「物事の多面性」リトル・ミス・サンシャイン チキンリトルさんの映画レビュー(感想・評価)
物事の多面性
1人の少女のミスコン出場のための旅に出る家族を描くヒューマンドラマ。
しかし、ただのドタバタ家族の旅行映画ではなく物事に対する多面的な視点を考えさせられる内容。
「負け犬」ではなく「勝ち馬」になることが人生において最重要と考える父。
自身のセクシャリティが原因で自殺未遂を起こした叔父。
気難しい性格ゆえに老人ホームを追い出せれた自由人な祖父。
そんな家族に辟易とし、ニーチェをリスペクトしパイロット学校に入るまで会話する事を拒否した兄。
全員のキャラクターが、自分の価値観を信じる事と、周りとの差に気づく自分の間で揺れ動いているように見えた。
その中でミスコン出場が決まった少女オリーヴにはいくつもハッとさせられるシーンがあった。少女ゆえの素直さが、人生で本当に大事なものは何なのかを全員に考えさせる。
多様性が当たり前のように受け入れられ始めた「今」だからこそ見るべき作品ではないだろう。
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