インベージョン(2007)

劇場公開日:2007年10月20日

解説・あらすじ

「ボディ・スナッチャー 恐怖の街」(56)、「SF ボディ・スナッチャー」(78)などに続くジャック・フィニイの古典SF小説「盗まれた街」、4度目の映画化。精神科医キャロルの周囲で、ある日を境に人々が感情を失った“何か”に変貌していく。その症状は瞬く間に伝染し、いまだ感情を残す人々を襲い始める。キャロルは愛する息子を守るために、恋人の医師ベンらとともに原因究明を急ぐが……。

2007年製作/99分/アメリカ
原題または英題:The Invasion
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:2007年10月20日

スタッフ・キャスト

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映画評論

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(C)2007 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. - U.S., CANADA, BAHAMAS & BERMUDA. (C)2007 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED - ALL OTHER TERRITORIES.

映画レビュー

3.5 【“侵蝕。そして無表情な人々の増殖。”今作は、J・フィニイ原作”盗まれた街”ニコール・キッドマン&ダニエル・クレイグヴァージョン作である。】

2025年10月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

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怖い

幸せ

■或る日、スペースシャトルが地球帰還時に爆発し、破片がアメリカ各地に散乱する。それを振れてはイケナイ政府命令が発令されるが、一部の人は亡くなった乗務員を悼む気持ちで触れてしまう。
 その後、精神科医キャロル(ニコール・キッドマン)のもとに、夫が別人のようになったという女性が助けを求めてくる。
 それを機に、彼女の周りの人々の様子もおかしくなっていく。
 その現象が世界規模で発生するなか、キャロルの同僚のガレアーノ(ジェフリー・ライト)は謎のウイルスが原因となっていることを掴む。
 そんな中、キャロルの恋人ベン・ドリスコル(ダニエル・クレイグ)も、無表情になって行く。眠ってしまった人は、睡眠中に表皮が透明な膜で覆われるために、キャロルは不眠で別れた夫の元に預けた息子オリバーを探すのであった。

◆感想<Caution!内容に触れているかな?>

・今作の原作である”盗まれた街”の著作者、ジャック・フィニイの著作には学生時代に嵌ったモノである。
 当時は忘れられた作家という位置づけだったが、1995年に亡くなったのがきっかけだったか、”盗まれた街”や特に好きだった”ふりだしに戻る”が、確か角川文庫から発売された記憶がある。
 良く出来た構成のSF作が多く、引き込まれたモノである。

・今作は、冒頭のシーンは改編されている気がするが、後は概ね原作と同じだったかと思う。(ウイルス設定は原作ではないけどね。)
 人々がドンドンと何物かに侵蝕され、無表情になって行くが、彼らは人間には直接的には危害を加えない所が不気味である。
 侵蝕されたベン・ドリスコルが”我々の世界に成れば、悪は無くなる・・。”と言う台詞が印象的である。
 今作は、現代社会へのアイロニーともなっているのである。

・観ていて思ったのであるが、今作は今から18年前の作であり、当たり前だが、ダニエル・クレイグがムッチャ若いのである。
 だが、ニコール・キッドマンは、余り変わっていないのである。女優根性なのか、もしくは彼女こそ<以下、自粛>

<今作は、J・フィニイ原作”盗まれた街”ニコール・キッドマン&ダニエル・クレイグヴァージョン作なのである。>

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NOBU

3.0 ニコール・キッドマンはやはり美しい

2025年9月5日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:TV地上波

感情をなくしたら争いはなくなるのかな?でもそれでは喜びもない。
ニコール・キッドマンが美しかったです!

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光陽

2.5 現実は小説より奇なり

2025年8月6日
iPhoneアプリから投稿

2007年の作品
まさにコロナショックのような
未曾有の事態が人類に襲いかかる
もしコロナがなければ、まぁ特に新しさもない
ニコールキッドマンがキレイなだけな映画やで〜
と映画の中の出来事と認識していたと思うが、
実際に映画の中でしか起こり得ないと思っていた出来事がおこるとは
どれだけ自分が平和ボケしてて能天気に生きてるか解らされる映画である

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こな

4.0 コロナと現在の戦闘情勢を予言していたのかも…

2025年5月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

興奮

2007年作品と言うから、今から18年も前の作品。2020年に起きたコロナ感染を予言していたの様な、世界中に蔓延した感染病を扱ったSF・サスペンス。主演のニコール・キッドマンも、瑞々しい美しさがあり、子供を守る強いママを演じている。また、その恋人役にも、『007カジノロワイヤル』で一気に人気の出た、若きダニエル・クレイグが演じている。

コロナ・ウイルスは、否定はしているが、中国が作り出した人造ウイルスであったのは暗黙の事実。しかし、こちらのウイルスは、宇宙から帰還するところで大爆発を起こしたスペース・シャトルが持ち込んだスペース・ウイルス。しかも、感染者の口からの分泌液から感染し、そのウイルスは、睡眠によって作用し始めて、見た目は分からないが、感情を失くしてしまうというもの。

周りの人々が、次々と感染していく中、ニコール演じる精神科医のキャサリンは、自分も元夫からの吐しゃ物を浴びて感染する中。しかし、愛する息子を必死で守り抜くため、強くて逞しいママとなって、孤軍奮闘するストーリー。ただ一人、頼りにしていた恋人のベンが、最後に救いに来てくれるのだが…。

改めて、ニコール・キッドマンの美しさが光る作品。『クワイエット・プレイス』のエミリー・ブラントやホラーの名作『ラストサマー』のジェニファー・ラブ・フューイット等、美女が独りで、必死の形相で敵から逃れ、最後は勇ましく立ち向かったていくという展開は、こうした作品では鉄板。それぞれの美しさの中に秘めた、『生』に欲する強さと逞しさが開花していく様に、感情移入しやすくて見応えもある。

映画としては、思った以上にスリリングで面白かった。また、人々からウイルス感染で感情がなくした時、世界の紛争や戦闘が無くなり、国家間に友好的な流れが生まれるシーンが映し出された。これは、これで世界に向けたメッセージを強く感じた。と同時に、ラストシーンで語られた「争いも犯罪も無い世界は、人が人でなくなった世界」という言葉は、人としての性(さが)に対する憤りとやるせなさも突き付けてきた。

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bunmei21