「マジックアワーをいつまでも待ち続ける人達の物語。」ザ・マジックアワー コバヤシマルさんの映画レビュー(感想・評価)
マジックアワーをいつまでも待ち続ける人達の物語。
内容は、舞台は日本にある架空の街スカゴ。映画の様な舞台の街で繰り広げられる生き残りをかけた裏社会の人々と映画内映画🎬とを組み合わせたドタバタコメディ映画。好きな言葉は『自分が1番輝ける瞬間!マジックアワーを太陽がある限り明日を待つ』との姿勢は役者としての呪われた一面で得る楽しさと共に辛さもあり自由とは不安が伴うものであるのだなぁと感じさせられました。他にも『俺に会いたきゃ映画館に来なっ!』銀幕ラッシュの憧れとそれを実感した喜びの表れる良い言葉でした。陰ながら見ていてくれるスタッフについて『良いスタッフに巡り会えたからさ』は映画内映画に於ける面白い一面を覗かせてくれた様な気がしました。映画の最後に流れる舞台を作るタイムラプスによるスタッフロールはあの世界観をまんま全て作る仕事には驚きました。そしてエンディングの最後で映画の最初のカットに繋がり終わるあたりが映画は作り物ですと現実に引き戻され程よい余韻に浸る事が出来ました。綾瀬はるかの演技には驚きましたが、そのほかの演者は三谷劇団の人達で意思疎通がまとめられ素晴らしい出来の様に感じました。コメディとは本来暴力的なもので、それを柔らかなオブラートに包まれた安心感を表現する事の上手さを感じた作品。自分の一番好きな場面は『このままくたばってたまるか!』と言う場面。昔の憧れの銀幕俳優のお爺さんが今現在の意思を伝える場面は、ホントに元気が出ました。映画や舞台や表現活動に関わる全ての人にマジックアワーが訪れる事への希望と応援と感動を感じさせる人一倍の作者の思いを感じました。舞台上で視線誘導させられる様な感覚は好き嫌いあるかもしれませんが面白かったのを思い出しました。