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■1994年。新任の国語教師のエリン(ヒラリー・スワンク)はロサンゼルスのウィルソン高校に赴任するが、様々な人種が集う学校の生徒たちの反応は冷たかった。
互いを差別し憎み合う生徒たちに胸を痛めたエリンは、生徒たちに日々の辛い生活を記すように、日記帳を配る。決して他人には見せないと約束をして。
やがて生徒たちはその日記帳に、日々のキツイ本音を綴るようになり、エリンはその日記を読んで、彼らの厳しい日々(父からの虐待、幼き時の哀しき出来事etc.)を知り、彼らが決して人間性を失った訳ではない事を知るのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・新任のエリンがウィソン高校に行くと、彼女の受け持ちクラス203教室には、黒人、メキシコ系、アジア系、そしてたった一人の白人が居るクラスだった。
ー 夫々の民族で勝手に座席を作っている彼らにエリンは、直ぐ様席替えを指示する。-
■エリンは、マーガレット・キャンベル教科主任(イメルダ・スタウントン)にキチンとした本を与えたいと直訴するが、教科主任は203教室の生徒達を”駄目な生徒”とレッテルを貼り、予算は無いと言って本を与えない。
そこで、エリンは一つの本(彼らと似た境遇を記した本)を自腹で彼らに与え、更に彼らに「アンネの日記」を与えるのである。
この辺りから、エリンを馬鹿にしていた、生徒たちのエリンに対する態度が変わって行くのである。
・そして、エリンは生徒達に”外の世界を見せたい”と言い、「ホロコースト 寛容な博物館」に自費で連れて行くのである。
― このシーンは可なり沁みる。
ホロコーストの事を知らなかった203教室の生徒達が、自分達よりも過酷な生活を送っていたユダヤ人の事を知って行く表情。
更にエリンは、彼らに”変化の為のコンサート”や様々なイベントを実施させ、アウシュビッツの生存者達を招き一緒に夕食を摂るのである。203教室の生徒達が彼らの生生しい言葉を真剣な表情で聞く姿。
更にアンネを匿っていた女性ヒースをイベントで稼いだ金で、来てもらい彼女の話を聞くシーン。-
・高校二年になった彼らは最早、エリンを馬鹿にする事無く”ミスG"と敬意を込めて呼ぶのである。そして、或る生徒は拳銃を捨て、或る者はギャングと縁を切るのである。
・両親から偽証を頼まれていたエヴァは法廷で真実を話し、虐待を繰り返していた父と似ているだけで母から距離を置かれていたマーカスは、母に許しを請い久しぶりに家に帰るのである。
■そして、エリンが新任ゆえに高二迄しか教えられなかったルールを、彼女は教育委員会の要職にある女性に”もっと彼らを教えたい!”と訴えるのである。
<ラストシーンも、沁みる。
エリンはハラハラしながら見守る203教室の生徒達の前で、”駄目だったわ…。”と言いつつ、”4年まで面倒見るわよ”!”と高らかに宣言するのである。
歓喜する203教室の生徒達。
そこには、エリンが赴任した時の民族間の壁はなく、黒人生徒と白人生徒、メキシカン系生徒、アジアン系生徒達は皆で、ハイタッチをするのである。
今作は、主演も務めたヒラリースワンクが制作総指揮も務めているが、彼女自身の想いが強く反映されているんだろうな、と思った作品でもある。>