争い事が無くなるという物だ。良く考えればそれこそ、人類が追い求めていた理想郷では無いか。

だが、主人公含め観客側も自分と他者はそれぞれ別、個人主義を貫かんとする。それでこそ生き物であると。そういう考えが争いを産む元凶なのかもしれないが、追い求める理想郷と現実のギャップ、我々の本来あるべき姿とは何なのだろうか。キャストが豪華なB級感が拭えない作品だが、何かと考えさせられる作品だ。

Mina