「法律」デスノート the Last name 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
法律
新作前に久々に鑑賞。
前編は割と原作に忠実らしいが、後編はかなり脚色してるとか。原作未読の自分でも、映画と原作じゃ勝者が違うのは知っている。
でも、これはこれで面白い。練られたストーリーが。
例えば、月が一度デスノートの記憶を消し、再びデスノートを手にしてその記憶を取り戻すまで。全て自分の計算通り。
そしてクライマックスのどんでん返し。
何処までが原作を脚色し、何処からが映画オリジナルか分からないが、その巧みさには唸らされた。
地上に落ちたもう一冊のデスノート。
月=キラの協力者ミサミサの登場。
事態はさらに複雑に交錯し、遂に月とLの天才対決に決着の時が!
ここが最大の見せ場だが、自分は、同クライマックスシーンのある人物の台詞が響いた。
法の限界を糾弾する月に、鹿賀丈史演じる父が言う。
「法律は完全じゃない。法律を作った人間が完全ではないから、完全である筈がない。だが、正しくあろうとした人類の積み重ねが法律だ」
この言葉に、デスノートなんて代物を通して、本作が訴えたいメッセージを感じた。
人の罪は、人が、人の作った法で裁くべき。例えそれが矛盾だらけでまた人が犠牲になっても、我々は今一度それを教訓とし、正しき道を手探りで学び、考える。
松ケンLの存在は引き続き頼もしい。超駄作に終わったが、彼を主人公に映画を一本作りたくなる気も分からんでもない。超駄作だったけど。
後編の特筆すべきキャラをあくまで自分目線で。
まず、ミサミサ=戸田恵梨香の可愛さは人を死に至らしめるレベル!(笑) 拘束具にずっと縛られた様にはあらぬ妄想を…いや、その熱演に天晴れ。
そして、片瀬那奈の美脚は見逃せないッ!
あれから10年、再び地上にデスノートが…。
しかも、6冊!
今度のデスノートは我々にどんな混乱と矛盾と善悪をもたらすのか。