サイドカーに犬

劇場公開日:

解説・あらすじ

「雪に願うこと」で国内の映画賞を総なめした根岸吉太郎監督が、芥川賞作家・長嶋有のデビュー作を映画化。80年代初頭のある夏の日、10歳の薫の母が家を出た。数日後、薫の家に突然“ヨーコさん”という若い女性が現われる。男勝りで天真爛漫なヨーコは、神経質な母とは正反対の性格。そんな彼女に始めのうちは戸惑う薫だったが、やがて憧れのような感情を抱いていく。2年ぶりの映画出演となる竹内結子が自由奔放なヒロインを好演。

2007年製作/94分/日本
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:2007年6月23日

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(C)「サイドカーに犬」フィルムパートナーズ

映画レビュー

4.0「曖昧さ」が根岸吉太郎映画の「醍醐味」!

2025年3月12日
PCから投稿

80年代の巨匠(私はそう思う。)根岸吉太郎監督の作品。

この映画は素直に映画として面白い。根岸監督、やはりうまい。前作「雪に願うこと」は、ちょっと古くささを感じさせたが、今回は、ふわふわ感をうまく映像化している。

この監督は劇的な設定より、日常の機微の積み重ねを丁寧に撮っていくような題材が合っている。

代表作の「遠雷」やこの映画によく似ている「ウホッホ探検隊」や「永遠の1/2」は、日常の機微を丁寧に描いた傑作だったが、「絆」(刑事もの)は中途半端な作品だったし、前作の「雪に願うこと」もそれこそ「願い」が臭かった。

「サイドカーに犬」は、よく映画になったなあと思えるくらい映画にしずらい題材だと思う。小説ならありえるが、映画で成立させるなんて、たいしたものだ。

今は亡き竹内結子は自然でいい。子役の女の子(松本花奈)もよかった。それに古田新太がいい!図太そうに見えてなかなか気が弱そうな、いい加減さがいい。

ラストの女の子がお父さん(古田新太)の胸を頭突きをするシーンは何とも泣けるシーン。父への抗議とも甘えとも取れるような「この曖昧さ」が根岸吉太郎映画の「醍醐味」だと思う。

どうってことない映画。でも根岸監督らしいいい映画だった。

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mac-in

3.5アダルトとキッドの友情

2024年12月12日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

幸せ

萌える

平凡なストーリー。
薫を演じた松本花奈さんの現在の活躍が凄い。竹内結子さんが演じたヨーコのキャラクターが凄く良い。
ピックアップされている登場人物たちが魅力的で好きな作品。

今作は日本中がベビーブー厶だった頃を再現しているのだが、子どもより大人のほうが多い。その違和感の答えは、薫の回想シーンだから、周りに子どもが沢山いたのに眼中になかった、ということだらう、きっと。

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どん・Giovanni

2.0徘徊系ではあるが

2024年1月1日
PCから投稿
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プライア

3.5【”20年前の夏、母が家を出た後にその自由奔放な女性がやって来て、私に色々な事を同じ目線で体験させてくれた・・。”改めて竹内結子さんの、華やかさ、確かな演技に唸らされる。残念である・・。】

2022年9月29日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

知的

幸せ

ー 今作を観ると、改めて竹内結子さんの、華やかさ、確かな演技に唸らされる。
  今作を含め、邦画界を牽引して来た竹内さんの突然の逝去が実に残念である。ー

◆感想

・やや、高圧的な母(鈴木砂羽)が家を出て、ヨーコが薫の前に現れた時の、ヨーコと、弟透の戸惑い。
ー ヨーコは、薫たちと同じ目線で話をし、知らなかったコーラの味を教えてくれ、RCサクセションなどの薫たちが知らなかった事を教えてくれる。-

・自由奔放なヨーコは、中古車業をやっていた父(古田新太)の愛人だったようだが、アッサリと見切りを付け、薫に”あたしの夏休みに付き合ってくれない?”と言って西伊豆へ出かける。
ー 薫にとって、ヨーコは知らなかった世界を教えてくれた、素敵な女性なんだろうな・・。-

・20年後、自立した女性として働く薫(ミムラ)の姿も印象的である。

<80年代のポップカルチャーを取り入れながら、内気だった女の子が、自由奔放な女性と出会ったことで、自立して行く姿を描き出した作品。>

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NOBU